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QP【占いの裏】

 キューピー人形は、1909年に米国で誕生したキャラクターだが、原語での表記「Kewpie」の他に「QP」の略称で知られるもう一つのルーツが存在する。つまり、「量子的矛盾(Quantum Paradox)」である。
 通常、一対のQP人形で表現されるキャラクターを、四つの象限に分けて配置し、それぞれを背中合わせにした時に、量子もつれが発生する。通常、これは素粒子でしか発生しないはずの現象だが、QP人形に限ってその現象が発生する。
 あなたが、一つのQP人形を観測した瞬間、残りの三つのQP人形の状態も確定する。その現象を発見した理論物理学者 アレクサンダー・ロスは、これを人間の未来の状態を観測するための装置として応用し、最長で三十分先の未来を予見することに成功したという。
 しかし、ロスの発見は学会ではオカルト扱いされ、歴史の闇に葬られた。ただ残されているのは、この四対のQP人形だけである。

キュレーター 羽根川 樹里

Photo by Dan Farrell on Unsplash

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