コミティアは『誰に作品を見てもらいたいか』を見誤ると爆死するぞという話
こんにちは、まどそごみです。
普段は突如落っこちてしまった、横山光輝先生作品の熱にうなされ、
思うままに二次創作活動にいそしむ、しがないおたくをしています。
そんな二次創作にどっぷりな自分ですが、先日の2/25(日)、
東京ビッグサイトで開催された一次創作(オリジナル作品)イベント・
コミティア147に、この度はじめてサークル参加してみました。
参加の動機はいろいろありますが、オリジナルの話が今でも描けるかどうかの腕試しと、友人からの『一次創作が読みたい』の後押しが大きなきっかけとなります。
当ブースへお越しくださった方々、また差し入れや同人誌をご購入してくださった方々、本当にありがとうございました。
皆さまの温かなお心遣いに励まされ、無事生還することできました。
重ね重ね御礼を申し上げます🙏✨
そもそもコミティアって何?
創作のイベントとして広く知られているのは通称コミケ(コミックマーケット)の方かと思いますが、こちらはアニメや漫画など、すでに版権・公式のある作品に対し、個人の熱意が具現化したものを頒布・表現するという、いわゆる二次創作が主体となっています。
それに対しコミティアは、個人が自分で一から作り出した世界観を具現化して他者と共有するという、原作者が自分の完全に個人のオリジナル作品を頒布、交流する場となっています。
両者ともプロアマ問わず自由に参加ができ、己の『好き』を色々な方に知ってもらえるという、とても素敵な同人イベントです。
ジャンル選択は慎重に
コミティアのサークル参加は、以下23点のジャンルの中から、自分の作風に該当するものを選択して申し込みます。
これによりスペースがジャンルごとに区画され、サークル参加者(作家)は、自分と類似する作風・タイプにまとめられて配置されます。
そのおかげで頒布する側も、お客さんである一般参加者も、その場で新たな作品に出会えるというWin-Winな関係が成り立つのです。
自分は当初の時点では作品を持っておらず、ただなんとなく『主人公が少年で、ほのぼの日常系』になりそうだなという事で、『少年まんが』をジャンルとして選択し、申し込んだのでした。
しかしこの、なんとなくの選択がのちに大きな影響へとつながっていくのです…。
とても良いスペース配置だった
イベント開催3週間ほど前に、サークル参加者はコミティアのサイトや封書により自分の配置スペースを把握します。
自分のサークルの配置を見た時、比較的に人の流れが起こりやすい、大通りのようなビギナーズラックな位置に割り当てを頂いていました。
(おそらくSNSのフォロワー数などを元に、主催者側が調整をおこなっているのかとは思います)
こんな良い位置を頂いたのだから、絶対に原稿を落とすわけにはいかない…!
そう改めて心に誓い、ほとんどの情報をシャットアウトして自分は作品作りにはげみました。
雲行きが怪しくなってきた
作品作りに必死だったため、それまで自分のお隣さんのことをまったく調べずにいたのですが、イベントの前日、ある程度気持ちと時間に余裕が出てきたこともあり、ちらっとSNSで検索してみることにしました。
するとどうでしょう…
両隣どころかその一列のほとんどが商業でご活躍されている作家さんでした。
この時
と、自分の置かれている状況に、少しずつ疑問を持ち始めました。
その日の夜は先行きの不安により、ビールを一気飲みして就寝するのですが、夜中に二日酔いで目が覚め、正露丸とトイレとお友達になって過ごしました。
イベント当日で気づいた己の選択ミス
二日酔いの症状はなかったものの、一睡もせず迎えたイベント当日でしたが、思いのほか気持ちも体調もそれほど悪くはありませんでした。
周りがプロだろうがなんだろうが、自分は自分の書きたいものを表現したんだからそれでいいじゃないか、今日は初めての空気を楽しもう!
…などとそんな心持ちで、会場に着くなりせっせと準備をおこなっていたのですが、ふと、顔を上げて周りを見て思ったのです。
どこを眺めてみても、可愛らしかったり、ちょっぴりえっちな女の子のポスターしかありません。いわゆる、看板娘というやつです。
対する自分はといいますと、今回の話の主人公である少年2人をモチーフにしていました。
大勢の女子の中に男1人がぽつんといる状況、まさにアレと同じです。
学校だったら逆ハーレムものでウハウハなんですがね!!笑
もしかしてこれは詰みなのでは?
