紫空

部屋でBILL EVANSのautmunm leavesを小さな音量で流して庭でchillしている。この時期のこの小さな庭は趣がある。樹や虫の音や緑が薄まる季節。私はこれらをあくまでも日本の伝統的な美的感受性に則って美しいと感じるのである。そんなことはどうでもいいが、chillするという言葉が流行っている今日、その薄っぺらさにもはや言葉もない。若者に文句を言うつもりもないが、chillするとは本来、マリファナを吸ってゆっくりする事を指すのだ。カフェでチルする?なんてほとんど不可能だ。しかし言葉とは時代と共に変化するものだ。こんな事を言っていては老害になってしまう。ところで私はストーナーなのでさまざまなオープンテラスで文字通りchillしてきた。まああまり大っぴらには言えないが。しかしなんだかんだゆっくり落ち着くのはやはり庭だ。誰にも文句を言われず、時を忘れて、BILL EVANSのピアノと虫の音と樹々を何時間も時を忘れて楽しんでいる。秋の夜長。

時は過ぎ去って、行方知らず、
小さい秋を見つけたと、私は誰にも告げず、
もてあます倦怠と霧のヴェール、

何何何何何、

何なんだ、何かしら。

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