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Pi : ゼロから始めるパイオニア生活

1. 始まりの終わりと終わりの始まり


 勝った時にまた記事書くかと思っていたら全くいいところがなく半年以上過ぎてしまいました。
 こ無沙汰しております、セゴウです。

 鳴かず飛ばずだったサイクル2の成績は以下の通り。

2-1(パイオニア) Quintrius Combo 3-3 初日落ち
2-2(モダン)   UR Murktide 7-5 49th
2-3(スタンダード) UB Control 3-4 初日落ち

※サイクル2のフォーマットは『パイモス』で覚えたよね

 世界選手権の成績(2日目進出)によりBM様に権利を付与いただきサイクル2のCCF(チャンピオンズカップファイナル)には全て参加できたが、初日突破は1回、目標であるPT権利獲得には全く届かない結果であった。
 幸いにもチームメンバー(not 軍団)がサイクル2-2、2-3でそれぞれPT権利を獲得したことで個人的にはモチベーション維持できており、チームとしても喜ばしい結果であったのが救い。

 そんなこんなで全ての権利を失ってゼロから始まったサイクル3ではあったが、実は早々に店舗予選を抜けてエリア予選の権利を獲得、続いて参加したプレミアム予選を勝ち抜きファイナルの権利を獲得!!
 やっと記事が書ける?という事で今のパイオニア環境についての雑感でも纏めようと重い腰を上げた。

 先に断っておくとサイドボードガイドがある訳でも構築アドバイスがある訳でもないので、ふんふんなるほどと読み流したり、そこは有利マッチじゃないよねとか突っ込んでもらったりしながら目を通していただけたら幸いだ。

パイオニア環境解明完了?

2. Piから始まるサイクル3期

 サイクル3-1のフォーマットはPi =Pioneerである。競技フォーマットとしては象さんこと《クイントリウス・カンド》入りのコンボデッキに公私ともども翻弄されたサイクル2-1 (優勝はジャンド異形化) 以来の採用で、『カルロフ邸殺人事件(MKM)』、『サンダー・ジャンクションの無法者(OTJ)』の参入を経て新たな環境となっている。

現在のパイオニア環境

 新環境になってから各種デッキを回した使用感としては『4(+1)強+Tier2以下多数』で、この上位デッキは結局のところ晴れる屋デッキ掲載数やgoldfish掲載数とも概ね一致した。強いものは強い、力こそパワー。どこで線引きするかは難しいテーマではあるが筆者は以下の通りTier分けした。

◇Tire1
ラクドス吸血鬼
イゼットフェニックス
アマリア探検コンボ
5C白日ニヴ

緑信心

 緑信心についてはOTJにて《荒野無頼団の先駆者》を得て爆発的に掲載数が増えているデッキであり、リストが研究段階でその強さが未知数ということでこの位置付けとした

ホンモノか否か?!

◇Tier2
黒単無駄省き
イゼット魂込め
ロータスコンボ
青白コントロール
赤系アグロ(タッチ緑含む)
青白スピリット
独創力
陰湿な根 etc,

 大会でよく見かけるその他のデッキ。宗教上の理由で黒単無駄省きとロータスコンボは回せておらずエアプになってしまうが、その他のデッキは最低でも各10マッチは回した結果に基づきこの分類とした。

Tier1とTier2の差

 Tier1とTier2の違いはデッキ強度だと考える。これは最近気に入っている単語で、自身では『安定性(再現性)+ドブン性能+対応力』と定義した。

 安定性(再現性)はマッチを複数回繰り返した際に理想的な動きをどれだけ行えるかであり、例えばイゼットフェニックスであれば大量のドロー呪文からいずれは《孤高のフェニックス》に辿り着くことが可能であり、ラクドス吸血鬼であればコンボが決まらない場合にも《鏡割りの寓話》さえあればデッキの安定性を確保できる。

 ドブン性能はデッキのパワーの最大値のような意味合いで、アマリア探検コンボであれば最速3T目でコンボ達成しアグロデッキでは削り切れないライフを得ることができるし、ラクドス吸血鬼の3T目コンボも言わずもがなである。Tier2に分類したデッキでもドブン性能はTier1に遜色ないどころか上回る力を持っているものもある。しかし前述の再現性まで考慮すると回数をこなすうちにマリガン頻度や、回りのMAX/MINのブレの部分でTier1デッキとの差が大きく現れると感じた。

