本をよむ

図書館に通い始めた。幼い頃から本を読むことは嫌いではない。ただ、友達の誘いを断ったり、テレビを中断するほど読書の優先順位は高くなかったというだけの話だ。けれど最近は友人と会うこともはたとなくなったし、見たかったドラマは全て見てしまった。そうして金はないが暇はある21歳は本を読むこにした。

読んでみると本は私の性に合っているような気がする。話が面白いかどうか考える時間が十分にあるし、面白くなければ読むのをやめて他の本を探したらいい。

本を読み始めて感じたことがある。それは、本を読むということは未知の自分を知ることなのではということだ。ものを書くことを生業としている人たちは、語彙力や発想力がわたし持つのそれとは比べ物にならない。物語の描写が自分の状況とリンクして、まるで赤の他人に私自身のことについて教えられたかような気持ちになることがたくさんある。これも最近読んだ物語からの引用だけれど、自分のことをより深く理解するためには何か別のものが必要なのだそうだ。つまり私の場合は本を読み、文字という客観的なツールを通してより深く自分を理解しているというわけだ。

テレビやネットなどが発達しているいま、情報は人間に考えるスキを与えず次から次にやってきて頭の中を占領してゆく。そんな時代だからこそ、自分のペースで、自分の好きなものや必要なものについて考る、自分の興味の幅を広げることができる、自分の知らなかった自分に出会うことができる、そんな読書に惹かれているかもしれない。

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