見出し画像

7月に必ず行っていただきたいこと 採用編

早いもので、2021年も下半期に突入しました。
世の中には様々な業種・業態がありますから、繁忙期、閑散期はそれぞれでしょう。
また、期の締めなども会社により違いますので、重要な月や時期も、バラバラです。
どのような業種・業態・会社でも変わらないのが、新卒採用のアクションです。
新入社員は毎年3月に高校や大学を卒業して4月に入社しますから、どの会社も4月から新たな戦力が加入することを予定して、年間のスケジュールを立てます。
新卒採用のために、毎月するべきことは異なります。新卒採用は年間を通じての活動が成功のカギです。
優秀な新人を採用するために7月は何をしたらよいかを、お伝えします。
まず、採用といっても、やるべきことは大きく2つに分けられます。2022年3月卒向け(22年卒)対策と、2023年3月卒向け(23年卒)向け対策です。


10月まで辞退させない働きかけを

直近の2022年3月卒向け対策をお伝えします。
7月は、来年4月に入社する学生の内定が出そろう時期です。無事に内定を出すことができた、と一安心するのはまだ早いです。貴社が内定を出したような優秀な学生は、他社からも内定をもらっていて、学生が入れる会社は1つですから、貴社とライバルを天秤にかける時期に入ります。
一般的に、10月1日の内定式に出席すると、学生の辞退は減ります。内定式に出席=入社の意思を固めた、と言えるからです。
逆に言えば、それまでの期間は油断できません。学生の考えは揺れ動きます。10月までの3カ月で、辞退されることのないよう、学生にしっかり働きかけをしていただきたいと思います。
具体的に行っていただきたいのは、早期教育の開始と辞退防止のアクションです。
内定を出した学生に対し、会社に入ったあとに必要となる知識などを伝え、学んでもらうようにするのです。
これの一番の目的は、内定を出したあとも、学生と接点を持ち続けること。内定を出したあと、それまで頻繁に学生に連絡していたのをピタリとやめる会社がありますが、学生にしてみれば内定後のアクションゼロは不安を増大させます。
その間に内定を出したほかの会社からたくさんの連絡が来ていれば「そっちの会社のほうがいいかも」と思ってしまうものです。
教育プログラムの目的は、何でも構いません。「このようなものがあると連絡すること」が目的です。
学生も学業が忙しかったり、最後の1年で部活動などに集中したい人もいるでしょうから、教育プログラムには参加できなくとも構いません。「私たちはあなたのことを気にかけている」とアピールすることが大事です。
同時に、辞退防止のアクションも行っていく必要があります。近年の採用において大きな存在感を放っているのは「親ブロック」本人が入社する気でも親が反対し、内定を辞退するケースが増えています。
本人へのアプローチと同様に、親対策もしっかり行う必要があるのです。
親対策として効果的なのが「社長の直々の手紙」です。内定を出した学生に対し、入社を歓迎する、期待している旨を社長が直筆で書き、送るようにします。
そしてその手紙を、親御さんにも見せてほしい旨を伝えるのです。

「親ブロック」は「聞いたこともない会社」に対しまず発動します。業態がBtoBであったりで、そこまで知られていない会社の場合、どうしようもない部分もありますが、「名前は聞いたことがなくてもちゃんとしている会社」と思ってもらえることで、かなり緩和することができます
そのための手段として、手書きの手紙は大変有効なのです。ぜひそのような手紙を送る準備を進めていただきたいと思います。


2023年卒へは「最初のアプローチ」と「コンテンツの準備」

次に、2023年3月卒向けのアプローチについて。まずここで、採用のための全体のフローをご覧ください。

画像1

7月に行っていただきたいのは、WEBカジュアル面談と、夏のインターンシップの準備です。
上図の一番上に「自然エントリー」とあります。これは、貴社の採用ページなどを見て、学生のほうから応募してくるケースを指します。まずはそれらの学生に対し、WEBカジュアル面談を実施します。
WEBで30分程度、カジュアルに話を聞かせてもらうのが目的です。その際のポイントは以下です。
・お互いに自己開示からスタートする(学生が話しやすいテーマで話す)
・就職活動や学生からの相談に親身に乗る(嘘や誇張はしない)
・会社見学ツアーなどの次回イベントへの参加をその場で決める
・遠方の学生への対応はWeb会議システムや電話などを用いる

