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SHフィギュアーツから見た『シン・仮面ライダー』の魅力

先週『シン・仮面ライダー』を観た後で劇場パンフレットを眺めながら、「フィギュアが欲しいな」と思ってました。

で、昨日大須へ物色しに出掛けてみたら、一番欲しかったSHフィギュアーツ版が売っていたので、迷わず購入しました。
まあ、メーカー希望小売価格より少し高かったけど、Amaz○nより安かったんで。

ということで、開封の儀だの何だのはこちらよりも詳しいブログがたくさんありますので、背景等を弄ったクソコラ含めたレビューなど。

あ、作品の感想はこちらに書き殴っておりますのでよかったらぜひ。

早速クソコラですいません。
まずは付属のコートを着せた全身像から。

本体は全体にプロポーションがリアルで、軟質素材の使用や恐ろしく丁寧なモールドなど、真骨彫シリーズと比べても遜色ありません。

ただし、関節は腕周りなどの可動箇所が若干少なくて思ったほど動かない上に、胸部のコンバーターラングが大きく、上腕部に干渉してしまいます。
そのため1号独特の、右腕を左上へまっすぐ伸ばすポーズや、本作イラストポスターの右手で左腕を掴むポーズが取れないのが残念。

この撮影後に肘関節が抜けました()

そして付属するコートは、率直に申し上げてブカブカです。
特に肩周りは縫製されておらずワイヤーも入ってないので、どうしても撫で肩に見えてしまいます。

とは言え、あまりにタイトな作りだと、着せる時パーツに負荷がかかり破損事故の恐れもあるため、これくらいの余裕がないと厳しいのでしょう。

風合いとしては悪くはないですが、ホコリが目立つので、着せたままアクリルケースに入れておくか、脱がして保存しておくのが良さそうです。

「母さん、いま帰ったぞお」

コートを脱ぐ様を煽りで撮ってみた図。
こういう構図だと撫で肩が目立たないので、サマになります。

マフラーは樹脂製ですが、よく見ると先端に縫い目が刻まれています。

本体の各パーツは非常に精細に再現されており、71年のTVオリジナル版にはないリベットまでしっかり彩色されています。
1号は全体にトーンが暗めなので、ここの配色はガンメタでも良かったんじゃないかと思いますが。

コートの裏地は別の素材でなかなかリアルですが、縫製のほつれがあってちょっと残念。

ただ、コート姿が強烈なアイデンティティとなっているだけに、付属されているだけ良しとしたいところです。

1号感の強いアップ

マスクの煽り。
ピンクの目や複眼加工も含め、劇中マスクと瓜二つです。

全体にダークな色味ですが、マスク下部(クラッシャー)はライティング次第で明度が明るく映ります。

オリジナルにもあった要素として、マスクから本郷猛の後ろ髪がはみ出しているのが特徴。
さすがに髪は樹脂製ですが、SNSではつけまつ毛で改造する猛者がいました。

顔を上向きにすると、覆われていない首が出るところもポイント。
ウルトラマンとは違い、人が被っているマスクであることがビジュアルでも伝わります。

マスクの中に映るものは…

マスクを後ろから。
撫で肩にしか見えないコート姿ですが、角度によっては哀しみを背負っているかのように映ります。

ピンボケ気味で済まない。

マスクの背面には、ショッカーのマークと、本来の名称であるバッタオーグ1号である旨が印字されています。

ベルト周りの接写。
本作のベルトはオリジナルの意匠を残しつつ、排気口などの新要素がプラスされていますが、これも見事に再現。

そして驚くべきはスーツのファスナーや、そのすぐ下のスーツ生地の再現度。
上の画像、実寸だと縦3センチほど、実に精巧に作られていることがよくわかります。

ポスターと同じ配置にしてみた。

コートを脱いだ本体。
オリジナル版もそうですが、1号ライダーは主に本郷猛を演じる俳優が着ていることもあり、佇まいやプロポーションは後発作品ほどヒーロー然とはしていません。

振り返れば、仮面ライダー以前の等身大ヒーローは月光仮面、キャプテンウルトラなど主演俳優の素顔がわかるものばかり。
つまり仮面を着けて素顔が見えなくても、主演俳優が演じるのが当然だったわけです。

藤岡弘さんのバイク事故がなく、そのまま仮面ライダーがシリーズ化していたら、今も主演俳優がスーツを着ていたのかもしれません。

この素朴な佇まいこそ1号独自の魅力となってるわけですが、フィギュアーツでも見事に踏襲されています。

あの写真集の広告が元ネタ

オリジナル版のあの写真にインスパイア()された画像です。
スーツ上腕部のリアルなたるみや、横から見たコンバーターラングの形状がよくわかります。

スーツのリファインについては、オリジナルのデザインをどう活かすかに主眼が置かれているのは一目瞭然。

しかし、TVオリジナル版では「改造人間」とされたのはどこなのか、具体的に首から下はスーツなのか、それとも肉体の変化なのかが不明瞭でした。

『シン』では原作版に倣い、マスクの中の顔など、肉体の変化は別に起こっているように描かれています。

『シン・ゴジラ』『シン・ウルトラマン』から連続する「シャワー浴びてなくて服が臭いネタ」は、実はこのスーツが文字通り装甲としての「スーツ」であることを明示しています。

そのため、前述したリベット、マスク背面の印字など人工的な意匠が強調されたのでは、と考えます。
なんとなく、庵野監督が好きだという仮面ライダーXの要素が含まれてるのように邪推しますけども。

ラジオ局勤務の赤味噌原理主義者。シンセ 、テルミン 、特撮フィギュアなど、先入観たっぷりのバカ丸出しレビューを投下してます。