小学校休校等対応助成金を使ってくれなかった旅行代理店に、助成金を使わせて全額の賃金補償をさせ、全従業員にも適用させました!

 旅行代理店に勤務し、コロナウイルス感染対策による子供の休校で会社を休んだAさんが、総合サポートユニオンに加入して、会社に休業の賃金補償をさせました。写真:会社からの回答書を手に持つAさん)
旅行代理店

 現在小学生の子どもを育児している傍、都内に勤務しています。
 新型コロナウィルス感染拡大防止のため、政府から突然の休校要請により、子供が通っている学校も例外なく3月2日から学校が休校となってしまいました。
 突然の休校で子供の預け先もなかったので、会社に在宅ワークができないか打診をしましたが、「全社一律なので特別な事はできない。出勤できないなら、欠勤するか有給を使ってください。」と一切理解してもらえなかったため、親に預けられない日はやむなく会社を欠勤することにしました。
 3月中旬、政府から小学校休校等対応助成金の話がでたのをテレビで知り調べたところ、どうやら私も対象になりそうだったので、すぐさま会社に問い合わせました。
 しかし、

「詳細がまだ本決まりではないので今の時点では決定できない。決まり次第ご連絡します。」

と言われ、待っていましたがついに4月に突入・・・。
 4月になると、会社が雇用調整助成金を使うという知らせが全社にありました。しかし、3月の話はされなかったので、確認のため再度人事に問い合わせたところ、

「3月は部署ごとに違う対応が行われており、整合性が取れなかったため助成金の申請は行わない。」

との返答。
 部署ごとに違う対応していた・・・といっても、勤務条件等を管理するのは会社の責任であり、私が欠勤したのも会社からの指示に従っていただけなので、私にはなんの落ち度もありません。
 しかも、4月は営業の部署は週一度の勤務、それ以外の部署は週4の勤務とするなど、会社が以前私に言ってきた”全社一律”にもなっていない状況でした。
 直属の上司にも相談をしましたが、人事関係については何も口を出せないと言われてしまいました。

 このまま一人で動いていても埒が明かないと思い、ネットで総合サポートユニオンの存在を知りました。
 4月中旬にユニオンに相談をし、その日に組合に入り、翌週には団体交渉の申し入れを行うことができました。

 人事担当の数人が来ましたが、突然の申し入れにかなり驚いた様子の人や、仕事中に手を止め時間を取って対応しなくてはいけないからか、苛立った態度をした人も見受けられました。

要求の内容は以下のとおりです。

・3月に会社を休んだ期間、賃金全額を補償してください。
・賃金全額を補償するために、小学校休校等対応助成金を利用してください。
・全社員に対しても同様に、助成金の対象に当てはまる人がいないか調査し、賃金全額を補償してください。

 こちらが何故申請を行わないのかとの回答に「詳細が分からなかったから」など苦しい回答をしました。
 会社からは「緊急事態宣言が解除されてから団体交渉の日程を決定する。」との事でした。
 しかし、5月になっても感染者が減らず緊急事態宣言の延長も示唆されるようになったので、解除がいつになるか分からず、助成金の申請を行えば賃金補償する事ができる案件ばかりであり、本件について必ずしも団体交渉の場を設ける必要がないので、5月8日を期限として書面での回答をするよう求めました。

会社からの回答は以下のとおりでした。

・助成金を使用して3月の賃金全額を補償する。
・他の職員に対しても、調査し賃金全額を補償をする。

 無事に賃金補償をされることになったのです。
 初めて組合に加入して、会社と交渉をしましたが、終えるまでとても緊張しましたが、ユニオンの人が弱者に寄り添い、的確かつ迅速な対応をしてくれたからこそ今の結果があると思っています。


note用寄付呼びかけ画像
【総合サポートユニオンのコロナ相談体制の支援のお願い】


 緊急事態宣言の解除以降、新型コロナウイルス被害の雇用に対する影響がますます深刻化しています。解雇、雇い止め、そして派遣切りの労働相談が増加しています。特に、女性の非正規からの相談が膨大に寄せられています。
 総合サポートユニオンでは、月1000件に及ぶ労働相談を受けて法律や制度のアドバイスをしながら、団体交渉を通じて、解雇の撤回、休業補償の支払いを認めさせています。
 一方で、相談受付になどかかる費用の不足が、私たち総合サポートユニオンの課題となっています。コロナにかかわらず、通常の労働組合の一般業務に加えて、コロナ相談に対して週6日(平日夜間と土日祝日の日中)の4〜5時間の電話相談に、最低3〜4人の相談員を配置して対応しています。これにメールでの労働相談のやりとりが加わります。
 この相談体制を維持し、これからの解雇・雇い止め拡大の情勢に備えて拡充するには、資金が枯渇しているのが実態です。
 ぜひ、寄付での応援をお願いします。寄付の方法は以下の3つがあります。

(1)クラウドファンディングでの応援(2020年7月30日まで)
「新型コロナ被害による労働問題で困っている人を応援したい!」
https://camp-fire.jp/projects/view/282148

(2)振り込みでの応援
●ゆうちょ銀行での振り込み
(a)郵便局で振込用紙を使って納入する場合
  郵便振替口座:00150-8-765273 口座名義:総合サポートユニオン
(b)銀行などから振り込む場合
  ゆうちょ銀行 預金種目:当座預金 店名:〇一九店(ゼロイチキユウ店) 口座番号 0765273
●みずほ銀行での振り込み
 みずほ銀行 店名:北沢支店 預金種目:普通預金
 口座番号:3024622 口座名義:総合サポートユニオン

(3)noteでの支援
本ページ末尾の「サポートをする」からご支援ください。

 よろしくお願いします。

総合サポートユニオンの活動を応援してくれる方は、少額でもサポートをしていただけると大変励みになります。いただいたサポートは全額、ブラック企業を是正するための活動をはじめ、「普通に暮らせる社会」を実現するための取り組みに活用させていただきます。