巨人原監督の目はすでに交流戦後に

プロ野球セ・パ交流戦で熱戦を繰り広げている巨人。菅野・坂本というチームの絶対的柱を欠く中で一進一退の攻防を繰り広げている。本来はスタートダッシュに成功した阪神タイガースの勢いが止まっている今に差を縮めたいのだが、巨人も続出する故障者のため勢いに乗れないのが現状だ。そこで飛び込んできたのが、今年ブルージェイズを解雇され、サンフランシスコ・ジャイアンツのマイナーにいた山口俊投手の日本球界復帰というニュース。これには巨人の現状をふまえお気持ちを表明したい。

1.二位 貯金8

56試合を終えて貯金8というのは誇れる数字ではない。首位の阪神は貯金16で4ゲーム差がついている。これ以上ゲーム差をつけられるとリーグ再開後の挽回が不可能になると交流戦での巨人はまさに必死の体制で戦ってきた。

それもそのはず、先発ローテーションには年俸8億(推定)エース菅野はおらず、前半奮闘した高橋優と今村も一時の勢いは落ちている。完封したかと思えば3回5失点の不安定なサンチェスにまだ3年目の戸郷が柱として投げている状況だ。リリーフもクローザーデラロサが骨折→市民権取得のため帰国→足の違和感と安定しない。

そして野手はチームリーダーにして2番ショートであった坂本が帰塁時に指を骨折。こちらも離脱が続いている。さらに2年間打線を驚異的なOPSで支えた丸も不調が続く。FA加入のトップバッター梶谷も故障。ウィーラー岡本、そしてスモークでなんとか勝っている形である。

優勝チームとしてどっしり構えたくても、現在の戦力的にはリーグ3位相当というところだろう。原監督の無理やりにも見える采配でなんとか優勝を狙えなくもない位置に踏みとどまっている。

2.リーグ再開後の阪神戦

しかしファンがこうして嘆いている間にもすでに着々と首位奪還の準備を進めている。その一つが先発ローテーションの再編成だ。週末の日本ハム戦には戸郷、そしてメルセデス菅野を登板させるがこれは2週間後のセリーグ再開後、甲子園での阪神との首位決戦を見据えたものだ。

そして山口俊が日本プロ野球に復帰した際には巨人が最有力と報じられており、2週間の隔離を得ても夏には復帰出来るのではないか。

後半戦には菅野メルセデス戸郷ーサンチェス高橋山口というローテーションを組むことが可能になり、阪神追撃の用意が整うこととなる。梶谷の全治は分からないが、坂本勇人もそのころには復帰だろう。さらにトレードも積極的にしかけていくに違いない。

巨人は北京五輪のあった2008年に最大13ゲームあった阪神との戦いを制して優勝している。勝負はこれからだということである。

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