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【#青山学院】無期転換逃れの雇止め撤回を求めて団体交渉を実施!

 私学教員ユニオンに加入したBさんの無期転換直前での雇止め撤回を求め、2024年2月5日、東京都にある学校法人青山学院との初回団体交渉が開催されました。

 これまでの交渉の経緯は以下のブログをご参照ください。

 


◆団体交渉で雇止めの撤回を要求

 私は、2019年4月から青山学院が設置する学校に非常勤講師として勤めています。2024年3月でちょうど勤続5年になります。

 あと1回契約が更新されると、無期労働契約への転換が可能となるというタイミングで突然雇止めを通告されました。無期転換直前での雇止めの撤回を私学教員ユニオンと一緒に申し入れ、2024年2月5日に青山学院の法人本部と初回団体交渉を行いました。

 冒頭に法人本部から、「雇止めは撤回しない。結論から言うと、半年分の給与を解決金として支払う。金額は46万2240円。和解に応じてもらいたい」という趣旨の発言がありました。5年も働いてきた私の「クビ」の値段は46万円なのかと思い、愕然としました。

 学校の求人募集のピークはとっくに過ぎており、今から次の教員としての働き口を探すのは困難です。今後の生活の見通しは全く立っていません。

 団体交渉で法人本部は、①雇止めの根拠(専任教員の担当コマの増加)には、前提に不正確な部分があること、②雇止めを回避するための努力(同一法人の設置学校における担当コマの融通など)をしていないこと、などを認めました。また、無期転換逃れの雇止めではないかという点については、そのような意図はないという回答でした。 

 他方で私たちは、そもそも人員整理の必要性は薄く、私が契約更新の期待を抱く合理性が十分にあること、それに比べると、法人本部の主張する雇止め理由の合理性は著しく低いため、雇止め法理の適用を受けることを主張しました。

 雇止め法理とは、労働者保護の観点から、一定の条件を満たせば雇止めが無効になるルールのことで、労働契約法第19条に条文化されています。

【参考】雇い止め法理(厚生労働省HP)

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/keiyaku/kaisei/dl/pamphlet06.pdf

 団体交渉を受け、2月9日付けで法人本部から回答書をもらいました。そこには、「今回の雇止めは不当・違法であるとは判断していない」と記載されており、団体交渉を経ても法人本部が認識を変えていないことが明らかとなりました。

 

◆非正規雇用の教職員の雇用安定を求めて

 青山学院に限らず、非正規雇用の教職員(教員であれば常勤講師や非常勤講師など)の契約更新については、学校の「好き嫌い」で判断され、理不尽に雇い止めされる事例が後を立ちません。

 私のように形式的な契約更新を経て5年も働き、契約更新の期待を十分に抱く状況にあったのに、合理性に乏しい理由で雇止めに遭うことが「学校の裁量の範囲内だから」と正当化されるのであれば、非正規雇用の教職員は安心して働けるでしょうか。

 長期的なビジョンをもって学習者と関わり、熱意をもって教育・研究に従事できるでしょうか。非正規雇用の教職員は、いつ何時、生活の糧を失うかもしれないという恐怖感を覚えながら、教育・研究に従事している人も少なくありません。

 そのような恐怖感を払しょくするためには、契約が通算5年を超えると無期労働契約に転換できるという「無期転換ルール」(労働契約法第18条)を、不安定な状況に置かれている非正規労働者を保護するために運用することが、最低限必要です。

厚労省HPから

【参考】無期転換ルールについて(厚労省HP)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21917.html

 非正規雇用の教職員の雇用が安定すれば、生活の安定に直結するとともに、長期的なビジョンをもって教育・研究活動に従事でき、学校の教育・研究の質の向上にもつながると思います。

 今後の青山学院との団体交渉では、私の雇止め撤回はもちろんのこと、非正規雇用の教職員の雇用安定も求めて法人本部と交渉していきます。ぜひ応援をよろしくお願いいたします。

◆教員の労働環境、生徒の教育環境を一緒に変えていきましょう

 私たち私学教員ユニオンでは、教員の労働環境・生徒への教育環境を変えたいという教員を募集しています。私たちは、学校や雇用形態の垣根を越えて、教育業界全体を変えるために活動しています。互いの学校の問題改善を互いに支援して取り組んでいます。
 
 また、私学教員の方以外でも、教員の働き方や生徒への教育環境の問題に関心を持ち、活動に関わってみたいという学生・教員のボランティアの方も募集しております。興味を持った方は下記の窓口までお気軽にご連絡ください。

電話番号 03-6804-7650
(平日17~21時/日祝13~17時 水曜・土曜休み)
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