歩くな、走れ!

昨日歩いてたら、道路をはさんで反対側の歩道を歩いてたおじいさんが手に持っていた封筒を落として、拾おうとしてるのが見えた。おじいさんは足を引きずるように歩いて封筒の近くまで移動すると、かがんで封筒を取ろうとしたけどなかなか拾えない。「大丈夫かな」と思って見ていたら、封筒まで手を伸ばそうとして、そのまま道路に向かって転んでしまった。すぐに近づいて「大丈夫ですか」と声をかけたら、「大丈夫だ」と言うので、封筒を拾って渡した。

おじいさんはそのまま足を引きずるように歩きながら、近くの病院に入っていった。病院に行く途中だったようだ。

自分も30代になって、折に触れて思うことがある。年を取っても体が動くように、今から鍛えておかないといけないということだ。もちろん、さっきのおじいさんが若い頃に運動不足だったかどうかはわからない。何か病気をして、体が不自由になってしまったのかもしれない。だけど、運動習慣の有無はそれなりに老後の運動能力と相関があるだろう。

私は若い頃にかなり体を鍛えたので、今でもそれなりに筋肉質な体つきをしている。今でも多少の自重トレーニングを毎日してるし、毎朝1時間程度は走っている。なので、同年代の平均的な人に比べれば運動能力は高いと思う。

時々、「見返りもないのに毎日運動を続けてすごいね」と言われる。見返りはあるんだよ。未来に受け取ることができる大きな見返りが。老人になってからも体が軽々と動くことって、お金があることや、恋愛で満たされることよりも、幸せなことなんじゃないかな。

タイトルの「歩くな、走れ!」は私が敬愛するナシーム・ニコラス・タレブ先生の『半脆弱性[下]』でタレブ先生が提唱してることだ。移動するときに歩かずに走れば体が鍛えられるし、移動時間も短縮できるのでいいことばかりということだ。

100歳になっても元気に歩いて移動するために、まずは70歳くらいまでは走り続けることから始めようと思う。街中で走って移動する人がいたら、それは私かもしれない。

この記事が参加している募集

#読書感想文

190,388件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?