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6等の感情

僕は「BIG」というくじを自動的に購入するよう設定している。とは言っても、一回で買うのは2口とかなので、おみくじの延長線くらいの金額しか投入していない。

でも頭のどこかには「当たるかも!」という野心があって、時折お金が入ったら何をしようか、なんてことを妄想する時間があるのだ(だから自動購入の設定をしている)

本題に入ろう。僕はこれまで購入を始めて半年で「1回」だけ当選のメールが来た。そのメールを見た時は心臓が跳ねた。これで仕事のストレスから解放される!とか、乗りたい車を買おう!とか引っ越ししよう!とかいろんなことをスーパーコンピュータ並みの処理速度で思い描いた。

しかし、震える手でいざ当選金の確認ページに行くと「数百円」の当選金であることがわかる。

僕は落ち込んだ。

最初から無かったものが数百円でも手に入ったのだから、ラッキーに違いないのだけど、僕は落ち込んだ。そしてお腹を下した。本当に弱い人間だ。そしてイラついた。この当選金なら「おめでとうございます!」のあとに「少額当選の予定」とか、ある程度のざっくりした内容をメールの文面に記載しておいて欲しい。それか「何等以上の当選の可能性」とか書いといて欲しいわけです。

なんでこんなことを書いているのかというと、また「おめでとうございます」というメールが届いたからだ。でも僕は嬉しくなかった。前回の落ち込みが頭をよぎるからだ。自動的に入金されるようにしているし、まぁ当選を確認しなくても数日後にはわかる。それから考えるようにすればいい。そんなことを冷静に思っている自分がいた。

このメールの内容というのは「高額当選」をした人にも同じ文面が届いているのだろうか?と気になった。高額当選の人には「誰にも言わないでください」みたいな注意書きが添えられているのだろうか?とか、変な想像ばかりが先をゆく。

あとこれも思うのだが、対面販売ではなく、ネットで購入した人に下位当選の状況で「おめでとうございます」というメールを送らない方が良いと思う。どう考えたって「億単位」の当選が発生したのだと思うし、そうでないとわかると購入をやめてしまう人だってたくさんいるかもしれない。だってショックだもん。

そんくらいの人数なんて離れたって屁でもねえ!かもしれないが、高額当選が発生する可能性があるくじを購入している以上、目的はその通り「高額当選」にあるのですよ。

これが紙で販売している宝くじ(いわゆるジャンボ)だったらどうか。それに宝くじのカウンターで対面販売されたBIGだったらと考える。紙で渡されて確認をするタイプだと、確認している途中で自分が何等だったかわかる。というか、最初の何桁、何行を見ただけで「1等ではない」ということはわかる。なのでまっすぐに「ふんふん。あ、6等か」みたいな「6等の感情」になれる。しかしメールが来て「1等かも!」という最高潮の状態からガクンと6等の感情に突き落とされるのはしんどい。

当たっているのに、その人の中で6等の価値はたぶんゼロだ。

というかキャリーオーバーを設定しているくじは、5万円以下の当選は発生しないようにしてほしい。最低当選金額が5万円から!とか設定できないのだろうか。

複雑な計算はできないから想像で語るが、基本的にパチンコなんかと同じで「絶対胴元が儲かる」ようにできているのだから、それは買う側の責任でもあるのだけど、それでもなんかメール一通で「裏切られた」みたいな感情になってしまうのは、とても残念だ。

案の定、気になる心を止められず当選確認のページへ飛ぶと、そこには3桁の数字が並んでいた。牛丼は食べられるだろう。いやしかし購入した金額を差し引くと、牛丼も食べられないな…

小金持ちくらいにはなりたいものである。

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