 対応力はどのデッキに対してもある程度戦えるかどうかであり、対戦テーブルに座った瞬間に勝ち負けがある程度決まってしまうデッキよりも、万遍なくどの相手とも戦えるデッキの方が好ましいと考え、Tier2デッキと比較してTier1デッキの方がこの性質が大きいと考えた。
 例えば青白コントロールの場合、コントロールの性質上メタが固まりきっていないとデッキ構築がそもそも難しく、アグロを意識して《ポータブルホール》や《一時的封鎖》を増やした結果コントロール同型にばかり当たってしまったり、特にデッキ非公開の場合にはキープ基準が難しくカウンターの手札をキープしたらアグロに成すすべなく負けたりすることが頻繁に発生するため、持ち込むタイミングは見極めたい。

デッキ選択の話

 結論として、『Tier1に位置づけた5デッキの中から週末のメタゲームも予想してサイドプランを練って持ち込む』のが、大会での勝率を最大化できると考えた。
 もちろんどのデッキもきちんと回せる前提で練習は必要不可欠だし、どのデッキを選択するかよりもまず第一に『選択したデッキを十分に理解し使いこなす』方が勝率を上昇させることに繋がると考える。
 ある程度パイオニアに慣れており、デッキ選択に迷った友人がいたら筆者は上記のようにアドバイスする、くらいで捉えて欲しい。

東海あ〇人も言っている

 
 付け加えると、CCFのような競技大会での勝利を目指すのであればデッキの選択肢は2つ以上あった方が良いと考える。普段アグロを好むプレイヤーでもコントロールデッキを練習することでコントロールデッキと対峙した時のプレイ精度を高めることになるし、逆もしかりコンボデッキもしかりである。
 リソースは有限で各人で状況は異なるため一概には言えないが、可能であれば普段から色々なデッキに触れる機会を増やすことを強くお勧めする。変→強→変→具→変ということだ。

大地を踏みしめて。踏みしめて。


Tier1デッキ雑感

 ここではTier1に分類したデッキについて述べる。(感想)

①イゼットフェニックス
 《錠前破りのいたずら屋》の登場により一躍トップメタとなったが、そのために各デッキから墓地対策を厚めに取られることに。サイド後いかにそれらの対策を乗り越えるかに掛かっている。メイン・サイドともにほぼ固定枠のため環境に合わせた構築がどこまでできるか。最近では《プロフトの映像記憶》の採用が増えている。
 苦手とする黒単無駄省きが減少傾向であることは追い風。墓地対策が緩むタイミングあれば勝機◎


②ラクドス吸血鬼
 従来のラクドスミッドレンジ同様《思考囲い》や《鏡割りの寓話》を擁しながら、3T目の《傲慢な血王、ソリン》+《血管切り裂き魔》というアンフェアコンボを手に入れたミッドレンジ界最強のデッキで、どのデッキとも対等に渡り合えるのが強み。サイドボードも含め柔軟な対応が可能なためどのデッキをどれだけ対策していくかのバランスが鍵。
 (カードを持っていたらこのデッキをつk…)


③アマリア探検コンボ
 このデッキを使用しCCF権利獲得☆彡
 最速3T目にコンボが決まる(のと高いカードが少ない)のが強み。
 筆者が使用したデッキを通常型とするならば、《獣相のシャーマン》型、新進気鋭の《金のガチョウ》型などタイプが様々。イゼットフェニックスと比較してヘイトが低い(=対策カードの採用枚数が少ない)と感じたので選択。1枚1枚のカードはそれほど強力ではないため対策カードが増える場合には厳しい戦いを強いられる。


④5C白日ニヴ
 Tier1デッキの3つ(特にラクドス吸血鬼)に有利に戦えるうえに、《古のヤギ角》の加入によりにアグロ耐性を大幅に強化。常に時間切れのリスクが伴うので他のデッキよりも特に練習してから持ち込む必要がある。ミラーやコントロールが増えると予想する場合にはメインから《約束された終末、エムラクール》を採用するなど構築にも工夫を。緑信心に対しては明確に不利がつくため注意。


