ルートマンは同じ賃金にすべき！　自販機ベンダー大蔵屋商事の新賃金体系に反対します。

　大蔵屋商事では６月から新賃金制度を実施されます。現在、４月から各支店の従業員に対する説明会が行われています。

　新賃金体系の内容は、既存の固定残業代(残業90時間相当)を半分の45時間分にし、その分基本給に上乗せするという形にし、さらに新しく評価制度を設け、毎年各ルートマンの賃金査定行うというものです。

　社内に新しく結成された第二組合*「UAゼンセンOKURAYA労働組合」はこの内容にも賛成しているようですが、私たち自販機産業ユニオンはすべてに賛成することはとてもできないと考えています。

*「第二組合」：同じ会社に二番目に作られた労働組合のこと

〇固定残業代が減らされ、基本給に組み入れられたのはユニオンの闘争の成果

　新賃金体系で評価できるのは、固定残業代が４５時間に減らされ、その分が基本給に上乗せされることになったことです。

　私たちは２０１９年以来４年にわたって、固定残業代が異常に長くなっており過労死基準以上の労働時間を前提としていること、固定残業代の設定のされ方や運用のされ方には法的な問題があることなどの理由で、固定残業代を減らし、基本給を上乗せすることを求めていました。

　私たちの取り組みが社会的にも強い共感を呼び、会社を動かすことになったのだと思います。
　皆さんのご支援のおかげで大きな成果を得ることができました。ご協力ありがとうございました。

〇同じ仕事なのに無理な評価制度を導入し、普通に働いていれば賃下げも？

　一方で、新しく導入される評価制度がとてもひどい設定であると私たちは考えています。

　会社は「頑張っている人を評価し、給料を上げるための評価制度」と言っており、確かに賃上げされる場合もあるようなのですが、評価制度の内容を見る限りほとんどのルート職が賃下げ、もしくは変更なしとなるのではないかと疑わざるを得ない内容です。

　そもそもルート職の業務内容は、専用の自動車を運転しながら、街頭やオフィスビル、駅などに設置される自動販売機（配送先を「ロケ先」という）に飲料を補充したり、料金を回収したり、ごみを回収することで、誰でも同じです。

　業務量は、会社から割り当てられる担当ルートで大枠が決められますので、労働者個人の努力で変えられません。商品の選定も必須商品が決まっており、ルート職が自分で考える余地はほとんどありません。自動販売機の売上高は、入社直後を除けばルート業務従事者の能力ではなく、会社の業務割り振りによって決められます。

　それにもかかわらず、会社はルート職の売上やルートの台数などについて評価し、賃金に格差をつけるといっています。組合員の労働条件を評価基準に当てはめると、賃上げの条件を満たすのは至難の業で、ほとんどの人が現状維持もしくは賃下げになるとしか考えられません。

　賃下げの場合、毎年月2500円ほど下がっていくことになるので、従来どおり毎年月1000円上がるというほうがいくぶんかマシです。仕事自体、会社の指定で働くしかない中で、労働者同士を競争させるのはおかしいのです。

　物価高となり各方面で会社と組合とでベアを検討しているなか、大蔵屋商事はそのスタートラインにも立たず給料制度を変え、離職者を減らし能力に応じ給料に反映するとしていますが、今回の新賃金体系は「詐欺」のようなものだと思います。

〇大蔵屋に対し、ルート職の賃金を同一するとともに、賃上げ１０％行いよう求めました

　説明会を受け、私たちは５月９日、以下の要求を会社に通知しました。

１．賃金体系を同じ仕事をしている人は同じ賃金になるようにしてください。
　ルート職の業務内容は誰でも同じです。また、その業務量は、会社から割り当てられる担当ルートで大枠が決められますので、労働者個人の努力で変えられません。商品の選定も必須商品が決まっており、ルート職が自分で考える余地はほとんどありません。自動販売機の売上高は、入社直後を除けばルート業務従事者の能力ではなく、会社の業務割り振りによって決められます。
　会社が6月から導入しようとする新賃金体系は、こうした事情を踏まえたものになっていません。しかも普通に働いていれば賃金が下がっていく制度になっているのではないかと強い疑念を抱いています。
　ルート職の業務内容の実態を踏まえ、新賃金体系ではルート職が基本的に同一の賃金額になるよう制度を改変することを求めます。
２．賃金を10％あげてください。
　今年度の賃上げは勤続給1000円のみであり、物価高騰に到底追いついていません。物価高騰を鑑みて賃金を10％上げてください。

〇今後団体交渉が始まります。大蔵屋商事の動向にご注目ください。また、私たちの活動に賛同してくださる方は自販機産業ユニオンにぜひご加入ください。

※2023年5月27日追記
　会社からこのユニオンの記事は事実に反するとの強い抗議がありましたので、会社の主張も紹介しておきたいと思います。会社の主張は、次の2点ですが、いずれも私たちには疑問が残りますし、どの支店でも明確に説明を行っていないと思います。私たちのnoteに抗議する前にしっかり多くのルート職の疑問を払拭するよう説明を尽くしていただきたいと思います。