やや焦りを感じ始めたのも束の間、気づけばイベント開催の時間となり、一般のご参加者が続々と流れてきました。
その勢いはコミケほどとは言わずとも、なかなかの速さで、SNS等で事前にチェックしていた作家さん目掛けて、(おそらく商業の方が多い列のせいか)たくさんの方がものすごい流れで入り込んでまいりました。
するとどうでしょう
この列の一般参加者さん、むかし少年だった人しかいねえ!😂
むかし少年だった人…そう、つまり現在はいい大人の男性です。
どこを見回しても男性、男性、男性しかおりません。
当然そんな状況ですから、看板娘がいる両隣はバンバンと飛ぶように売れていきます。
『前作のこのキャラ、めちゃくちゃ可愛かったです!』
『ここの表情なんかも最高でした!!』
そんな会話が聞こえてきます。
自分はと言いますと、当たり前ですがまったく見向きもされません。
そりゃそうですよ。だって多くの男性は少年に興味がないんですから笑😇
どんなに話が面白くても、内容が良くても、
少年同士のやり取りを、その場で見て心を動かし、新規で購入してくれる男性はほぼいません。
だからみなさん、男性の目を惹きつけるために女の子のサークルポスターを作られていたのですね………
イベント開始1分で一般参加者のターゲット層を読み間違えたことを悟りました。
ただ、完全に場違いではありましたが、普段おこなっている二次創作の繋がりから、『オリジナルで出られるということできました』と何名もの方が訪ねてきてくださったおかげで、心折れずにこの日を乗り切ることができました。本当にありがとうございました🥹
悲惨wな状況下ではありましたが、それでも自分は約30部をイベント内でお渡しすることができたので、これは本当に普段の活動と皆様のお支えのおかげだと感謝してもしきれない心持ちでおります。
頒布数2-3冊が平均の4割という厳しい世界
創作をおこなっている友人から『ある漫画家さんが初のコミティアで爆死した為、それ以降イベントに出なくなった』という話を伺いました。
その方はファンタジーでバトルものを描かれており、一定数のファンもいらっしゃる方だそうです。
嬉々として臨んだイベントでしたが、1桁頒布できたかどうかという具合で撃沈してしまいました。
『コミティア』というイベントの一般参加者の年齢層を意識していたか?
こんなことを書いたら委員会の方などに怒られるかもしれませんが、ざっと見た限り、コミティアというイベントに訪れる一般参加者の多くは、『ある程度、懐に余裕のある年齢層』だと自分は思いました。
東京近郊の自宅から会場までの往復交通費、そして入場料1,500円で約3,000円がコミティアの会場に行くだけでなくなります。
この額は、おそらく小中高生には非常にキツイ額です。
なのでその年齢層が会場にいることはほとんどなく、コミティアのターゲット層の多くが20代以降の大人ということになります。
自分は今回日常系の内容を描きましたが、創作では少年少女問わず、バトルやファンタジーが人気ジャンルです。
そして、それが好きな大人もたくさんいると思います。
ですが、バトルものやファンタジーものが最も刺さりやすい年代が会場内にほとんどいないため、売れることはとても厳しいです。
自分も大人ですが相手も大人なのです。
上記の漫画家さんはもしかするとスペース場所と内容と人の流れが合っていなかったせいなのかもしれません。
まとめ
補足(2024/3/9追記)
一部でたくさん読んでいただいたあとでなんですが、少し補足を…
『売れることを目的としていない』とかそういう問題ではなく、パスタを食べたい列に対して蕎麦を出しているようなもので、そもそも受け取ってもらえるはずがないのですが、
全く見向きもされなかったことに心と筆を折りかねないので、それを防ぐためにもよく考えましょう。
本当にジャンル選びはすべてを左右します。
気をつけて…
コミティアは、自己のアイデンティティを発表する場として、とても素敵なイベントだと自分は思います。
サークル参加される方はきっと、『誰か手にとってくれるのか』、『この世界観を受け入れてくれるのか』など、不安に感じることもあるかもしれません。
その不安要素が少しでもこの記事で解消できたらなと思い、今回執筆いたしました。
自分は次回参加するとなれば、少年まんがではなく『ギャグ』もしくは『少女まんが』、『BL/JUNE』あたりで申し込もうかなと思った次第です笑
(少年同士の友情モノなので全然BLじゃないんですけども…😂)
それではここまでお付き合いいただきありがとうございました。
最後に今回作ったオリジナル同人誌の宣伝をもって締めくくりたいと思います。
もしよかったら買ってね!!笑👇👇👇
おしまい