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第19話:オトコはお守りをプレゼントできない

 先日、親友に会ってきた。結婚して専業主婦の彼女に、「夫婦の写真を撮ってほしい」と依頼されてカメラマンとして仕事をしてきたのだ。ミーティングと称してランチをしようとレストランに入り注文が終わったところで、「そうだ。これ、ラッピングもなしにごめんね」と手渡されたのはアクセサリー。指輪、なのだけれど輪っかは最後までつながっていない。特徴的な形をしたこの指輪は、「フォークリング」というらしい。嬉しすぎて可愛すぎて語りすぎたので、デザインなどこれ以上の情報は省略。

 これを付けながら文章をタイプしているとなんとなくいい文章が書ける気がするし(気がするだけ)、なにより、ひとりぼっちじゃない気持ちになる(書いている現在は深夜3時)。

いま、わたしの右手薬指には親友という守り神がいる。そう、このリングはいわばお守りなのだ。

 プレゼントがお守りになるには、送る対象者への興味関心とおもいやりが必須だと思う。たとえば、「お誕生日にプレゼントを贈りたい(おもいやり)。彼女にはこの色が似合うし、こんな場合にぴったり(興味関心)!」といった具合に。探したり選んだりしている間のポジティブなエネルギーがその品物に宿って、結果としてお守りのはたらきをするのだというのがわたしの持論だ。

 そして、それらは形や用途によって守り方を変える。眺めて気分を高揚させるようなものだったり、身に着けて自信をつけることで攻撃力を上げるようなものだったりする。これを読んでいるあなたの持ち物にも、思い当たる品があると思う。

 これもわたしの持論なのだが、オトコはお守りをプレゼントできない。オトコがプレゼントするのは、首輪だ。もしくは、マーキングだ。よく言われることではあるが、間違いないと思う。ペアリングしかり、何かの折に贈るファッションリングしかり。ネックレス、洋服、マグカップ。何かしら自分がお金をかけることで、それをオンナの生活に溶け込ませることで占有したつもりでいるのだ。

 たしかに、付き合っている状態でのペアリングはお守りになるかもしれない、が、非常に脆い条件下でのはなしだ。そう、「付き合っている状態で」のはなしだ。ペアリングはどちらかといえば、他所のオトコに対して「主人がいる」というパフォーマンスをするものであり、占有意識によるプレゼントだ。

マーキング系のプレゼントに関しては、そもそも興味の対象はオンナではない。「オンナを占有しているオレ」に興味が向いているのだ。興味が自分に向いているようではお守りにはなりえない。

 逆に、お守りをプレゼントできるオトコは、彼氏にも親友になれる貴重な存在だ。そんな貴重なオトコを見つけたら、すでに彼氏として付き合っているなら、手放さないことを強くおすすめする。夫として隣で一緒に生きてくれる人としてこんなに喜ばしい人材はいない。

プレゼントを選ぶときの興味関心は、普段からの情報の扱い方がよく現れる。会話の内容を覚えていたり、普段身に着けているものから好みを推測したり。おもいやりは、相手の立場や環境への配慮が現れる。このスキルは生きていくうえで必要不可欠なスキルだし、近く長く一緒にいるのであればこれらの持続的な運営こそが円満の秘訣だとわたしは考えている。

オンナである皆様方。
あなたの意中のオトコは、思い人はお守りをプレゼントできる人ですか?
オトコである皆様方。
あなたは、お守りをプレゼントしたことがありますか?
これからできますか?

「自分にお守りをプレゼントできる人材かどうか」
ココアでも飲みながら、ちょっと考えてみませんか。

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