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2024/5/18 エミール・ガレ 没後120年@松濤美術館

ポスター見た時にこれは行くべき!ということでようやく鑑賞。
本当はGWに行きたかったのに体動かなくて諦めたのよね。
渋谷の繁華街を抜けた正に閑静な高級住宅街に佇む松濤美術館。
歩く度に街の持つ雰囲気に背筋を伸ばすように促される感がある。

エミール・ガレを初めて見たのはガラスランプだがその時から素敵だなと思っていた。
器類が好きなのはそこから始まっているような気がする。
生涯を通じた作品が展示されていたが、初期の作品は透明なガラスに絵柄が描かれているだけものから色付きガラスに絵付け→色付きガラスに立体的な図柄=所謂アール・ヌーボーの作品へと展開されていく。
花や昆虫といった自然のものを曲線的にデザインしたものがアール・ヌーボーとのことで、蝉や蜻蛉、花といったものがモチーフに使われている。
蝉なんて実物は気持ち悪いのに、ガレにかかればリアルなのに美しい作品になれるのだ。
優れた美術家は観察力に長けているが、具現化できる技術だけでなくありふれたものを美しいものへ昇華できるバランス調整力があるのだ、と置物の猫(の背骨)と茄子のランプ、蝉をモチーフにした花瓶を観て思った。
三沢厚彦の作品でも思ったけど猫のフォルムって造形美の試験紙なんだな。
立体的な図柄を施すための技法も展示されていたが、上手く見分けられなかった。同じモチーフでも技法の違いで印象が変わってくるのは面白い。
それらの制作にはフッ化水素酸(毒物、骨を溶かす)を使わないといけないそうで、安全第一の現代ではガレの手法を再現するのは無理とのこと。だからこそ現存する作品を大切に残しておかなきゃだよね。
写真撮影不可なので良かった作品全て覚えていないものの、猫の置物、貝と蛙と鯉をモチーフにした器、蝉の花瓶、ポスターに使われている百合の壺、茄子のランプが素敵だった。
とりあえず、今回の展示を所有している松江北堀美術館は要チェックだな。

リプロダクト品のガラスランプ、最寄りのデパートに置いてあるけれど、結構いいお値段なのでさすがに手が出ない。
ただのシーリングライトじゃ味気なくて替えてみたいけれども、照明器具って明るいところで展示されているから実際使う時にどれくらいの照度なのかわからなくて中々買えないのよね。