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プラスチック問題を地球1個で考えると?:その4

プラスチック廃棄物の輸出入

ここでのポイントは「3%」という数値をどう読むか、です。たかが3%、されど3%。この3%の中には不法輸出入事例も含まれます。例えば、環境省の情報のよると、昨年度は、日本からマレーシアに輸出した廃プラスチックの返送事例が数件あります。だからこそ、有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約の原則に含まれる「廃棄物は発生した国において処分されるべき」「国境を超える廃棄物の異動を最小限度とすること」を強化するべき、と言う声が大きくなり、条約改正までに至りました。

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でもこれは画期的な条約改正となりました。今まで、バーゼル条約と言うのは、廃棄物中に含まれる有害物質から環境汚染・健康被害を守るためと言うのが原則でしたが、廃棄物自体は非有害であるけども、それが長期間にわたり環境中に蓄積することで、甚大な影響を及ぼす廃棄物、例えばプラスチック廃棄物、も条約の範疇内である、と言う国際的な認識ができたということ。

でもバーゼル条約を完全に施行しても規制をかけられるのは3億トン3%、その他97%をどう管理していくか、と言うのがもっと重要です。ここで再び同じ質問、プラスチック問題は誰のせいですか?私たち人間のせいです。この97%をちゃんと管理していくには、私たちの普段の生活、廃棄物・リサイクルシステムを根本的に変えていかなければなりません。小手先の業ではなく、システム思考的なアプローチが必要になります。プラスチック廃棄物問題は、気候変動問題と同じように、その問題が表面化するまでに、問題の核心から甚大な環境影響を及ぼす社会・経済・環境影響の負の連鎖が既に引き起されている、という事が言えるでしょう。明日に続く。

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