1月16日、コカ・コーラ系自販機オペレーターのシグマベンディングサービスとシグマロジスティクスとの団体交渉が始まりました!

 1月16日、コカ・コーラ系自販機オペレーター・シグマベンディングサービスとシグマロジスティクス社との第一回団体交渉が行われました。

 ユニオンからの要求は大きく4つです。
1、不当労働行為について抗議し、謝罪と改善を求める
2、未払残業代の全額支払いを求める
3、資料の提出を求める
4、労働時間短縮・業務量削減を求める

 要求に対する団体交渉での会社側の対応・回答を紹介します。

1、不当労働行為について
〇労働組合について「余計なことを言わず相手にしない」と指導する会社
 昨年12月に労働組合の公然化及び団体交渉の申し入れを行って以降、浦和営業所で管理職が「ブラックユニオンがまた現れた」「埼玉にも現れるかもしれないが相手にする必要はない」「余計なことを言わず相手にしない」などと発言しました。
 この件について、会社側は聞き取り調査を行なったと報告しましたが、「こうした事実は確認できなかった」という趣旨の返答をしました。謝罪する必要もないという見解を崩しませんでした。
 しかし、聞き取り調査は、とても杜撰な内容でした。聞き取り調査は、問題行為を行った本人に直接尋ねるのではなく、その上司を介して間接的に調査するのみでした。その場にいた組合員やその他一般従業員10名ほどには一切調査しなかったのです。問題行為を行った本人が自分にとって都合よく証言してしまうことは十分想像できると思うのですが、、、

〇突然、超少額の残業代を振り込んで、それで終わりですか?
 もう一つあります。団体交渉で話し合う約束だった未払残業代の支払いについて、労働組合の意見を聞かずに、団体交渉の前日に支払ってきたのです。それも超少額です。未払残業代は一切ないとして、1円も払われない人もいました。
 私たち組合員は労働環境を改善したいと勇気をもって立ち上がり、やっと話し合いの場を設けることができました。その団体交渉前日に不意をつくように過去2年分の未払残業代の清算を済ませたと言われて誰が納得できるでしょうか?
 さらに、私たちが納得いかなかったことは、長年にわたって残業代を支払っておらず違法な状態で私たちを働かせておきながら、その事実については謝罪しないとしていることです。会社いわく「謝罪はしない、会社はそういうものじゃない」とのことです。

2、未払残業代の全額支払いについて
〇業務手当も配送手当も営業手当も全部残業代という驚きの説明
 会社側から定額残業代だけでなく、各種手当も「残業代に含まれる」と説明があり、私たちはとても驚きました。シグマで働く皆さん、以下の手当が残業代に含まれると知っていましたか?

・業務手当
・配送手当
・営業手当

 これらを含めて70時間相当分を残業代としてすでに支払っているというのです。

〇これは「求人詐欺」ではないか? 固定残業代制は無効の可能性
 しかし、私たちはそのような説明は受けていません。シグマのホームページの求人には、そもそも固定残業代の説明はなく、基本給部分が最低でも月給23万円~25万円はあるように読めてしまいます。これは「求人詐欺」に当たる可能性もあります。

勤務時間: 基本勤務 8:30~17:30(休憩時間60分含む)所定時間外労働の場合あり
給与(フルサービス): 月給25万円以上(東京・神奈川・埼玉・愛知・岐阜)、月給23万6千円以上(京都・兵庫)、月給23万3千円以上(千葉・茨城・静岡)

