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プラグ組立23個

昨日の作業の続きです。
昨日の記事は、友人に頼まれて嫌と言えずに作業を開始して、思ったことを綴ったものです。今日はその続きです。

私がプラグに線を繋ぐ作業を、2個3個と組み立てを始めると、友人はつと立ち上がって「ちょっと隣に行ってくる。すぐ、戻るから。」
本当にすぐに戻ってきて、手にはプラグのパーツをかなりの数持っています。

「なに、そんなに沢山、どうしたの。」
「えへ、1か月前くらいから、隣のおっさんと仲良くなって話しているうちに、話をしながらおっさんが内職を始めたんだ。それが、今お前にやって貰っている奴なんだけど、おっさんあんまり器用じゃないんで、手伝ってやったら、『助かる~本当はもっといっぱい組立の仕事が有って、いくらでも仕事は貰えるんだけど、この通りブキだから、綺麗に仕上げようとすると時間がかかってなかなか数を稼げないんだよ。』と言ことで、少し情けをかけて手伝ったのは運の尽き、毎日手伝う羽目になって、今日がピークというわけ。今日だけ凌げば、あとはおっさんだけでダイジョブなんだけど、っていうんでお前を呼んだってわけ。」

「なんだよ、それならそうと最初に言ってくれたら、もっと気合を入れたのに。」
「そう言って貰うと、気が楽になるよ。ありがとう………。」

ということで、結局プラグの結線作業は、23個手伝ってしまったというお話。でも、これでいくら貰っているか知らないですが、所詮、内職ですから、時給換算なんてできません。それくらい安くても、やらないよりましというレベルです。

未だに、一個何十銭の世界が目も前にあったのですが、時代のギャップを感じた瞬間でもありました。こういった内職の世界にまで時給の発想が取り入れられたら、日本の下請け構造は全く存在することができなくなるでしょう。

そして、仕事難民は、新しい別の仕事に組み込まれていくのかと思うと、何か切ない気持ちになってしまいました。人生のどこでそういったお金のない世界に迷い込んだのでしょうと、評論家なら発言するでしょうが、同じ境遇を数年味わった身としては、必死の思いの末にたとえどんな道に継がっていようと今目の前に進まなければという人は、たくさん存在していることを、私も肌で感じています。

プラグの話は、こんな結末になるなんて自分でも予想していませんでしたが、情報の中にはこういったことを取り扱っても良いと思い、取り上げてみたのです。

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