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外貨保険で失敗した話(通貨選択型変額終身保険)

0. はじめに

2018年、現金がだいぶ貯まってきたところ、保険会社を紹介された。
「ただ銀行においておくよりは・・・」という軽い気持ちで手を出した保険。今時点で損をしているわけではないけれど、買った瞬間に損をするような失敗話です。無知をしのんで公開後悔します。


1. 通貨選択型変額終身保険の特徴とは?

なんとも長ったらしいこの保険の特徴としては、外貨で資金運用をしつつ、何かあったら保険金が受け取れる、というものです。
契約時に一括で保険料を支払い、どの契約通貨の100%が万一の時の保険金となります。
契約時に、円建ての目標額(例えば、保険料の10%)を設定します。
保険金として外貨を外貨のまま(契約時と同じ数字で)もらっても、うれしい人は限られていると思うので、実質は運用益を狙うための商品と言ってよいでしょう。

定額と変額の運用で、目標額の達成を目指す(誇張したイメージ)

保険料は、米ドルの場合はアメリカ国債の購入(定額部分)と米国債券や株式などへの投資とに区分されて運用されます。
運用期間(例えば10年)が決まっており、それまでに目標額に達すれば、解約して円建ての終身保険に移行、達成しない場合は現地通貨で確保されます。

2. 解約の際にかかる手数料や調整金とは?

解約時には、市場価格調整金や解約控除の費用がかかります。
定額+変動の運用額からそれらを差し引いた解約時返戻金が円建ての目標額に達しているか否かがポイントとなります。
なお、これらは積立利率適用期間満了時には適用されません。つまり目標額に達せずに運用期間が満了した場合には、積立金の全額払出を選択することができます。

3. 円安になった場合の影響は?

外貨建ての保険は為替の影響をもろに受けます。
円安はプラスに働き、円高はマイナスに働きます。
1ドル=100円の時に契約した1万ドルの保険が、1ドル=110円になった時には、円建てで110万円±運用益ということになります。
逆に1ドル=90円になると、90万円±運用益と目減りしてしまいます。

外貨建ての資産をもとう、という方は、円安が進むという期待値をもっているといえるでしょう(あるいはリスク分散のための外貨保有)

4. 具体的なケース

私の場合は、2018年に円建てで250万円、ターゲット20%(300万円)の契約をしました。
当時の為替は、1ドル=114円ほどなので、21,900ドルの換算です。
2023年の為替レートは、円安に振れています。
保険会社からの2023年6月の運用実績報告では、1ドル=144.99円となっています。単純に21,900ドルを換算すると、317万円余りになります。

それでも私の保険は目標額に達っしていません。145円よりも円安局面はあったにもかかわらずです。
その現認は、上述した解約返戻金の算出にあります。

目標額(解約時返戻金+手数料等) < 運用額 のため目標額に届かない

保険の契約時に、解約時返戻金については理解しているつもりでも、実際に経験するまでは手数料の高さが実感できませんでした。

私の場合、運用額は円換算で、336万円になっていますが、この手数料を差し引いた解約時返戻金は300万円にとどかない=目標額に達していないのです。
かなりの円安に傾いているにも関わらず、この状況なので先が思いやられます。あともう少しなので早く届いてほしいものです。

5. 考察

保険の仕組みをよく理解して購入する人が何より大切。
定額部分と変動部分で、比重が大きいのは定額部分である。定額部分で国債購入をするわけなので、国債利回りが大きく影響する。
それ以上に為替の影響が発生する。
それ以上に手数料の影響が大きい。
⇒ 目標額を20%などで設定するのはかなりチャレンジかもしれない

その金額のキャッシュがあったら、保険ではなくS&P500などを買えばよかったのではないか?
⇒ 大正解。後付けだがこの期間の値上がりは20%どころではない。

この保険のメリットは何なのだ?
⇒ 国債部分を最低保証を付ければ堅実な運用ができる?あえて目標額を高く設定し、対象通貨の国に将来的に移住や長期旅行する際に現地通貨が手に入る?

こちらでも書きましてたが、言葉の定義と理解はとても大事ですね。

もう二度とこの保険には手を出さないと思います。。
何事も経験です。

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