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2/27 「思い出記憶喪失」

小中高の同級生と久々に再開し、思い出話に花が咲く———。
多くの大人にとって、若い頃の友人との思い出は共通の故郷であり、年を経るごとに美しさを増すものだろう。

しかし僕の場合、そう言ったエピソードにまつわる記憶が全くと言って良いほど残っていないのである。いや、確かに僕もそのエピソードの現場に居たはずなのだが(仲間外れだった訳ではないと信じたい)どうも昔からそう言った記憶が鈍いのである。

我ながら、記憶力は割と良い方だと思っている。知識や雑学、本の内容などは割と良く覚えれる方だと自負しているのだが、こと「思い出話」などは、四、五人の同級生の集まりの中で、僕だけ覚えていない、と言うことが度々である。
そして、その事にハッとして、疎外感を感じ、自分がなんだか薄情な人間に思えてくるのだ。


考えてみると、僕は「楽しかった思い出」を反芻する事が滅多にない。例えば、部活の遠征や、大会で優勝したこと、学校祭、修学旅行などのイベントの余韻に浸ったり、写真を見ながら思い返すことが全くと言ってないのだ。思い出のアルバムを見ながら懐かしむと言うことも無論ない。
これこそ、「思い出記憶喪失」という症状の原因なのではないか?

僕は別に、

「過去を振り返らず常に未来志向のエネルギッシュな自分像」

を演出したい訳ではない。
むしろ、過去のことはよく考えてしまうタチであり、
その証拠に、嫌な事があれば、そのことを何度も反芻し、方々に愚痴ったりしている。
そのせいか嫌な事ばかりよく覚えてしまうのは、僕の記憶システムの重大な欠陥だ。

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