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真珠の個性は、自然の造形美。SEVEN THREE.の「金魚真珠」

SEVEN THREE.』を代表する「金魚真珠」は、名前のとおり、金魚の尾びれを持っているような形で生まれてきた真珠たち。
加工を一切せず、色も形もありのままの真珠をジュエリーにしています。

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これまで、金魚真珠のように形に特徴がある真珠たちは、ほとんど流通されることがありませんでした。

個体差を生かしたままジュエリーにすると一点物になってしまうので、多店舗を持つブランドほど商品展開が難しく、小売り店でも作業量が多くて扱いづらかったのです。けれど私たちは、この真珠たちを世に出すことができないのはとても勿体無いと感じました。真円・真白ではなくても、個性のひとつひとつをその真珠の魅力として伝えていきたい。

真珠を育ててくれた生産者や母貝への敬意を込めて、「金魚真珠」を『百花-HYAKKA-』というコレクションでジュエリーにしています。

「金魚真珠」のはじまり

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「金魚真珠」というネーミングは、売るための施策として考えたわけではなく、『SEVEN THREE.』ディレクター・尾崎が真珠の選定・仕分けをしている時に、自然と真珠の形を表す呼び名として生まれたものでした。

(『SEVEN THREE.』は真珠養殖歴60年以上の祖父と、真珠検定シニアアドバイサーの資格を持つ孫を筆頭に、家族みんなで役割分担を行い商品を作っています。ブランドのルーツについては下記の記事で詳しく紹介しています)

「金魚ちゃん」「金魚の真珠」と呼びはじめてから特別感が芽生え、「この真珠、すごく可愛いんじゃない?このままの姿で届けたい」と思うようになりました。

今までにも存在していた真珠に付加価値をつけたくて「金魚真珠」と名付け、商標登録をしてリリースしたのは今から約1年半前のこと。

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2020年1月には、「伝統産業・地場産業や地域資源を活用し、デザイン性に優れたこだわりのある革新的な商品」として、令和元年度選定商品三重グッドデザイン賞を受賞しました。

ロゴ(カラー)

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色も形も大きさも、
ひとつとして同じではない「金魚真珠」

金魚真珠貝出し のコピー

実は、真円・真白の真珠が自然に生まれる確率は、決して高くありません。生産者の技術とその年の環境でも変わりますが、私たちが仕入れさせていただいている真珠養殖業者さんでは、全体のおよそ2割程度。

黄みがかっているなど色に混じりけがある真珠は、白に近づけるために特殊な染料を染み込ませて調色加工をしています。 真珠業界では珍しくない加工ですが、一般的にはあまり知られていないことです。

何も手を加えず、真白で丸い真珠が貴重であるのと同じように、特徴的な形や色を持ち誕生した真珠も、人の力で意図的に作り出せるものではありません。ブルー・グレー・ゴールドなど、色合いも本当に様々。

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特に、金魚真珠のように尾びれを持って誕生する真珠はバロックパールの中でも1割程度。尾びれが長いものほど珍しく、なかなか出会うことができません。だからこそ、真円だけでなく尾びれを持った金魚真珠の魅力も、SENEN THREE.が広く届けていきたいと思いました。

ひとつとして同じものはないから、真珠は“出会いのジュエリー”。その時惹かれた真珠とは、唯一無二の出会いです。

生産者の技術と海の生き物に敬意を持ち、
真珠の新しい魅力を伝えていく

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尾びれのついた真珠に価値がつくことは、同業の方からとても驚かれました。SEVEN THREE.の真珠は、すべて伊勢志摩の真珠養殖業者さんから直接仕入れを行っているため、「尾びれのついた真珠を買いたい」とお話すると、「変形しているのに欲しいの?」「これは売るのが難しいよ」と言われることも少なくありません。

私たちは、これまで流通されてこなかった真珠だからといって、安く仕入れたり、安く販売することはありません。こちらから金額を提示することはなく、すべて生産者さんの“希望価格”で仕入れています。

代表・尾崎が祖父の仕事を幼少期から見てきて、ひとつの真珠を育てるのがどれほど大変なことかを知っているからです。今まで着目されてこなかった真珠たちにも新しい価値を見つけ展開することで、少しでも生産者さんの力になりたい。

SEVEN THREE.は、生産者や海の生き物たちへの敬意を持ち、どんな真珠にもそれぞれの魅力があることを伝えていきたいと思っています。


Voice:尾崎ななみ
Writing:ほしゆき(SEVEN THREE.PR)

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