デザイナーが実装できれば中間成果物としてのデザインはいらないのか
たまにタイトルのような言説をみかけ、個人的には「必要っしょ」と思っているのだが、なぜ必要なのかを言語化してみたい。
前提
そもそもそんなデザインも実装も高度なレベルで実行できる人間中々いねーよ!という現実もあるのだが、一旦そこはそういう人がいるという前提に立って、それでも必要なのか、を問うてみたい。
あとデザイナーとエンジニアの分業的な観点も一旦考えない。
なんで必要だと思うのか
必要と思っている理由は一つで「デザインは一発で頭に描いたものを作ったら終わり!というものではなく、反復的に変更され得るものだから」だ。
正直自分は自信を持って自分はデザイナーと名乗れるほどの経験がないのだが、ちょっと自分で頑張ってみようかと試みたことがあるので、それを振り返ってデザインのプロセスを言語化すると次のようになると思う
1. デザインしたい対象でユーザに達成してほしいこと or なってほしい状態を定義する
2. 必要な機能や情報を整理する
3. それを実現するのに相応わしいUIをユースケースが似ているサイトやDribbleなど眺めながら着想を得て、ラフ案を手書きかFigmaで作ってみる
4. あーじゃないこーじゃないって変更したり、他の人にレビューしてもらったりする
5. 実装する
でまあ表題の言説は「実装ができれば3の中間成果物としてのデザインと実装を一緒に達成できるから速いでしょ」という話だと思うが、個人的には4のデザインをコネコネするフェーズの時間による、と思っている。
実は自分もFigmaで自分でデザイン作ってみるまでは「俺のスキルセット的にはReactで直接書いちゃった方が早くね?」とか思っていた。
ただ実際にやってみると、自分はReactでUIを作る速度はかなり速い方だと思うが、それでもFigmaでコネコネするのには全然敵わないなと思った。計測とかまではしていないが、こういった試行錯誤のプロセスがある場合は、GUIで直接いじる系にコーディングで直接書くメリットは負けると思う。
あっさりとしたが、次にでもこんな場合ならありかもなーと思ったものを挙げていく。
こういう場合なら直接でもいいのかも
一発(もしくは少ない試行回数)でいい感じのデザインが思いつける人
先の例で言うと、私が素人でデザインの引き出しが少ないばかりに、デザインを確定させるまでに考える時間を過大評価している可能性がある。
なのでいきなり解像度高いデザインが描けていきなり実装してもそこまで手戻りがない人ならありかもしれない。
デザインがそのまま実装に反映されるようなツールで作る時
要するにSTUDIOやWebflowのようなツールで作る場合は、作ったデザインがそのままサイトになるので当然と言えば当然だが、この問いはなくなる。
今は静的なサイトや、もう少しできてCMS付きのサイトくらいのユースケースしかカバーできない印象だが、もっとこういったツールが発展してくればデザイナーだけでなんとかなるケースも増えてくるのやもしれない。
固有のデザインがいらない場合
例えば、全部 Material Design でそれ系統のライブラリが用意しているものをそのまま使うだけで十分!とかであれば確かにデザイン単独のプロセスはそこまで重要でない。むしろそのライブラリに即したデザインをわざわざ作る方がめんどくさそうなので、いきなり実装に起こした方がむしろ効率的だろう。
デザインシステムが固まってきて、デザイン作らなくても一貫性のある体験が作れる場合
すでにある程度息が長いプロダクトで、新しい機能だったり変更を加える際に「デザインシステムに従えば自動的にデザインが定まる」くらいに確立されていれば、わざわざ中間成果物としてのデザインを作らなくていいのかもしれない。
そこまでいったプロダクトを作ったことないから夢物語かもしれんけど。
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