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第4話 組合潰し

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坂本が話を続ける。
「さっきのネット検索の話だが、インターネットが使えれば説明しやすいんだが、ここにはそんなものはないからなあ。この航海が終わったら、より詳しく説明してあげるよ。とりあえず、日本会議の概略だけ簡単に説明しておく。本当は、ある動画を見てもらうと一番手っ取り早いんだけどね。『愛国カルト教団!?「日本会議の研究」レビュー【実況解説】』を。これは、この本、菅野完著『日本会議の研究』を要約したものなんだ。」と自分が持ち込んでいる本を示した。

「ネットがないから示すことができないのが残念だけど、この組織の暗躍を良かれと思っていない賢者も多くて、例えば、一弁護士の方が、自信の営業活動に不利益なことも覚悟だろうけど『日本会議と安倍政権』というコラムを投稿していたりするように、一心同体の関係なんだよ。
 彼らは、そもそも安保改定の学生運動に対抗する右派勢力#成長の家 原理主義者)として誕生した。だから、反左翼で、組合運動を敵視し、破壊した。国鉄郵政民営化も、財政再建というのが建前だが、実は、組合潰しだよ。企業も所謂 #御用組合 を作って、共産党系の組合を弱体化させた。その背景を描いた小説が、山崎豊子著『沈まぬ太陽』だ。分厚い本だから、本嫌いの麻生には無理だが、映画にもなっているから観るといい。労働組合の書記長として労働者のために尽力する主人公が、元の仲間が御用組合を結成(裏切られ)し左遷される話でもある。

(本当はミサイル誤爆が真実の日航ジャンボ機墜落事故に対する疑惑を描いていると思うが・・・。後日解説。)

 非正規雇用を増やす政策も、経団連の要望もあるが、労働者を分断して、組合活動を弱体化させるためだったんだ。今や、労働組合の組織率は20%を割っていて、大企業にしかなくたこつぼ化している。一応、反戦運動にも取り組んでいる建前ではあるが、御用組合ばかりなので、正社員の待遇維持活動が中心で、日本会議の暴走を止める力はない。明らかに憲法違反の安保関連法制定の反対デモにでさえ、全く無関心な組合員ばかりで、一部の組合役員が動員としていやいや参加しただけというのが実情だ。そんな状況だから、もう、安保改定当時の反政権のうねりは、この国には生まれる状況にはないんだよ。

 安倍政権が憲法改悪を達成できたのも、国民が無関心過ぎたからだ。
 昔、真珠湾攻撃に拍手喝さいしたのと、五十歩百歩だよ。国民は、未来予測できないんだよ。
 その後は反改憲の反対運動も一応盛り上がったが、それも国民のごく一部にしか過ぎない。
 完全に中国共産党に支配された香港での過去の抵抗運動(2020年だったかな?)のように、後の祭りだ。食べて行かないといけないから。永遠にデモはできないんだよ。

 いつ国民は、その過ちに気づくんだろうな?

 その時に、俺達は生きているのだろうか?とりあえず、この航海が片道切符でないことを願っているよ。
 まだ、やり残したことがあるんだ。」