【国際学院中学校高等学校】違法な労務管理が次々あらわに(第二回交渉報告)



皆さんこんにちは。私たち私学教員ユニオンは、国際学院中学校高等学校(以下、国際学院と表記)と労働環境改善に向け、団体交渉を行っています。

国際学院では、労働環境や待遇の不十分さから毎年多くの教員が離職してしまい、生徒に対する教育の質の低下が懸念されています。第1回の団体交渉では、本校からの権限を持った人物の参加が無かったために、何らこちらの問題提起に対し、明確な回答が得られていませんでした。

※第1回交渉の詳細はこちら

この度、3月9日に第2回の団体交渉がありましたのでここにご報告いたします。

結論から言いますと、今回の団体交渉では決定権を持つ人物の参加を強く求めていたのにも関わらず、参加はありませんでした。労働組合法は交渉権限を有する者を交渉に参加させるよう使用者に求めており、一連の対応は労働組合法違反に当たると私たちは考えています。

結局はこちら側からの問題提起を行っただけで、前回同様にあまり進展は無く、誠実な対応をしていただくことはできませんでした。しかしそれでも国際学院の法律違反が次々とあらわになっていきました。詳細は次の通りです。

●誰も知らされていない書類がないと残業として認めないと言い張る学校・・・

 出退勤時刻を分単位で手書きで記録した書類が証拠としてあるのにも関わらず、それを労働時間と認められないとの回答が第1回の団体交渉でありました。

 それならばどのように労働時間を算出すればよいのか聞くと、「所定の労働時間に加え、時間外労働に関しては、時間外労働命令が出されて承認された場合にのみ、残業が認められる」という回答がありました。

 本校既定の所定労働時間は朝8:20~17:20とされていますが、それ以降に業務に携わる場合、なんと「時間外労働命令書」の提出および承認が得られなければ、残業代の支給対象とはならないとのことです。

 当然、部活動やその他の業務で遅くまで残り業務にあたる教員は複数いるのにも関わらず、この書類の存在は周知されていません。

 知らされていない書類を「労働者が出してきていないから」という理由で残業が無かったと言い張るのは、誰が見ても法的にも異常です。

●過去2年間、教職調整手当以上の残業代を支払った実績はゼロ

 国際学院では、教職調整手当という手当を残業代として支払っていると言います。それが何時間程度の金額か計算すると、1日当たり1時間分程度です。当然、それを超えて残業するわけになるわけですが、「固定残業代(教職調整手当)の支給額を超えた場合」として、25%の割増賃金を支払うことが明記されているにもかかわらず、支払われません。

 教職調整手当以上に残業代を支払った実績がどのくらいのあるのか尋ねると、過去二年ゼロ、といいます。

 教職調整手当以上の残業代を支払う気が一切ないことは明らかですし、前述の誰も聞いたことのない残業事前申請制度についても事実と異なることが明らかです。

 それでも教職調整手当以上の残業代は「校内に残っていても本当に仕事をしているかどうかわからない」から支払わないと言います。

 証拠もあるのにこうしてごまかし続ける国際学院は、いったいどういうつもりなのでしょうか。


●「36協定の労働者代表選出の経緯は不明です」

 私立の学校では、残業や休日出勤をするために、労働者の過半数代表を選出し、時間外及び休日に関する労使協定(36協定)を結ぶ義務があります。

 私たちはこの36協定が違法な状態にあるのではないか、と疑念を持っています。

 団体交渉では36協定の労働者代表の選出方法について明らかにされました。それはひどくずさんなもので、コンプライアンス軽視の現状が改めて浮き彫りになりました

  まず、代表者の選出がいつなされたのか、記録がありません。そして年度当初、4月上旬の打ち合わせで選出したといいますが、その時期も方法も明らかでありません。組合員の私たちにはその記憶がありません。

 また、そもそも校舎の異なる教職員が一堂に会することは不可能です。どうやったというのでしょう。

 極めつけはそれが事実だとしても、4月から発行する協定書をさかのぼって結ぶのは違法です。ひどすぎます。



●今回の団体交渉を通して

 前回の団体交渉と同様、相手側からは明確な回答が返ってこないことも多く、不誠実さを強く感じました。第3回の団体交渉は3月24日に再度行われます。第1回の団体交渉において、年度末ということもあり互いに「早期決着を」との方向性の確認を行っていますので、次回に何らかの結論を出す必要があると考えています。

◆国際学院の教員の皆さん、退職者の皆さん、ご協力ください

 国際学院のコンプライアンス軽視、教員軽視の態度はあまりにもひどいものです。法違反を指摘され説明がつかない状態なのに、経営陣は一切反省の態度を見せず、改善に乗り出そうともしません。

 このままでは教員の過労死がいつ起きてもおかしくありませんし、生徒に対する教育の質も保たれません。

 法人がこのような態度でいられるのは、現場の私たち教員が問題点をしっかり指摘してこなかったことにも一端があると思います。

 退職者の方でも在職者の方でもできることが沢山あります。力を合わせて法人を変えるきっかけを一緒につくりませんか。一緒に声を上げたいという方は、ご連絡をお待ちしております。情報提供のみでも大歓迎です。よろしくお願いいたします。

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◆労働相談や共に活動するボランティアの募集

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