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世界の中の日本の資産運用業

いま、あなたの心の中には、どの様な音楽が流れていますか。
 
日本経済新聞の2月12日付の社説に「資産運用業は世界に伍する競争力つけよ」とありました。

ちなみに、この社説の意味ですが「新聞などの発行者が自らの紙面で、社の主張として掲げる論説」と言う事になるかと思いますが、それにしても、タイトルに「競争力つけよ」と、ずいぶんと上からの目線だなぁと思ってしまいます。

今回の社説は、日本経済新聞社からの引用なので、日経新聞は発行部数が減少しているとはいえ、デジタル化も進んでいて、特にデジタル化では他の新聞社よりは勝ち組にかも知れませんが、新聞社も競争力つけろよ!とイラっとしたりしています。
まぁ、ワタシが資産運用業に携わっているからかも知れませんが笑
 
さて、その内容は「世界の資産運用業界でM&A(合併・買収)が広がっている。規模を大きくし、多様かつ高度化する顧客の要望に応えるためだ。日本の運用会社は小規模で特徴に欠ける。自らの競争力を問い直し、国内外の運用ニーズにしっかり応える体制を築かねばならない。」から始まります。

さらに、「世界最大の運用会社、米ブラックロックは、米国のインフラ投資の会社を1.9兆円買収で合意し、デジタル分野、物流、脱炭素など世界で高まるインフラ需要を取り込み、運用益を狙う」としています。

また、「米フランクリン・リソーシズは、競合相手の米パトナム・インベストメンツを買収し。規模を大きくして間接コストを下げ、調査・運用部門に経営資源を振り向ける。」と紹介しています。

そして、「激しい競争で大手に資金が集中するのが世界の流れ。ブラックロックの運用資産は10兆ドル。大手は運用資産で1兆ドルが目安とされ、米欧勢が上位に並ぶが、日本勢はほど遠い。収益率の分布を見ても最上位の大手とブティック型の両端が高収益を上げ、その中間は低収益に沈む。まさに日本が陥っている。」と。

日本企業は規模も小さく、低収益だとの事です。

日本の動きとして、「三菱UFJフィナンシャル・グループは運用資産を2029年度までに2倍の200兆円に増やす方針を出し、三井住友トラスト・ホールディングスは新興運用会社の発掘や買収のために5000億円の投資枠を設ける。自前の成長だけでなく、海外を含めたM&Aは選択肢になる。」としています。

最後に、「運用会社のガバナンス改革は必須。金融グループの中で運用経験の乏しいトップが入れ替わるこれまでの状況を脱し、経営の透明度を高めるべきだ」とし、さらに「グローバルに優れた人材をひき付け、能力を引き出す仕組みが欠かせない。海外から日本へ投資の関心が高まり、家計向けには新しい少額投資非課税制度(NISA)が始まった。国境を越えて動くマネーをひき付け、顧客の長期的な資産形成に資する力を高めてほしい。」との事です。
 
ガバナンスは重要ですが、金融グループの中で運用経験の乏しいトップが入れ替わるこれまでの状況を脱しても、運用成績が上がるわけではないと思います。
必ずしもファンドマネージャー経験者が運用会社のトップになる必要はないとも感じています。

運用会社とは言え、企業ですので、健全な経営がマストだと思います。
いくら運用成績が良くても、赤字続きの運用会社の投資商品に魅力を感じるでしょうか。

経営は、経営のプロに任せて、ファンドマネージャーは、運用だけに集中して頂きたいと思っています。

本日の1曲は、One Directionの「Happily」です。
ワン・ダイレクションは、“1D”と略されることが多いですね。彼らは、イギリスのバンドで2016年に活動を休止しています。

本日は、ここまで。お付き合いいただき、有難うございました。

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