介護家族が苦しまないために・・・私が7年間の介護でやったこと、感じたこと
先日お話したように、私の周りでも少しずつ介護が始まっている同年代が増えてきています。
そうした中で、介護で苦しむ人も見てきました。
前回に引き続き、専門家やプロ目線ではなく、介護家族だった経験からお話したいと思います。
■最初は「なんとかなる」と信じていた
私の親の場合は、ある日突然要介護5になりました。
レビー小体型認知症という、主に幻覚・幻視、パーキンソン症状が出る認知症の一種です。
介護をするようになって、親を病院に連れて行ったりして、自分も仕事をして・・・
そんな中で考えていたことは、
症状が改善されて、またすぐ良くなる
と信じていました。
リハビリにも付き合い、介護家族のサークル的なモノにも参加し、試して良かったと言われたサプリを購入したり、とにかくありとあらゆることをやりました。
しかし、親の症状は良くなる気配は全くなく、むしろ進行していきます。
■頑張ってしまう独身男性は多いらしい
私もそうでしたが、結婚をしているとどうしてもお相手に気を使ってしまうらしいのですよ。
でも、今までお世話になった親のお世話はしたい・・・
介護施設の方とかにきいても、男性の方が比較的そう考えてしまうようです。
女性がやらないとかいうことではなく、女性の方が現実的なところを見ている方が多いということ。
つまり、頑張りすぎてしまって体を壊してしまったら、自分も仕事が出来なくなってしまう。
さらには施設利用にかかる費用も払えなくなってしまうという悪循環に・・・ということまで考えているのは、女性の方が比較的多いと聞きました。
私の場合もそうでしたが、だいたいは在宅介護になると、昼夜関係なくなりまず睡眠不足になります。
そして介護される側の暴言、暴力に我慢できなくなります。
でも、誰も褒めてくれるわけではなく、誰も助けてくれない・・・
決して陽の当たることのない介護家族・・・
介護される側、介護施設への法整備はされつつありますが、介護家族へのサポートはあまりにも少なすぎますし、現在の仕事を続けていくことが出来ない場合の支援ももっと充実させてほしいですよね。
本当に数カ月で限界だと思います。
そんな中、自分にとっても転機がありました。
■完全に立てなくなった
それまでは、調子が良くて誰かの支えがあれば立ち上がるまでは出来たのですが、それが出来なくなりました。
その時に初めて、
あ、もう良くなることはないんだ・・・
と現実を受け入れます。
第三者目線だと、すぐにわかることなのですが、当事者はなかなかこの現実を受け入れることが出来ないんですよね。
だから頑張ってしまう・・・
■介護される側にとってどうすることが幸せなのか
結局、介護を頑張ることは、自分のエゴなのかな?と思ったりしました。
でも、現実を受け入れてからは、親が喜ぶこと、親にとってどうすることが幸せなのかを考えました。
まずは施設の方に親を任せて、仕事を一生懸命やりました。
そして面会に行き、仕事での結果を親に知らせに行くことを繰り返しました。
親は喜んでくれましたし、応援してくれました。
フルマラソンにも挑戦しました。
親は「フルマラソン当日に応援にいくこと」をモチベーションにしてくれました。
誤嚥の心配があるので、本来であれば勝手に色んなものを食べさせるのは良くないのですが、親が好きだったジュースやお菓子も差し入れて、一緒に食べたりおしゃべりをしました。
とにかく親が喜ぶ姿、笑っている姿を見れるように行動しました。
それが正しかったのかどうかはわかりません。
そして、親の病状も進行し、ほとんどしゃべることも無くなり、私が面会に行っても、私だとわからなくなりました。
それでも、手を握り、「今日、こんなことがあったよ」とお話しました。もちろん反応はありません。笑顔を見せることも無くなり、完全に寝たきりになり、それでも面会に行ったある日のこと・・・
いつも通り手を握ってお話をしていたら、ボソッと
「はりーか?・・・ありがとう」
と・・・
その3日後に親は旅立ちました。
よく、誰かを看取るときにはみんな「後悔しかない」というようです。
こうしておけばよかった、ああしておけばよかったと・・・
でも私は
最後までやり切った
介護できたことが幸せだった
と心から思えることが出来ました。
■普段から話し合うこと
ある日突然要介護5というところからのスタートでしたが、実は親とは延命治療についてのお話をしていたことがあります。
今はどうなのかは知りませんが、以前、医療の業界の方にお話を聞いたことがありました。
本来、自然に息を引き取るものを、無理やり生かすわけだから、延命されている方は、本当に苦しい。それは息を引き取った後の「お顔」の表情に出ると・・・
そんなお話を親ともしたことがあって、色んな管を体中に入れられたり、そんな苦しい想いをするなら、延命治療をしないで欲しいと親からは言われていました。
また、最後に主治医からどうしますか?と聞かれたときも、
「親にとって苦しくない選択肢は何ですか?」
と聞いていました。
もし、そういった経緯がなければ、
親の命の選択を自分がしなければならない
というプレッシャーに押しつぶされていたかもしれません。
何度も言いますが、状況によって色んな場合が考えられると思いますが、出来るだけ色んなお話し合いをし、後悔しないような選択をしていただけたらと思います。
このようか経験から、その時の施設長さんが推薦してくれたのがきっかけで介護組合の監事になった次第です。
また、最初にも書きましたが、私は介護の専門家でも、医療関係のプロでもありません。
数年前に経験した介護家族としての経験をお伝えすることで、今現在、介護家族で頑張りすぎている人や、これからその可能性のある方に向けて、少しでも参考になればなと思いお話しました。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
いつもサポートいただきありがとうございます!サポートいただいたお金は、共感していただける事業主様向けの勉強会で使用する文房具やコミュニティ運営に役立てさせていただきます。