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映画「サマーフィルムにのって」
夏が終わりそうな気がすると、いつも映画を見に行く。
去年はmid90sだった。
誰かに良かったって聞いて、映画好きな友達に行ったら行きたいよねってなって見に行った。
タイムトラベラーものであるのはわかってて、それ以外は全然。
主人公の伊藤万理華さんが「お耳に合いましたら」に出てて気になってた。
高校の映画部が文化祭に向けて映画を作るというのが軸にあって、映画部で作れるのは1本だけなんだけど、主人公のハダシが出した脚本はラブコメに負けて、でも時代劇モノが撮りたい!という話。
映画を作りたい!という情熱からあんなに一生懸命取り組めるのって学生ならではの時間だったなあと今思う。年齢を重ねるごとに好きって言いづらくなるし理由をちゃんとつけてないといけないというか。
好きなら詳しくなくてもいいしどの視点から好きでもいいはずなのに、認めづらくなってきてるかも。
映画はスクリーンを通して過去と現在をつなぐ。写真も同じだよね、絵画とかもそうだけど、時空を繋げられることってすごくロマンがあるし、思いを誰かに伝えられるって何かを作る上での醍醐味だと思う。無事に文化祭で上映することになるんだけど、そこのラストシーンがめっちゃいい。なんであんなスポットライトってぎらぎらしてきれいなんだろう。あれを動画で残せる映画っていいなあ。息をする音、まばたきのはやさ、目線の動き。胸がきゅうっとしてしまう。
高校の時に放課後に美術室の屋上でカメラを構えてたこと、部のみんなと毎日遅くまで作ってたこと、たのしいね、いいね、って笑い合ってたことが宝ものになっている。
大人になってなくしたんじゃなくて諦めてしまったそのキラキラがまぶしい。
映画館を出たら20時をすぎていた。少し風が秋の匂いだった。
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