りりちゃん
いただき女子りりちゃんの獄中日記が目に入って、私は不覚にも嫉妬した
彼女の書くものが、私の理想のような少女だったから
私はいつまでも「少女」に憧れを持っている
哀しい哉現実は過去と陸続きだけれど、私には少女時代の良き思い出などなく、掘ってもなんにも出てこない
少女は、無垢で、現実の問題などにはいっさい目もくれず、空想の世界に生きている
目先の欲に溺れているようでどこか達観している
おさけを飲んでもたばこを吸っても少女は少女だ
りりちゃん、あなたはガラスのおめめで一体何を見て生きてきたの、と問いたくなる
ねえ、今あなたはインターネットの一部で賞賛されているのよ
人間を分析する目を持っていること
愛される努力
人を動かす力
あなたは実はすごい人だって
事件が起きなければあなたは所詮パパ活のうまい女の子だった
事件になって、知名度が上がって、あなたはそれでも発信している
それを誰かがまたインターネットで発信する
あなたの良さを誰かが見ているわ
大事なのは知名度だと、それが全てなのだと錯覚してしまうじゃない、やめてよ
ねえ、私もないよ、学力とか
私の親はあなたとは違うけれども酷い幼少期を過ごしたのよ
私もすこしなら男を知っているのよ
愛される能力が足りないのかしら
嫉妬してもしようがないのに
彼女について取り沙汰されている刑期の正しさがどうとか、私は知らない
司法の話はできないししたくもない
ただ、りりちゃん、ちょっと前の人生より刑務所は窮屈かも知れないけれど幼少期よりは安全よね
なんとなく分かるよ、人生を取り戻したかったのかなって思うよ
愛と、富さえあれば幸せになれるんだって信じて疑わなかったんでしょ
それがたとえカリソメでも、無いよりはある方が良いものね
あなたは何にも知らないし、知ることもないけれど、私はお互いに、これからを幸せに生きていけるといいなって、思ったり思わなかったりしている
誰しもいつか死んで灰になる
人生平等なのはそれだけだなんて哀しいものだね
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