回転木馬
回転木馬が廻っている気分だった。
後少しで全て吐き出すところだった。
全て吐き出して、何か大きな音を立てて
物を壊すところだった。
その瀬戸際まで行ったところで、
ふと母親を思い出した。同じような場面、
母親は抑えきれず吐き出した。
その後も抑えきれない。怒りの感情を止めることが出来ない。常態化する。
俺はそれを繰り返そうとしていた。
全てを繰り返しているのかもしれない。DNAによって。
その証拠に、今日また10年前のプレイリストを聴いた。一人、暗い部屋で聴いていたプレイリストを、また今日も一人で聴いている。
部屋は少し暑い。夏が近いからだ。
夏は、我々の全ての罪を許してくれるのだろうか?
このままではダメだ。それはわかっている。
でも、もう誰もが寝ている。全てを忘れるために。俺のことも、嫌な気持ちも、心配な気持ちも、放っておいてOKなもの、全て寝て忘れる。
そして、起きる。
また全てを繰り返していくために。
結局、今年は全てを解決したけれど
気持ちの不安定さは変わらない。
変えないからだ。愛想を尽かされるのも時間の問題。もう尽かされているか。
切り替える、切り替える…明日はまた転がしていく必要がある…
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