【#青山学院】青山学院非常勤講師雇止め訴訟 第1回期日と報告集会を開催しました!
無期転換直前での雇止めに遭ったAさん(青山学院高等部非常勤講師)が私学教員ユニオンに加入し、雇止めの撤回を求め、青山学院(法人本部)と団体交渉を行ってきました。青山学院が雇止め撤回を拒絶したため、Aさんは東京地裁に提訴しました(2024年3月21日)。
5月8日、裁判の第1回期日と報告集会が開催されました。
これまでの交渉の経緯は以下のブログをご参照ください。
詳しい経緯については以下のサイトをご参照ください。
https://union-aoyama.jimdosite.com/
◆5/8裁判の第1回期日と報告集会のご報告
裁判の第1回期日が、2024年5月8日に行われ、私(Aさん)は原告として意見陳述を行いました(次項に全文を掲載しています)。10代~80代まで、多くの方が傍聴に来てくださり、裁判への関心の高さがうかがえました。
その後に行われた報告集会では、さまざまな立場の方から応援メッセージを頂きました。大学生や大学院生になった青山学院高等部での教え子たちが参加してくれ、「こんなにいい授業をしてくれた先生を雇止めにするなんておかしい。これからも裁判に通って先生を応援したい」といった趣旨の発言がありました。学校教育や社会教育に携わる非正規雇用の労働者の方々も多く参加してくださり、裁判を通じて非正規労働者の不安定な状況を改善していくことの重要性を共有しました。
最後に、弁護団から法律上のポイントや裁判の争点などについて解説していただきました。「青山学院によるAさんの雇止めの理由は、無期転換逃れ以外には見当たらない。雇止めは不当なものだ。地位確認を求めていく」といった趣旨の発言がありました。
総合サポートユニオンの組合員はもちろん、さまざまな立場の方々と力を合わせ、青山学院高等部での職場復帰をめざして裁判をたたかっていきます。今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。
※なお、裁判の第1回期日と報告集会の様子が「弁護士JPニュース」で報道されました(2024年5月8日)。あわせてご参照いただければ幸いです。
◆原告による意見陳述全文
1.なぜ裁判を提起したか
私が青山学院高等部で働いた5年間は、かけがえのない5年間でした。
高等部の生徒とは、授業の内外で日本や世界の現在や未来のこと、学校のこと、日常のことについてたくさん話し合い、語り合ってきました。〇〇科研究室では、他の教員と、授業のこと、生徒のこと、社会問題などについて語り合い、学び合ってきました。高等部の教員としての仕事に深い喜びややりがいを感じてきました。
青山学院による雇止めの決定によって、私は生活の糧を失っただけでなく、生きがいや人生の喜びも失いました。大切な宝物を一瞬にして奪われたように感じています。
私の教え子が卒業するときにくれた手紙を抜粋して紹介します。
「〇〇の時間はいつも楽しくて魅力的で、毎週楽しみにしていました。これからの社会で生きていくために必要なスキルを習得する機会を与えていただき、感謝の気持ちでいっぱいです」
「私が特に印象に残っている出来事は……先生が受け持っていらっしゃる〇〇学級のお話です。性別による分業の意識が教育の場でも未だに根強く残っている現実を強く非難し、教育に対する熱意を熱く語っていた先生の姿に、非常に感動しました。この他にも先生は、常日頃から私たちのことを一番に考えてくださり、これからの世界と問題を背負っていく立場として私たちが活躍できるよう熱心に教えてくださいました」
この教え子は、現在、法科大学院に進学しました。今日もこの裁判の傍聴に来て、私を応援してくれています。
私にとって、金銭解決は解決にはなりません。復職による解決を強く希望しています。
2.誰のための裁判か
私学教員ユニオンに加入して青山学院と団体交渉に臨んだり、裁判を提起したりするにあたって、声を上げることがいかに困難なことか、身に染みて分かりました。
私学教員ユニオンでは、長時間労働や残業代未払いなど、労働条件の改善に向けて厳しい状況でのたたかいを強いられている非正規雇用の教員とたくさん出会いました。ハラスメント、雇止めの事案も多くあります。
しかし、組合でのたたかいに身を投じている教員は、氷山の一角です。なぜなら、非正規教員は、声を上げることが著しく困難だからです。声を上げれば、不利益変更、雇止めなどの報復が想定されます。非正規教員は、学校の経営陣に生殺与奪を握られているといっても決して過言ではありません。私が裁判までたどりついたのは、奇跡的なことなのだと思います。
私は、労働問題を学校の授業でずっと取り上げてきました。しかし私は、自分が雇止めに遭うまで、学校の労働問題に目を向けてきませんでした。「自分は大丈夫」「所詮他人事」――そう思って、労働問題を授業のネタにしてきた自分は、なんてあさましい存在なのだろう。自分の生き方を改めるべきではないか。そう思いました。
これまでどれだけ多くの非正規教員が声を上げることなく、泣き寝入りを余儀なくされてきたでしょうか。こうした状況に一石を投じる必要性を強く感じ、この裁判を提起しました。
非正規教員の権利拡大につながるご判断をお願いしたく存じます。
3.何のための裁判か
私が雇止めに遭ったのは、あと1回契約が更新されると、無期労働契約に転換する権利を得るというタイミングです。私が契約更新を希望しており、雇止めを回避することも可能な状況で、無期転換権を得る直前での雇止めを強行することは、いわゆる「無期転換ルール」の導入趣旨に反しています。事実上の脱法行為です。
青山学院のように「無期転換を阻止する目的で雇止めをしたわけではない」などと主張し、非正規労働者を都合よく使い捨てる使用者が全国で後を絶ちません。非正規労働者は、不安定な地位に置かれ、生活の糧がいつ失われるか分からないという恐怖の中で働いています。こうした状況に歯止めをかける役割を多くの労働者が裁判所に期待しています。社会情勢の変化や要請も踏まえたご判断をお願いしたく存じます。
◆6/13裁判の第2回期日と報告集会のお知らせ
裁判の第2回口頭弁論が、2024年6月13日(木)11時~ 東京地裁530法廷 にて行われます。傍聴は、事件への関心の高さを示し、裁判官の心証に大きく影響を与えます。一人でも多くの方の傍聴をお願いしたく存じます(お申し込みの必要はありません)。
同じ日の夜20~21時に、報告集会をオンライン(Zoom)で実施しますので、こちらも併せてご参加いただければ幸いです。報告集会に参加を希望される場合、こちらのGoogleフォーム(https://forms.gle/V8eoPTi9ekjhbC8X8)より事前のお申し込みをお願いいたします。
change.orgで始めたネット署名も、2024年5月23日現在で、6456筆の署名を頂きました。ご署名、拡散にご協力いただいた皆さま、厚く御礼申し上げます。今後ともさらなるご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
◆教員の労働環境、生徒の教育環境を一緒に変えていきましょう
私たち私学教員ユニオンでは、教員の労働環境・生徒への教育環境を変えたいという教員を募集しています。私たちは、学校や雇用形態の垣根を越えて、教育業界全体を変えるために活動しています。互いの学校の問題改善を互いに支援して取り組んでいます。
また、私学教員の方以外でも、教員の働き方や生徒への教育環境の問題に関心を持ち、活動に関わってみたいという学生・教員のボランティアの方も募集しております。興味を持った方は下記の窓口までお気軽にご連絡ください。
電話番号 03-6804-7650
(平日17~21時/日祝13~17時 水曜・土曜休み)
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