緑陰推進運動
私が生まれ育った町は、大きく育った銀杏の並木が駅から家まで続いていましたので、小雨程度ですとほぼ濡れずに家に辿り着くことができました。
これはとてもありがたいものです。
でも、今住んでいる地域は、緑は多少有るもののすべて庭木です。
ですから、雨が降っても雨除けにはなってくれません。
そこで提案です。幹線道路には、かなり枝ぶりの良い樹木を植えましょう。
木が十分に育った段階で、隣の木との間隔が「ゼロ」ないしは少し重なる程度を見込んで植えておきます。
対向一車線程度のやや細めの道には、背が高い樹木を同じような間隔で植えましょう。もっと細い道だったならば、カド毎に大きく丸く枝が広がるような樹木を植えましょう。
こうした緑がしっかり繁茂すれば、夏の暑さ除けになるだけでなく、多くの葉の蒸散効果により、一帯の温度が下がります。
さらに、一時に大量の雨が降っても、多くの葉にまずは雨粒が付きますので、地面が濡れるまで時間がかかりますので、いきなり水たまりができることは無く、歩く路面を確保できます。
当然のことながら、下水処理能力の一部を樹木が負担してくれますので、洪水になるまでの時間を稼げます。
また、木の根の持つ保水機能によって、地域一帯の極端な地面の乾燥を防げます。
地域全体で街路樹を多く植えることで、景観が一変します。
何より人間の目にとって良い色である緑の割合が多い景色は、心が安らぎます。そうして基本となる緑が有ったうえで、庭木などの花も元気に咲こうというものです。
一番の目的は日よけ、二番目の目的は雨除け、三番目の目的は洪水防止、そして景観が良くなるという、これらが同時に達成できる緑化をぜひ進めてほしいと思います。
これによって、人口減少を防ぐことも可能になります。自然の持つ力をいつでも身近に感じられて利用できる環境は、精神的に多少ぶれていてもそのブレを押しとどめる力が有ることも分かっています。
もし、何種類もの果樹を育てられたなら、地域の特産品にすることも可能でしょう。
可能性はいくらでも見つけることができます。
実際、ミカンの道を作った地域では、最初の内こそ実をもっていってしまう被害が見受けられましたが、景観の改善によって、地域の空気が柔らかくなるにつれて、そうした被害が無くなっていったという報告が有ります。
こころが豊かになってくるのです。