不登校の子には特別な対応が必要なのだろうか?

前回書いた「学びの多様化学校」に限らず、不登校に対する社会的関心は年々高まっているように感じます。
それ自体は悪いことだと思っていないのですが、不登校=特別に配慮が必要な子、と扱われると、少し違和感をおぼえます。

私のこれまでの活動の中では、学校教育だけでなく、社会教育に携わることもありました。小中学生を対象としたキャンプなどの体験活動のスタッフを7年ほどしていましたし、日南で取り組んでいる「にちなん起業体験プログラム」も社会教育だと思って取り組んでいます。

そんな場に参加してくれる子の中には、普段は学校に行っていない、不登校の子もいます。しかし基本的には他の子と変わらず普通に参加してくれるので、不登校だとは全く気付きません。こちらも何も考えず、ただその子として接します。
しかし、たまたま保護者さんやその子の学校の先生と話す機会があり、知ることがあります。そうすると、少し身構えてしまったり、気を遣ってしまう自分がいて、私自身もいつも反省するのです。

学校に行っている、行っていないに関わらず、学校のこと、家族のこと、勉強のこと、友人関係のこと、子どもたちは様々な悩みや課題を抱えています。誰が相手であろうと、そのことを踏まえて一人ひとりに接するべきです。
しかし実際には、極端な言い方をすれば学校に行っている「普通の子」にはデリカシーのない踏み込み方をし、学校に行っていない「特別な配慮の必要な子」には腫物扱いをする、みたいな場面を見ることもあります。

現場で支援をされている方々の発信を見ていると、じっくりと話を聞くとか、一緒に遊んだり食事をしたりして楽しむとか、プレゼントに手書きのメッセージを添えるとか、そんな何でもないことを丁寧に、真摯に取り組まれている印象を受けます。

もちろん、専門家による専門的な対応が必要な場面もあると思いますが、私には専門性がないから何もできない、と遠巻きにしてしまうことで、壁ができてしまったり、負担が偏ったりすることもあるように思ったのでした。


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