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100年続く「もなか屋」を私たち夫婦が継ごうと決めた訳

はじめまして。

私たちは名古屋で暮らしている30代の夫婦です。
小学生の一人息子と一緒に普通の暮らしを送っています。

普通のようで普通じゃない私たち夫婦

一見、何の変哲もない普通のファミリーのようですが、私たちが普通の夫婦と「少しだけ」違うことがあります。

それは、妻が100年続くもなか屋の娘だということです。

そのもなか屋とは「元祖鯱もなか本店」です。

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「元祖鯱もなか本店」は和菓子屋として明治40年に創業、金のしゃちほこを形どった「鯱もなか」が誕生したのが大正10年。
創業110年を超える老舗店です。

店頭販売だけではなく、名古屋駅、名古屋城、中部国際空港セントレア、JR高島屋を始めとしたお土産売り場で「名古屋土産」としても長く親しまれてきました。

そんな「元祖鯱もなか本店」を切り盛りするのは妻の父、私の義父に当たる人物です。

義父は三代目の店主であり職人でもあります。

明治から続く歴史ある和菓子の味を守りながら、修行先で学んだ洋菓子も取り入れ、素材と味にこだわったお菓子作りを続けてきました。

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廃業するはずだった「老舗のもなか屋」さん

しかし、実はつい最近まで「鯱もなか本店」はこの歴史に幕を閉じようとしていました。

しかも、その間際まで。

というのも、70歳と高齢になり後継ぎがいない状態だったので、義父の中で「キリのいいところで廃業しよう」という意思が固まりつつあったのです。

義父には二人の子供がいます。
それは、私の妻と兄である長男です。

二人のうちどちらかが後継ぎ候補になりそうなものですが、実際にはそうなりませんでした。

なぜでしょう。

実は、子供たちに後を継がせたくないというのは義父の意思だったのです。

どういうことかご説明します。

本来であれば、まず長男である義兄に後継ぎの話が浮上するはずです。ですが、義兄は幼少のころから非常に勉学に長けていました。

国内最高峰の大学へ進学し、そのまま大企業の技術職として就職し、関東で社会人生活を始めることになったのです。

義父は後継ぎの話よりも、義兄が自身で切り開いていく人生を尊重しました。

そして、実はお菓子屋さんの道は過酷です。

「元祖鯱もなか本店」は店頭販売用の和洋菓子だけでなく、名古屋駅や名古屋城、中部国際空港セントレアなどにお土産品を卸しているので、製造ラインで大量生産もしています。

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製造工場にはパートさんが数名いますが、基本的には義父母もフルタイムで現場に入り朝から晩まで仕事。休みは基本的にありません。

長男へ引き継ぐ選択肢はない。
だからと言って、こんなに大変な仕事を大事な娘にさせたくない。

そしていつしか義父の中で「自分の代で廃業する」という選択肢が現実味を帯びていったのです。

私たちが「鯱もなか」を継ごうと決めた訳

ここからは私たち夫婦の話になります。

私は長年、会社員として営業職を務めていました。
会社から給与を頂くのが当たり前で、以前は自分が事業主となりお金を生み出すことなど想像もできませんでした。

妻は大学では芸術を先行し、社会人としてはファッション・美容系の業界を渡り歩いてきました。結婚後は専業主婦になり、その後は子育て中心の生活になっていきます。

そんな私たちにも転機が訪れます。

サラリーマンだった実の父親と違い、自営業で生計を立てる義父の姿を見ているうちに、いつしか起業したいという感情が芽生えました。

しかしお菓子屋さんは大変だと聞かされていた私たちが選んだのは、お菓子屋さんではなく「副業でのレンタルスペース運営」でした。

レンタルスペースとは時間単位で場所を利用できるサービスで、貸し会議室やパーティースペース、ダンススタジオや写真スタジオなど、様々な種類があります。

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このレンタルスペース運営を通じて、私たちは副業ですが起業することに成功したのです。

そして、義父がいよいよ今年を最後に店を閉めると決意を固めかけていたタイミングでふと思いつきました。

それは「元祖鯱もなか本店」をシェアスペース併設のお菓子屋さんにしてはどうだろう?というアイディアでした。

シェアスペースとは、月額の利用料を支払えば好きな時にその場所を利用できるサービスです。

レンタルスペースは予約した一組に個室をまるごと貸し出しますが、シェアスペースの場合は一つの空間を会員でシェアして使う点が異なります。

シェアスペースを併設することで「長年愛されるお菓子屋さん」が「まちの憩いの場」となり多くの人が集まってくる、そんなイメージがどんどん膨らみます。

レンタルスペース運営の経験がある私たちであればシェアスペースも運営できるはず!そして、お菓子の品数を減らして店舗販売を中心にすれば、私たち夫婦でもお菓子屋さんになれる!

この画期的なアイディアを思いついたことで、一気に霧が晴れました。

そして「元祖鯱もなか本店」を引き継ぎ、シェアスペースつきお菓子屋さんにするという、私たち夫婦の新たな夢がスタートすることになったのです。

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これから私たち夫婦が四代目として代替わりに向けて奮闘する様子を投稿していきます。ぜひお楽しみに!

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