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お菓子の「ラムネ味」と「ソーダ味」、けっきょく違いはあるのか……?

暑い季節が到来し、ラムネソーダのようなシュワシュワ冷たい飲み物が恋しくなってきました。

そんな中で1年で1回はぶつかるであろう疑問が、「ラムネとソーダって何が違うの?」ですよね。

これに関してはすぐに結論を提供することができて、「語源が違うだけで現代ではほとんど同じ飲み物」というのが実際のところです。

ラムネは「レモネード」が語源だし、ソーダはナトリウムを意味する「曹達」から「シュワシュワするもの」という意味に派生した言葉です。ちなみにサイダーは、リンゴのお酒である「シードル」を語源としています。
しかし、日本に渡って数十年経つうちにそれらの垣根は取り払われ、現在では「あの特徴的な瓶にビー玉といっしょに入っているか」どうかぐらいの違いしかなくなってしまいました。

どれも、「シュワシュワした甘い水」程度の意味になっちゃってます。

▲これに入っているのが「ラムネ」

つまるところ、名前が違う飲み物なのに中身は変わらないんです!

ただ、そうなると必然的に新たな疑問が生まれますよね?

先述のとおり、ラムネとソーダ(サイダー)の間には味に基づく区分がありません。つまり、味はいっしょのはずです

それなのに、お菓子には「ラムネ味」と「ソーダ(サイダー)味」が別々に存在している……。

妙だとは思いませんか?


ただ、製菓会社もバカじゃありません。ラムネとソーダの間に、何かしらの味の差を見いだし、それを製品に反映させているはずです。

ならば、その違いを的確に言語化することができれば、数十年越しに味だけでラムネとソーダを区分できるようになるかもしれない……!

新たな炭酸飲料文化の輪郭を形成することができるのです。

してぇよ……俺、新たな炭酸飲料文化の輪郭を形成したくてたまんねぇよ……!

というわけで、さっそく買ってきました!

ありとあらゆる、ラムネ味とソーダ味のお菓子をっっっっ!!!

これらをひたすら食べ比べて味の要素を「甘さ」「酸っぱさ」「爽やかさ」「香り高さ」各10段階にパラメータ化し、ラムネ味とソーダ味それぞれがもつ個性を浮き彫りにしていきます。

それでは、1種類ずつ実食!!!

ぷっちょグミ(ソーダ味)

甘さ:5、酸っぱさ:5、爽やかさ:6、香り高さ:4
コメント:フルーティーな酸味が特徴的で、全体的に淡い味つけ。

キシリトールガム(サイコソーダ味)

甘さ:3、酸っぱさ:1、爽やかさ:9、香り高さ:2
コメント:甘みや香りよりすっきり感重視。ポケモンに登場する架空の飲み物の味付けのようだが、ソーダ味としてカウント。

つぶグミ(サイダー味)

甘さ:6、酸っぱさ:5、爽やかさ:4、香り高さ:3
コメント:爽やかさおさえめで甘さが舌に残る印象。ラムネともソーダともイメージが違う。

ポイフル(ソーダ味)

甘さ:5、酸っぱさ:7、爽やかさ:6、香り高さ:8
コメント:口に広がる芳香が特徴。フルーティーさではトップクラス。

ぷっちょSTRONG(ソーダ味)

甘さ:8、酸っぱさ:3、爽やかさ:8、香り高さ:3
コメント:味が濃く、強い甘みが口に残る。グミとは対照的。

シゲキックス(ソーダ味)

甘さ:4、酸っぱさ:10、爽やかさ:3、香り高さ:2
コメント:酸っぱさ特化。後に残る甘さも炭酸飲料のそれではない感じ。

しゃりもにグミ(ソーダ味)

甘さ:9、酸っぱさ:8、爽やかさ:8、香り高さ:7
コメント:食感が売りとのことで、確かに楽しい食べ心地だったが、味の濃さもトップクラスだった。

ハイチュウmini(ソーダ味)

甘さ:4、酸っぱさ:8、爽やかさ:7、香り高さ:5
コメント:意外と酸っぱく、存在感はあるけど甘さは控えめ。

大粒ラムネ(もちろんラムネ味)

甘さ:4、酸っぱさ:5、爽やかさ:10、香り高さ:9
コメント:まさにラムネ、舌がひんやりするあの感じだねぇ!

忍者めし(ラムネ味)

甘さ:3、酸っぱさ:8、爽やかさ:7、香り高さ:6
コメント:酸っぱさが他を牽引しているイメージで、満足感が高い。

メントス(ラムネ味)

甘さ:10、酸っぱさ:6、爽やかさ:7、香り高さ:4
コメント:酸っぱさも粉っぽい爽やかさも確かにあるんだけど、何より甘い。

ラムネアップ(ラムネ味)

甘さ:7、酸っぱさ:4、爽やかさ:8、香り高さ:9
コメント:とても香り高く、口に残る甘さが印象的。

カンデミーナグミ(ラムネ味)

甘さ:4、酸っぱさ:7、爽やかさ:4、香り高さ:4
コメント:「噛む」特化のお菓子で、他と比べて淡泊な味の印象。

サワーズ(ラムネ味)

甘さ:6、酸っぱさ:6、爽やかさ:8、香り高さ:9
コメント:名前に反して酸っぱさは控えめだが口に香りが広がる。

ラムネ味のサンプルが少し少なくなりましたが、まぁこんなもんでしょう。

あとは各味のパラメータの特徴を、ソーダ味とラムネ味でそれぞれ算出します。

ソーダ味の平均値

甘さ:5.5、酸っぱさ:5.875、爽やかさ:6.375、香り高さ:4.25

ラムネ味の平均値

甘さ:5.5、酸っぱさ:6、爽やかさ:7.333、香り高さ:6.833

以上を見るに、甘さと酸っぱさというベースの味覚はソーダ味とラムネ味で違いはありませんが、爽やかさと香り高さはラムネ味が大きく勝るという結果になりました。

つまり、お菓子であっても「味自体はソーダとラムネに違いがない」という事実は変わらない上で、それに上乗せされる風味にはしっかりと差があることになります。

おそらくですが、比較的淡泊な風味に仕上げたものは「シュワシュワ感」を強調するソーダ味、香りが高く風味が濃いものには「子どもが飲んでいるイメージ」のあるラムネ味を設定し、パッケージを組んでいるのでしょう。

飲み物に見られた従来の味の特徴(違いがない)をそのままに、風味の違いでしっかりと売り方を変えるとは、想像していた以上に製菓会社はやり手ですね。

ただ、今回の調査は被験者が僕のみの官能試験。仮説検証のために、もっと人を集めて同じ試験を行ないたいところです。
もし、協力してくださる方がいらっしゃいましたら、上で書いていたような味の評価を送ってくださるとありがたいです!

では、喉が渇いたので私は今からコークハイを飲みますね。

バイバイ!

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