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アルタゴは連打大陸【 イースSEVEN 】(Steam)

アドル=クリスティン、新たな国へ

カナン諸島の旅もつい半年前、そんな7作目でアドル(23)が向かうのはアフロカ大陸の大国であるアルタゴ公国。イースシリーズは辺境、秘境に向かうことが多かったのでここに来て大国へ向かう展開だ。アルタゴの首都はイースシリーズでは初めて見るスケールの大都会でとても新鮮な気分だ。
今回は大画面で遊べるSteam版でプレイ。ボイスが英語のみの仕様なので、流暢に英語を喋るアドルやドギが面白すぎるぞ。

SEVENは常にドギと一緒!

そして今回からアドルは仲間を連れて冒険するようになった。ついにドギと共に冒険する事が出来るのだ。まぁコレに関してはいろいろと問題があってそれについては後述しますが。これは素直に嬉しい。俺はこの時を待ってたんだ!更にアルタゴの地で出会う仲間たちもいるし、前作イースⅥからガッシュも仲間になったりと嬉しいサプライズもあって最高だね。

そしてここで武器属性やアイテム採集などのシステムが現れ、イースⅧに近づいた作りを見せ始めている。あの名作が出来上がるまでは、こういう道を経ていたのかと感じるね。

新たな国は連打大陸。

そんなアルタゴの地のモンスターとのバトルは、結構モンスターが硬めでとにかく攻撃をビシバシ当てていく必要がある。とにかく攻撃ボタンを連打しなきゃ倒せない。次から次にくる敵にとにかく連打で倒すのだ。
そしてアルタゴは流石の大国なのでとにかく広いので移動も大変。しかし回避に使うローリングなら走るよりも速く移動することができる。なので回避ボタンを連打してアドルをゴロンゴロン転がして移動させよう。これがアルタゴの基本移動術だ。

今回は倒した敵の死体を更に殴ると更にアイテムやお金を出す謎仕様!情け容赦無し!

そんなわけで本作は攻撃も連打、移動も連打。とにかくコントローラーが壊れないか心配になるくらいボタンを連打しなきゃいけないのでとにかく疲れる。指が痛い...。
なので本作はイース特有の敵を倒す爽快感が薄めなのが残念。後半は連射機能のあるコントローラーに切り替えて楽しむことになりました。もうこれじゃなきゃ後半は辛かったよ!

冒険?観光?調査?

そんなアドルの冒険は偶然見つけたアルタゴに古代から住まう竜の言葉を聞いてしまったことで大きく動き出す。アルタゴで起きている異変を調べるため、この地の祠に眠る5体の竜の力を得るために奔走する。

これにはアルタゴの公王の許可も貰ってるし、各地の竜を守る里の長の許可を貰って行う行為である、つまり調査だ。里の代表たちもアドルに同行するのでなんだか、冒険というより現地ガイドまでいる観光感は拭えない。
なんだか冒険感があまり感じられないのは未知の秘境というより、モンスターはいるけれどしっかり現地の人々には知られている場所に行くからだろうか。

実質ドギが主役では...?

そして本作は常にドギと共に冒険する。するとどういう事になるか。アドルの代わりにドギが全ての状況にリアクションしてくれるし、感情的にもなってくれるし、説明もしてくれる。そしてアドルの事を一番よく理解してくれているので、話を全て代弁してくれるのだ。

そうなると困った事になる、アドルが存在感がほぼ無くなってしまったのだ。アドルは常にそこに居るのだけれど、イベントではドギが喋らないアドルに代わって会話を進めるので、アドルはたまにナレーションなどでリアクションを説明させるくらいで、ほぼそこに立っているだけなのである。そりゃこんな有能な相棒はⅧで留守番させられる訳だ...。

アドルと悲劇のストーリー

しかしアドルの今回の役割は重い。選ばれし竜の戦士としてアルタゴの大陸の運命が彼の背中にのしかかる。
特に中盤、例の如くアドルが捕まるシーンでは拷問を受け、上半身が現になるアドルを見る事になるのだが、その体は痛々しいくらい傷だらけだ。しかもその傷が今ついたとは思えない古傷ばかり、今までの冒険で負ってきた傷と思うと彼の壮絶な戦いを思い出さずにはいられない。優しさと好奇心と引き換えにアドルの体は傷だらけだ。
こちらもその冒険を共にしてきただけあってなんとも言えぬ感情が湧き上がってくるぞ。

そして話を進めれば進めるほど話は暗く、悪い方向へ向かっていく。それはどのイースもそうなんだけど、アルタゴを蝕む流行病が無力な人々を襲い、政治の方向まで悪くなっていくアドルがどうしようもできない展開は結構ツラい。本作のストーリーは決してつまらない訳ではない、ちゃんと盛り上がるのだけれど、その盛り上がり方が全部悲しすぎるんだ。イースに悲劇は付きものだが本作はとにかく悲しかった。
登場する仲間たちも結構真面目な人たちばかりなので、ストーリーにユーモアを使った緩急がないのも苦しい。やはりトリックスターは欲しかった...。

本作は初の仲間の実装など様々なチャレンジが行われたイース。しかしイースⅧを先に遊んでしまったのもあって細かいところに手が届かないシステムや悲劇的すぎるストーリーなど細かな部分で気持ちよくなれない部分が多かったのも事実で、個人的には惜しい作品でした。

アドルはイースⅨの舞台グリア・エルトリンゲン地方の《監獄都市》バルドゥークへ向かう。
そして僕は再びドギの故郷、フェルガナへ向かうのであった。


DATA

イースSEVEN
発売 / 開発:日本ファルコム
対応ハード:Steam、PSP
発売日:2017年8月31日(Steam版)
ジャンル:アクションRPG



映画鑑賞と積みゲーの資金となります…たぶん