ここで採用の可否を決めるのではなく、会社も学生もお互いについて知ってもらう最初の機会として、まずは学生の話を聞き、就職活動を進めている学生の相談に乗ることが大事です。
そして、会社が次に行うイベントへの参加を促します。
今の時代はコロナもあり、WEBでのやりとりが当たり前になってきていますが、お互いに初対面で、WEB上はリアルに比べてどうしても反応がわかりづらいなどありますので、リアクションを大きくするなどして、しっかり話を聞いていると学生に伝わるようにすることが大事です。
そして、夏のインターンシップについても、しっかり考えていく時期です。
どのようなコンテンツを用意し、学生にどんな形で参加してもらうか、何を得てもらうか、そしてインターンシップのカリキュラムを自社の採用にどう役立てていくかを、しっかり考えていきましょう。
インターンシップの内容は業種や業態、また会社により千差万別なので、どのようなものがよい、とここでお伝えすることはできませんが、「わが社はこうする」をしっかり考えるべきタイミングが、7月です。
インターンシップのコンテンツは千差万別とは申しましたが、目安となるものを提示いたします。
「学生のタイプに応じて内容を考える」が基本の考え方です。

画像2

学生のタイプとニーズ、企業ができることと想定されるイベントについて、上記の図より抜粋しまとめました。

・学生のタイプ1:迷子型
「どうしたらいいのかわからない」先行き不安な迷子型学生。
・インターンへの学生のニーズ:まず何をすればよいかを知りたい、とにかくいろんな企業を見てみたい、相談に乗ってほしい
・企業ができること:いろいろな体験を提供する、面談を重ねるなどの長期的支援、何度でも話を聞く
・想定イベント:就活セミナー型、社会人交流型、オリエンテーション型
・学生のタイプ2:就活アドバイス型
方向性は決まっていないが、就職活動での成功や社会人への関心が高い学生
・インターンへの学生ニーズ:就職活動で人よりも有利になりたい、社会人と学生のギャップはどんなものがあるか知りたい、社会人の本音が知りたい
・企業ができること:就職活動のテクニック・アドバイスの提供、相手の話を聞いて軸を定める、マッチングの補助をする
・想定イベント:就活セミナー型、社会人交流型、オリエンテーション型
・学生のタイプ3:企業研究型
志望する業界をある程度絞ったが決め切れていない学生
・インターンへの学生ニーズ:業界の実情が知りたい、他社・他業界との違いが知りたい、業界で有利になる情報が欲しい
・企業ができること:業界全体の全貌やメリット、デメリットを伝える、志望業界との類似点を伝える
・想定イベント:フィールドワーク型、職種特化型、自社説明型、社員座談会
・学生のタイプ4:超優秀型
自分の力に自信があり就職活動にも意欲的な学生
・インターンへの学生ニーズ:自分の力を試してみたい、自分を成長させたい
・企業ができること:ステップアップできる、自分の力を試せるような場を作る、社会人と同じ環境を提供する
・想定イベント:社長セミナー、課題解決型、長期インターンシップ

インターンシップはコンテンツの作成と合わせて、集客もOffer Box、マイナビなどの学生が利用している就活のためのツール上でしっかり行えているかも見ていく必要があります。
インターンシップはコンテンツもですが、どのように集客するかも非常に重要です。
また、インターンシップは単発で終わるのではなく、次回につながるように設計することが大事です。
インターンシップは夏だけでなく、翌年1月、2月頃にも開催します。夏のイベントに参加した学生が、冬にも参加してもらえる形を考えていく必要があります。
会社が主催するイベントに参加する数が多い学生ほど、会社や業務内容への理解が高まり、また入社意欲も高いと考えることができます。
学生へのアプローチは「継続」が大事です。すべては「次につながる」ことを大事に行っていただきたいと思います。


社長online
では、採用などについて経営者が毎月やるべきことをお知らせしています。無料登録もございますのでぜひこちらからご利用ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?