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iPhoneだけでボカロ動画は作れる。

正真正銘オッサンのわたくしですが、ホントにいい時代になったなあと思うのは、超高性能なパソコンをポケットに入れて持ち運べるようになったこと。
言うまでもなくスマホのことです。

もともとパソコンでの作業が嫌いで、作曲はDTMが当たり前の時代でもオールインワンシンセやニンテンドーDSのソフトなどを使っていましたし、イラストは長らく(30年近く)手を付けず、せいぜいニコニコにマッシュアップ動画を作るのにニコニコムービーメーカーを使っていた程度です。

それが大きく変化したのは、2015年頃だと思います。
iPad向けのDTMアプリKORG GadgetがユニバーサルアプリとなってiPhoneで動かせるようになり、手の平でそこそこのクオリティの楽曲が作れるようになってから、ほとんど全ての創作をiPhoneで行うようになりました。

居酒屋でカッとなって殴ってしまうような感覚で、通勤中に思いついたものをカタチにできるようになったのは、ものすごく幸せなことだと思います。

居酒屋でカッとなるのはやめた方がいいですが、創作については、やらない理由が一切見当たらないのです。

ということで、昨日拙担当番組『RADIO MIKU』で制作して投稿した楽曲「みそみそうみゃあ」で使った5つのアプリを紹介します。

現在僕はiPad miniとApple Pencilを多用していますが、すべてiPhoneでも使えます。

またすべて有料アプリですが、一部無料のLE版もあるのでトライして使えそうならアップグレードしてみればいいでしょう。

MobileVOCALOID Editor

こちらはVOCALOID3準拠のエディターで、歌詞はもちろん、ベロシティやベンドなどのパラメータも入力可能。
ライブラリ(各3,200円)には初音ミク、Megpoid、IS、結月ゆかり、v for flower、東北ずん子などベテラン勢もいます。
単体での使用はもちろん、PC経由でVSQデータのやり取りも可能なので、文字通りのモバイル用としても活用できます。

キャプチャはすべてiPadです

ちなみに「みそみそうみゃあ」では、清水藍が初音ミクV4X(whisper)で歌わせたBメロ歌唱(かすれた箇所)の補強ユニゾンとして登板させています。

KORG Gadget 2

そして僕がiPhoneで創作を始めるきっかけとなったアプリがこれ。
「みそみそうみゃあ」のバックトラックはすべてこれで作ってます。

リズム音源、アナログ風シンセ、PCMシンセなど基本的な音源は当初から揃っていますが、用途に合わせてよりクオリティの高いガジェット(楽器)を有償で追加していけます。

インストならこれで完結

有償ガジェットでのおすすめは、PCでもマキシマイザーとして有名なプラグイン”DeeMax”。
音圧に悩んだらとにかくぶっ込んどきゃおk、という信頼感があり、標準搭載の音源でも充分音圧のある曲が作れます。

標準搭載のガジェットにも使える音源は多く、タムのフレーズは”London”、ベースには”Berlin”と”Chicago”を使っています。

Cubasis 3 DAW

みんな大好きCubaseの、メーカー純正モバイル版DAWがこの”Cubasis 3”。
PC経由の音源とKORG GADGETのエクスポート音源をミックスさせるのに使っています。
「みそみそうみゃあ」では、ミクV4X、MEIKO V3のWAV音源をインポートし、エフェクトをかけてミックスしています。

完全にCubase

操作感はほとんど一緒なので、Cubaseの利用経験があれば難なく使えます。
プラグインについてPC版との使い回しはできませんが、Waves社のL1+などおなじみのプラグインが有償で追加できます。

Artstudio Pro

メーカーは違いますが、Photoshop互換のレイヤー画像加工アプリ。

もともとiPhoneではクソコラで既存の画像を重ねるのに使っていましたが、iPadにしてからApple Pencilで絵が描けるようになったので、最近はお絵描きソフトとして使っています。

とにかく処理が多機能

純粋に絵を描くならCLIP STUDIOが定番ですけど、月額制なのが悩ましいという方、写真画像の加工も考える方ならこちらがおすすめ。
どちらにしても、お絵描きメインならiPadを薦めます。

Cute CUT Pro

KORG Gadgetと同じ頃から愛用している動画制作アプリ。

一枚絵の切り替えだけならiMovieでも制作可能ですが、Cute CUT Proでは複数の動画や静止画のレイヤー処理が可能です。
特に透過PNGが扱えるのは大きいです。

このアプリ抜きに動画は作れない

また画像やテキストを動かしながらフェイドアウトさせたり、その動きに弾力をつけたりなど、アニメーション効果が作れます。

最新バージョンでは動画のクロマキー処理にも対応しましたが、UIは前のがよかったな。

以上5つのアプリがあれば、ボカロ曲の動画は完全に作れます。

iOSアプリで欲しいのは3Dモデルが作れて動かせるアプリ、それからMobile VOCALOID Editorのライブラリに、MEIKOなどのクリプトンズキャラがあればもう最強。

まあ欲を言えばキリがないですが、現状でも十分なクオリティの作品ができますので、ぜひトライしてくださいませ。

ラジオ局勤務の赤味噌原理主義者。シンセ 、テルミン 、特撮フィギュアなど、先入観たっぷりのバカ丸出しレビューを投下してます。