⑤緑信心
 《大いなる創造者、カーン》の禁止以降潜んでいた信者たちに光が。OTJ発売後から密かに進められていた研究により一躍トップメタに返り咲き。《ギルドパクトの力線》型と非採用型とがあり、どちらの構築に落ち着くか、各デッキからどの程度対策されるかに注目したい。前述の通り5C二ヴは得意とする一方でアマリア探検コンボは苦手であり、有利不利がはっきりとするデッキでもあるので、持ち込むタイミングを見極めたい。


3. プレミアム予選抜けのデッキについて

 それでは最後にプレミアム予選抜けのデッキについて、採用カードの枚数とその理由、非採用カードの理由を説明する。

思いのほか新弾の恩恵あり

 デッキはMOでアマリアを愛用しているHamuda氏のリストをそのまま使用。色々なタイプを回したがメイン・サイドともはこの形がしっくりきた。

<メインボード>
■スペル枚数
・召喚の調べ 4枚
 軽量クリーチャーを並べることで疑似的にフリースペルとしても唱えることができる。コンボパーツやシルバーバレットをピンポイントで場に出せる唯一無二のカードで文句なく4枚。


・集合した中隊 3枚
 《陽気な哀歌》と合わせて計5枚という考え方で、軽量かつインスタントである分こちらを優先。こちらを4枚にしないのは中隊はランダム性が高いのと、哀歌は重い分コンボ達成確率が大幅に上昇するカードであるため。


・陽気な哀歌 2枚
 基本は5マナで放題をフル活用。盤面と墓地に異なるコンボ生物が各1体いればどの組み合わせであっても確定でコンボを揃えることが可能。また《魂浸し、ダイナ》や《無情な法執行者》などのシルバーバレットを釣り上げることもできるので運用は難しいがそれだけの力を持っている。


・戦列への復帰 1枚
 以前は複数枚採用するデッキを多く目にしたが、哀歌の採用により減少。除去を連打された後、最終的にトップしてきたこのカードで盤面を捲って勝ち、という必殺技としての使い方が多いので1枚。


<サイドボード>
■採用カード
・無情な法執行者(1枚)
 《スカイクレイブの亡霊》では4マナまでのパーマネントしか触れず、サイドボードから入ってくるであろう《揺れ招き》や、着地してしまった《血管切り裂き魔》を(生物を2体生贄にして6点ドレインされながら)処理するために採用。ライフゲイン対策が《墓影の騎士》に寄るようであれば抜いても構わない。


・エイヴンの阻む者(1枚)
 コントロールデッキ相手の全体除去に対するお守り枠。象さんコンボやロータスコンボ等にも入る痒い所に手が届くカードであり採用。


・墓影の騎士(1枚)
 ミラー対策。相手も同様にサイドインしてくるため《致命的な一押し》を入れよう。(きっと対戦相手のリストに騎士がいなくても入れる)


・タミヨウの保管(2枚)
 除去から生物を守るだけでなくライフゲインによるアマリアの誘発もサポート。サイド後はカードパワーの低い《月皇の古参兵》を抜くことも多い中、対戦相手の不意をつくタイミングでコンボの始動が可能、対戦中1枚引けると嬉しいため枠の都合もあり2枚採用。


■非採用カード
・ヴェールのリリアナ
 《血管切り裂き魔》や《暴れ回るフェロキドン》を対処できると最高だが実のところそんなに上手くはいかない。両者ともその前に軽量クリーチャーが出ていることが多く、そもそも黒黒のマナを出せるマナベースの見直しから必要である。


・獣相のシャーマン
 手札の弱いクリーチャーをコンボ生物に置き換えることで対戦相手に除去を強要できるしシャーマン自体が囮にもなる。しかしながら最速2T目に着地したとしても3T目に起動+クリーチャー展開する動きがぎこちなく、粘り強い動きにはなるが最大の利点であるテンポ感を失っていると感じたため非採用。逆に《金のガチョウ》型は速度UPするため試してみたいカード。




今回は久しぶりということでこのあたりで締めさせてもらう。
ここまで記事を読んでいただきありがとうございました。
それでは良きPiライフを。

以上

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