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2022年5月-7月に読んだ本

Nicolas de Stael / ニコラ・ド・スタール

1950年代、主にフランスで活動していた画家ニコラ・ド・スタールの作品集。具象と抽象の間を行きつ戻りつしながら描かれたような作品は、荒々しく野性的なエネルギーと同時に、瞑想を誘うような静謐な印象を持ち合わせている。未だ写真集でしか作品を見たことがないので、いつか本物を見てみたい。日本では箱根にあるポーラ美術館で現在1点が展示中とのこと。

向日葵の咲かない夏 / 道尾秀介

小説という形式を使った実験的な構成がとにかくすごい。何度も繰り返されるどんでん返しに翻弄されながら逐一驚いていたら、最後には見たこともない世界に放り込まれるという、小説ならではの楽しみを堪能できる作品。

ポリヴェーガル理論入門 / ステファン・W・ポージェス

「自律神経」というと、交感神経と副交感神経がそれぞれ覚醒状態とリラックス状態を担っているというのは有名な話。本書では副交換神経のはたらきの解明の鍵となる「迷走神経」についての理論を紹介している。例えば身体は「安全」をしっかりと感じることによって、はじめて「交流」または「治癒」の方向にエネルギーを使うようになることなど、身体についての本を読むと、実は知らないことばかりで驚く。

正欲 / 朝井リョウ

研ぎたての鋭利な刃物かよというくらい、危なく恐ろしくでも魅惑的な小説だった。登場人物達それぞれの深い孤独とリアリティしかない言葉の数々。痛さと快感が紙一重で、傷口をずっと触り続けるかのように一気に読んでしまった。

神山進化論 / 神田 誠司

今年の8月には高専一期生の募集も始まる神山町のいまが気になり読んでみた。消滅可能性都市のひとつに数えられながらも創造的な活動が継続・発展する町の姿を知ると「未来」という言葉を口にしたときに、頭に思い浮かぶイメージがだいぶ変わるように思える。神山町のような「未来」の姿を思い描きたい。

USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門 /  森岡 毅

最近マーケティングが気になっているので、amazonマーケティング部門ベストセラー1位から読んでいる。内容はマッチョだったが、なるほどと思う箇所も多く、次はベストセラー2位を読もうと思った。

ジャケ買いしてしまった!! ストリーミング時代に反逆する前代未聞のJAZZガイド / 中野俊成

タイトルが気になって、つい手にとったらユーモアのセンス爆発の文章に一瞬で引き込まれた。「女の唇や脚ジャケを集める軟弱者にはなりたくないと常々思っている。男は黙って後頭部ジャケ!」とか。ディスクガイドとしては役に立ってないけど、ジャケ買いの視点が独特アンド秀逸すぎて憧れる。

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