 昨年8月まで超過分の支払いはありませんでしたが、超過分の支払いを開始した昨年8月以降は、残業時間が70時間を超えた分の支払いをしていると説明しています。
 昨年8月から超過分の支払いを始めたのは、それ以前は「みんながそんなに残業していることに気付いていなかった」からだそうです。現場で働く私たちから見れば、繁忙期に70時間を越える残業(休日出勤は除いて)があることすら経営陣が理解していなかったことには怒りを覚えます。いくらなんでも、気付くのが遅すぎです。
 これまでのシグマの定額残業代制度は、「定額働かせ放題」のためのものになっており、残業代としての有効性が疑われます。求人のとおり、基本給部分として25万円程度を保障してもらいたいです。
 また、過去2年分の残業代の支払いにあたっては、全員が毎日休憩を1時間取っていたものとして計算した(毎日1時間マイナスしている)そうです。
 過去2年分の残業代が支払われてるとして、このような計算方法で納得できますか?? 私たちはほとんど休憩を取れておらず、このような計算方法では納得できません。

3、資料の提出について
〇なぜか、残業代の計算方法の資料の開示を渋る経営陣

 私たちは、残業代の計算方法が分かる書類の提出を求めましたが、会社側は「検討する」とだけ返答して、団体交渉の場では応じませんでした。
 少額ですが既に未払残業代を支払われた者もいます。なのに、その金額が正しい金額なのか全く分かりません。支払いが一切ない者もいます。こんなに働いていて未払残業代が無いとは思えません。不明な金額を一方的に支払ったり未払残業代が無いとしたりする会社側の姿勢には、私たちは不信感を抱いてしまいます。

4、労働時間短縮・業務量削減について
〇「休憩を取れ」とは言うが、休憩を取れない原因を知らず対策もない
 業務量が多く労働時間が長い現状では、休憩を取れないということを私たちは訴えました。休憩をとれていない労働環境について会社側は、「法律ではとらないといけないことになっているので休憩は取るように」と繰り返すのみでした。
 私たちも好きで休憩をとっていないわけではありません。私たちは「現場はなぜ休憩がとれないのか、理由がわかりますか」と質問したところ、会社側は「分からない」と即答しました。また、「レギュラーじゃないなら時間指定はなく、何時までに納品しなければいけないというのがないから、休憩を取っても回れるだろう」という趣旨の発言をしました。夏場や切り替え時にセールスマンがいったい何時まで働いているのか、本社経営陣は理解していないか関心がないのだろうと私たちは感じました。
 私たちは「とにかく現場を見に来てほしい」と訴えましたが、これについても良い返事はもらえませんでした。

〇お客様か従業員かの二者択一ではない! 良い労働環境が良いサービスを可能にする
 最後に、会社側からは「お客様より従業員が大事だから休憩をとりなさい。そのために回れなかった自販機があったり、クレームが出ることは気にしなくていい」という趣旨の発言がありました。
 これは、”従業員を犠牲にしてお客様に飲料を届けるか”、または、”お客様を犠牲にして従業員の環境を改善するか”、の二者択一のように見せかけるような発言といえます。
 しかし、本来、従業員が無理のない働き方をしてこそ、良いサービスをお客様に届けられるはずです。労働環境の改善と良いサービスは両立します。
具体的には、人員の補充、一部業務の外注化、不採算ロケの撤去など、できることは沢山あるはずです。
 私たちは、現場で毎日、お客様に顔を合わせます。普段はお客様を大切にしなさいと言う経営陣が、いざ労働環境の改善や残業代の支払いを求められると、やすやすとお客様を切り捨てるような発言をしてしまうことを残念に思いました。

〇ユニオンに加入して一緒に職場と業界の改善を実現しましょう!
 自販機産業ユニオンに加入しているシグマのセールスマンはまだ十数人で、経営側も、残業代の支払いや労働時間の短縮を求めているのはごく一部の従業員としか思っていないのもかもしれません。
 是非私たちと一緒に声を上げて、経営陣に現場の実態を伝えて、適正な支払いと環境改善を要求していきませんか。少しでも関心のある方は、下記の連絡先にお問い合わせください。
 シグマで働く方、コカ・コーラ系の下請けで働く方、飲料自販機業界の同業他社で働くルートセールスの方、ぜひ自販機産業ユニオンにご相談ください。

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自販機産業ユニオン(総合サポートユニオン自販機産業支部)
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