「社員を業績の調整弁」と扱う老舗時計バンドメーカー「バンビ」に物申す!

先日、創業90年の老舗時計バンドメーカー「バンビ」(http://www.bambi.jp/index.html)へAさんと団体交渉を申し入れました。

団体交渉のテーマは「ヒト=社員の大切さ」です。「ヒト」を「モノ」の様に考え経営を行ってきた結果、生み出された黒い歪(ひずみ)を正そうという想いです。

◆一方的な「諸手当のカット」、「追い出し」行為

今年6月、「バンビ」は、全社員対象に「諸手当のカット」を一方的に敢行しました。当面3年間は調整し減額幅を抑えると謳っていますが、3年後には住宅手当が廃止され、家族手当が大幅に減額される事になるわけです。

更に、これまで長年会社に貢献してきた社員が57歳になると、かなりの給与引き下げを行ってきました。

そのほか、60歳到達時点には、法令に従い再雇用等の投げかけはするが、実は到底受け入れ難い低い給与金額を提示し、まるで辞めろと言わんばかりの条件を提示しています。結果、長年業績に貢献してきた多くの先輩達が60歳を機に、恨みを持って会社を去っていきました。

子供の養育費や親の介護等、福祉が削られ負担が増すばかりの社会の中で、このような対応をされ、私たちはどう生活をしていけば良いのでしょうか?

当然、この様な流れは若い社員に無意識的に伝わります。結果、ほとんどの社員が「この会社」に自分の人生の大切な時間を投資してよいか疑問を持ち、その姿勢は「働き方」に反映されるわけです。

◆「ヒト」を業績の調整弁にさせない

経営の三要素とは「ヒト」「モノ」「カネ」とよく言われます。どう考えても、日本の経営者は「カネ」が一番重要と考えているのは明らかです。企業において実績=「カネ」が第一だというのは、意味としては分かります。しかし、よく考えれば「業績」とは結果であって、「ヒト」という原動力無くして、業績を成し遂げる事は出来ないわけです。

企業は、利益確保の為にいとも簡単に「給与をカット」「サービス残業」、最悪は「解雇」までして、業績の帳尻を合わせます。その最たるものが非正規の雇止めや派遣切りです。最初から、「ヒト」を業績確保の調整弁としか見ていないことが明らかです。結果、益々、労働者層の貧困化が加速されていくことになるわけです。

時を同じくして、日産のカルロス・ゴーン氏が逮捕されました。時代の名経営者とも呼ばれたゴーン氏。コストカッターという呼び名で数えきれない人の雇用を奪いました。その裏で、実際は私利私欲を貪っていたわけです。

今回「バンビ」との団体交渉のベースにあるテーマの本論は、「ヒト=社員の大切さ」です。自分の会社の社員を単なる「業績の調整弁」と考えているこの老舗企業に、創業者の企業理念とそれに伴う「社員の大切さ」を思い出させるという闘いです。「自分の社員さえ幸せに出来ない会社が、顧客を満足させる製品を世に出すことなど不可能だ」という事です。

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