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ドクターイエローもいいんですが…

今日はドクターイエローの引退のニュースがかなり多かったですね。
見ると幸せを呼ぶなんて言われて、列車もこそばゆかったに違いありません。

そんなドクターイエローよりも、自分にとってはいつまでも走っていて欲しいのが、新幹線の500系です。
流体力学を応用して作られたとする今のカモノハシ形状は、今一つしっくりきません。

500系は単純明快、速度に挑戦するぞと言わんばかりのロングノーズがデザイン上の売りです。この車体に感じる美しさは、まさにこの外連味(ケレンミ)の無いシンプルなデザインに有ります。

時速100Km前後ではあまり問題にならなかった前頭形状も、300Kmに迫ろうとする速度になると、空気抵抗をいかに減らすかに腐心しなければならなくなります。
そこで、先頭車両は通常とは異なる27mもの長さを有し、かつ、空気を切り裂く形状に相応しく、尖った先端から客室の断面に徐々に変化させていくのに必要な長さが15mであったことなど、独特の美しさの陰には、さまざまな問題もはらんでいたのです。

しかも、先鋭的な車両となるの形状のため、製造コストが300系よりも高かったのです。その影響で、本来製造されるはずの車両数が半分に減らされてしまったのです。

それでも、デザインの良さは万人が認めるところとなり、デビューした1997年の翌年には、鉄道車両では最高の栄誉であるブルーリボン賞を獲得しました。また、当時の通産省の選定するグッドデザイン賞も受賞しています。まさに、デザインの力が生きていると言ってよいでしょう。

速いものは美しいを地で行けた時代の最後の作品かもしれません。
その後に出てきた車両は、登場時にはその姿は醜いとも言われたものです。それでも、700系は増備され続け、500系はあと数編成を残すのみとなってしまいました。

飛行機にしても、F-15は純粋に美しいですが、F-117となると、こんな醜い飛行機が飛んでよいのだろうかと思ってしまいますね。

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