１．担当ルートは会社が定めるものであるが能力が高いルート職には量の多　
いルートを設定するし、本当に売り上げを目指すルート職なら自分の担当ルートの売上が低いなら支店長に相談するはずであるから、担当ルートは一方的に会社が設定しているわけではない。
２．業績評価と能力評価が標準であれば昇給していくものである。

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相談窓口について

　私たちは働いている皆さんからのご相談をお受けしています。相談は無料、秘密は厳守します。お気軽にご相談ください。

電話相談　TEL：03-6804-7650
（平日17～21時／日祝13～17時　水曜・土曜休み）

メールユニオンサイト内の相談フォームを入力して送信してください。https://sougou-u.jp/soudan/

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ID: @437ftuvn
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　ご支援のお願い私たち運営費の大部分は寄付で成り立っていますが、費用の不足が私たち総合サポートユニオンの課題となっています。
     総合サポートユニオンの活動に賛同し、寄付をいただける方は、noteのサポートや、下記の振込先をご利用ください。
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　新賃金体系で評価できるのは、固定残業代が４５時間に減らされ、減らされた固定残業代相当額が基本給に上乗せされることになったことです。

　私たちは、２０１９年以来、固定残業代が異常に長くなっており過労死基準以上の労働時間を前提としていること、固定残業代の設定のされ方や運用のされ方には法的な問題があることから、私たちは固定残業代を減らし、基本給を上乗せすることを求めていました。

　私たちの取り組みが社会的にも強い共感を呼び、会社を動かすことになったのだと思います。皆さんのご支援のおかげで大きな成果を得ることができました。ご協力ありがとうございました。

〇同じ仕事なのに無理な評価制度を導入し、普通に働いていれば賃下げも？

　一方で、新しく導入される評価制度がとてもひどい設定であると私たちは考えています。

　会社は「頑張っている人を評価し、給料を上げるための評価制度」と言っており、確かに賃上げされる場合もあるようなのですが、評価制度の内容を見る限りほとんどのルート職が賃下げ、もしくは変更なしとなるのではないかと疑わざるを得ない内容です。

　

　そもそもルート職の業務内容は、専用の自動車を運転しながら、街頭やオフィスビル、駅などに設置される自動販売機（配送先を「ロケ先」という）に飲料を補充したり、料金を回収したり、ごみを回収することで、誰でも同じです。

　業務量は、会社から割り当てられる担当ルートで大枠が決められますので、労働者個人の努力で変えられません。商品の選定も必須商品が決まっており、ルート職が自分で考える余地はほとんどありません。自動販売機の売上高は、入社直後を除けばルート業務従事者の能力ではなく、会社の業務割り振りによって決められます。

　それにもかかわらず、会社はルート職の売上やルートの台数などについて評価し、賃金に格差をつけるといっています。組合員の労働条件を評価基準に当てはめると、賃上げの条件を満たすのは至難の業で、ほとんどの人が現状維持もしくは賃下げになるとしか考えられません。

　賃下げの場合、毎年月2500円ほど下がっていくことになるので、従来どおり毎年月1000円上がるというほうがいくぶんかマシです。仕事自体、会社の指定で働くしかない中で、従業員同士を競争させるのはおかしいのです。

　物価高となり各方面で会社と組合とでベアを検討しているなか、大蔵屋商事はそのスタートラインにも立たず給料制度を変え、離職者を減らし能力に応じ給料に反映するとしていますが、今回の新賃金体系は「詐欺」のようなものだと思います。

〇大蔵屋に対し、ルート職の賃金を同一するとともに、賃上げ１０％行いよう求めました

　説明会を受け、私たちは５月９日、以下の要求を会社に通知しました。

　

１．賃金体系を同じ仕事をしている人は同じ賃金になるようにしてください。

　ルート職の業務内容は誰でも同じです。また、その業務量は、会社から割り当てられる担当ルートで大枠が決められますので、労働者個人の努力で変えられません。商品の選定も必須商品が決まっており、ルート職が自分で考える余地はほとんどありません。自動販売機の売上高は、入社直後を除けばルート業務従事者の能力ではなく、会社の業務割り振りによって決められます。

　　会社が6月から導入しようとする新賃金体系は、こうした事情を踏まえたものになっていません。しかも普通に働いていれば賃金が下がっていく制度になっているのではないかと強い疑念を抱いています。

ルート職の業務内容の実態を踏まえ、新賃金体系ではルート職が基本的に同一の賃金額になるよう制度を改変することを求めます。

２．賃金を10％あげてください。

　今年度の賃上げは勤続給1000円のみであり、物価高騰に到底追いついていません。物価高騰を鑑みて賃金を10％上げてください。

〇今後団体交渉が始まります。大蔵屋商事の動向にご注目ください。

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