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4/2 日記

昨日はエイプリルフールだった。
毎年4/1日、X(旧Twitter)のTLがくだらない嘘で溢れ返るのは、すっかり恒例行事になった。

くだらない嘘。
そう、くだらないのだ。

特に顕著なのは、お笑い芸人のエイプリルフールネタの軒並みつまらない事である。


それはさておき、エイプリルフールとその文化の持つ意味についても少し考えたい。

僕はエイプリルフールについて、ある事に気づいた。
それは、エイプリルフールの嘘は
「目的化された嘘である」
ということだ。

思えば、嘘は、いつも必ず手段である。

何かを隠す時や、自分を大きく見せたい時、他人をコントロールしたい時。
嘘は有効な手段である。
そして、嘘を要する状況においてこそ、嘘は文脈の中に自然に存在しうる。
裏を返せば、目的化した嘘において、嘘は不自然な形をとってしまう。


嘘について色々書く中で、こんな言葉を思い出した。

「上手い嘘のつき方を知っとるか?
 時折事実を交ぜて喋ることじゃ」

諫山創 進撃の巨人 

このセリフは、進撃の巨人で、ピクシス司令がスパイ被疑者のイェレナを尋問する場面で登場する。
純度100%の嘘は、完全な創作物であり、ゆえに論理的な脆さを避ける事は極めて難しい。
それに比べれば、事実を交ぜた嘘というのは、見方によっては事実なのだ。したがって、追求にも耐えうる様な論理的な堅さを持ちうる。

また、事実を交ぜて喋る事で、自分を騙す事ができる。自分さえ騙せれば、自分の様子が原因で嘘がバレる確率を大幅に下げる事ができる。

事実を交ぜた嘘というのは人間誰しも日常的に、半無意識で使用している。その事を鋭く指摘した、このセリフは、作中屈指の名言だと思う。

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