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いきなりステーキの張り紙に見る価値の本質
リツイートで回ってきたいきなりステーキ創業者一瀬さんのお言葉。
お店の価値って不思議なもので、近くにあればあるほど、多く出店すればするほどに薄れると思います。
ルイヴィトンやグッチなどのブランド店は都内でこそ表参道に新宿、銀座、池袋など沢山のお店がありますが、基本的に地方都市なんかでは中心部に1店舗だけ展開しています。
これは脚を運ばなければ買えない事で価値を高める基本的なブランド戦略で、たとえばバイパス沿いなんかに出店したところでパパ活に熱心なおじ様や暇を持て余したおば様くらいしか来店せず、ブランドに対する大衆のイメージは地に落ちて、売上は酷いものになると思います。
それを上手く利用したのがスペインのZARAで、必ず高級ブティックの集まる場所へのみ出店、外観や内装にもこだわっている。
はっきり言って洋服としての作りは粗雑だし、デザインも基本的にまるパクりだけどファストファッション界では最も成功したと言えます。
例えばの話、イケメンや美女が何故いつも引く手数多なのか?と言えば単純で"引く手数多だから"なんだよね。
どんなデート、セックスするんだろ?っていう曖昧でぼんやりした興味でしかない。
そこに決定的な魅力や理由って恐らくそうそうないと思う。
ホストやキャバ嬢だってお店へ行ってお金を払わなければお話出来ないから、そこに価値が生まれる。
でも街を歩けばもっと容姿端麗で頭の良い人は星の数ほどいるわけです。
もし仮にいつでも誘えば遊んでくれる容姿端麗で知的な人がいたとしても、恐らく人気にはならない。
人はあくまでも
「こちらから出向かなければいけない」
「多少なり待たなければいけない」
「お金をそれなりに払わなければいけない」
つまりが労働力と時間とお金のコストを支払って得られる対価が好きなわけです。
そんなお店が、じゃあ待たなくていいようにお前の家の近所に出店したるわ!と言わんばかりに近所に出来て、歩いてすぐ、待ちなし、不人気から低価格化したところで、それをお客さんが望んでいるとは限らないのよね。
いきステ新規店舗の従業員の接客レベルはチェーン店系の飲食店の中でも下の下だと思うし、これまでのいきステの経営戦略の中でもこれは致命的だったと思う。
他には小さな値上げを繰り返した末の大規模な新規出店で、脚しげく通う顧客に飽きられないような新商品や新サービスの開発を長く怠ってきた点。
ステーキって週に何度も食べたくなるものではなく、ラーメンの様に味の振り幅もないのでよほど好きって人でも飽きます。
同じ母体で肉を食うなら無料で座れて低単価なペッパーランチで良いじゃんって人もそこそこいたはず。
僕もそう思っていたクチです。
話は変わるけど最近飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長している回転寿司のスシロー、僕は去年の冬に初めて行きましたが、これが回転寿司?と思うほど美味しかったです。
スシローの凄いところはまさに限定メニューや新規メニューの開発に一切の余念がなくて、行く度に"新しい何か"が待っている点に尽きると個人的には感じていて、お寿司だけじゃなくスイーツ商品までもがしっかり美味しいのが本当に素晴らしいと思う。
町の洋菓子店なら倍の値段はするような完成度に感じます。
回転寿司に太刀魚があるなんて誰が思いますかw
低い単価でワクワクさせるお店、これはお客さんからしたら何にも代え難い価値で、実際問題スシローの料金+1.5倍もあれば、地方都市ならばそこそこのお寿司は食べれますが店舗は連日大賑わい。
待ち時間120分なんて日もあるくらい。
ちなみに僕のお気に入りは茶碗蒸しと海老アボカドとチョコレートケーキです。
何かのテレビ番組でも一番評価の高かったのは海老アボカドでした。
カジュアルな回転寿司ならではのネタだと思います。
大前提としてお店を作り、営業させなければお金は入らないけど、そこら中へ出店して口を大きく開いたところで既存店舗への顧客流入は減り、お互いが食い合ってジリ貧に陥るのは昨今のセブンイレブンを想起させます。
こんな上から目線とも捉えられかねない張り紙で売上が戻ると本気で思っているなら、一度膿を出し切らないと存続も危ぶまれるのではと感じました。
あとは昨今のアウトドアブームで外で焼いた肉を食べる選択肢が生まれたことも関係しているのかもしれませんね。
何にせよペッパーの今後の業績改善は遠退いたと思います。
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