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ガラスのボトルシップの記憶

多分,BBC RADIO 4で,放送後(Sun 23 Jun 202419:15)このリンクで聴取できるようになるのでしょう.
追記)
上記リンクを開きListen nowをクリックすると聴取できます.私はスマホにBBC Saundsアプリをインストールしてリアルタイムで聴取しました。放送開始の英国の23日19:15は,日本時間では24日3:15です.

1970年代にイギリスの産業が衰退し,サンダーランドでも,パイレックス工場が閉鎖された後,職をなくした科学ガラス吹き職人の多くがギフトウェア作りにその才能を転じた.かつての吹きガラス帝国の灰の中から,このガラス工芸が生まれ息を吹き返した時代があった.今日,科学吹きガラスは絶滅の危機に瀕した工芸品とみなされ,サンダーランドにある国立ガラスセンターは閉鎖の危機に瀕している.

2006年,東京から造船と吹きガラスで有名なサンダーランドにやってきた綾子は,瓶に詰められたガラス船の歴史を記録することに情熱を燃やした.Vessels of Memory(記憶の器)』は,綾子の発見の旅を追ったもので,かつて世界中で販売されていた装飾用のギフトウェア「ボトルシップ」のパイオニアたち,今は引退しているサンダーランドのガラス職人や技術者たちから学ぶ.

●産業の隆盛の歴史を見る
ここはイングランド北東部の都市州で,南はダラム州,北はノーサンバーランド州に接しています.タインTyne川の南5km程の所を平行して流れるウィアWear川の河口にSunderlandはあります.この付近は良質な石炭の産地でした.水運の便が良い.石炭を積み出して行き,帰りの空船にガラスの原料のシリカや焼き物の原料の粘土を運んで来る.ガラス産業が起こるにはもってこいでした.
イングランド最初のステンドグラス窓(St.Pater'sChurch)の製作に職人が集まったともいわれます.高価なガラスが普及するのは,型ガラスの量産技術ができた1830年以降とのこと.生活に使われるガラスは瓶,窓ガラス,食器の生産が行われました.
石炭が採掘され産業革命の中心地(蒸気機関のスティーブンソンの出身地でもある)となり,重工業,造船業で栄えた時代があった.近くのサンダーランドも同様で,昔は造船業が栄え,陶器・磁器,ガラス,織物などの産業があった.隆盛を極めた造船工場は1988年に,炭鉱も1994年に閉山しました.盛んだった窯業やガラス工業も中国へのアウトソーシングが進み衰退しています.


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