芒種と入梅 【二十四節気つれづれ】

相も変わらず、マイペース更新です。
しかも、芒種の間に
書き終えられなかったという……

でも、二十四節気シリーズ
続けて参ります。

2024年6月5日のお昼過ぎ13:10
太陽黄経は75°

二十四節気では、

小満から芒種(ぼうしゅ)へと季節が移りました。

芒種、読めましたか?

前回今回と

普段、見慣れない漢字シリーズ

としてお送りさせていただきます。

前回はこちら

まとめ

今回は、こんな感じです。

  • 読めたらスゴい漢字シリーズ

  • 二十四節気は農業の暦

  • 梅雨入りの基準は太陽高度

  • 人間は電気で動く生物だった

今回は、

大遅刻して

夏至に入って4日も経ってから
投稿するという為体ですが、

お時間ある時に、
以下の目次からどうぞ。


芒種の芒って何やねん

漢字離れが進む今日この頃。

読めても書けない漢字が増える一方で、
あえて旧字体を使う人もいます。

前回は、盈についてでしたが、
今回は、芒種の芒という漢字について。

芒種とは、こういう意味だそうです。

芒(のぎ)ある穀類、稼種する時なり

暦便覧

芒(のぎ)のある穀類が発芽して、育ち始める。

あるいは

芒のある穀類が実をつける。

稼種という単語には
2つの意味が有ります。

ノギヘンの由来

『芒(ノギ)』の有る穀類って、どれでしょう?

広辞苑には、こう書いてあります。

稲・麦などの実の殻にある針状の毛

広辞苑 『芒』

稲は禾偏(のぎへん)が付く漢字の代表格。
積む、稼ぐ、穂、穣る、穫

ちなみに、禾偏の由来は
『実を付けたイネ科の植物』

小満から芒種にあたる
5月末から6月は

春小麦を収穫する実りの時期でもあり、
田植えした稲の芽が伸びる芽生えの時期。

まさに、稼種の両方が起きる時期です。

ちなみに、こんな訓読みもあります。

すすき

って、薄だけじゃないんですね。

日本語って、雅だと本当に思います。

ちなみに、雅という意味ですが、
『華やか』ではございませぬ。

ものの趣を解し、けだかく、動作なども優美なこと。風雅。

Oxford language

モノの趣、
つまり物事の在り方や奥深さを理解する。

二十四節気を知ることは

正に、季節の移り変わりという
古典的に言えば

『もののあはれ』

宇宙という
完全無欠な半永久的システムの中に

私たち人間が生かされているという
奇跡的な事実を

季節という時間の変化から
実感出来ることなのです。

二十四節気は農業の暦

元々、季節を区切ること始めたのは、

食べられる植物を植えて育てる

という農耕が始まってから

二十四節気は月の満ち欠けに準ずる暦でもありますし、
西洋占星術と呼ばれる
黄道十二星座と太陽の位置関係にも連動しています。

植物と天体運動の関係

月の満ち欠けは、
薬草学などでは種まきや刈り入れの目安として
遥か昔から目安とされてきました。

今回、小満と芒種にかけて、
ドクダミとクチナシを
アルコール漬けにしてみました。

どちらも、漢方薬として
遥か昔から身体の不調を緩和する目的で
自然からの恵みとして利用されている植物です。

薬草学での視点として、

満月の時が一番、
植物の薬効を活用できる

という考え方があります。

昔は、新月の夜に
重要な建物に使う木材を切り
切り倒す時に、
土に付けること無く
持ち帰るという習わしがあったようです。

植物と動物は表裏一体の存在

植物は、太陽の光を浴びて
葉や茎に含まれる葉緑素の中で
自分の成長や生命維持に使う
生命エネルギーを発電します。

その副産物が、酸素。

化学式でいうと、O2ですね。

そして、動物は
細胞の中のミトコンドリアで
自分のカラダを動かすエネルギーを発電します。
その副産物が、水と二酸化炭素。

酸素が化学反応すると、CO2ができる。
これが「酸化」です。

発電、という表現を使うのは、
イメージがしやすいからです。

実際には、
植物も動物も
ピカチュウやラムちゃんの
電気を発するわけではありません。

が、

微量の電気を使って、
私たち人間の体の中では
脳と臓器、皮膚などとの間で
情報共有が行われています。

話を戻して、

植物は二酸化炭素と太陽光で発電(生命代謝)して、
副産物で酸素を排出し、

動物は酸素を使って発電をして、
二酸化炭素を排出する。

お互いに真逆の結果を出す。

これが、
東洋思想の基礎である

陰陽論という考え方であり、
二元論でもあります。

陰と陽、表裏一体。

そういう関係性を知るたびに、
宇宙という装置は
無駄がない設計で出来ていると思うのです。

太陽黄経80度が入梅

今年は、梅雨入りが例年よりも遅く、
とうとう、沖縄では
もう、梅雨が明けてしまいました。

雑節では、6/10が入梅。
太陽黄経80度が入梅です。

八十八夜や二百十日、二百二十日などと違い、
冬至から何日ではなく
太陽の角度と連動するのが
入梅です。

太陽黄経75度は
一年を一日24時間に置き換えたら
午前11時。
あと少しで、午前中が終わる。

そう言う視点から
一年間の計画を立てると

自然と廻り合わせが変わってきます。

芒種の七十二候

芒種の七十二候は以下の通りです。


初候 蟷螂生(とうろう しょうず)
螳螂が生まれ出る

次候 腐草為蛍(ふそう ほたると なる) 
腐った草が蒸れ蛍になる(日本)

末候 梅子黄 (うめのみ き なり)
梅の実が黄ばんで熟す(日本)

今年は、梅の裏年で
梅の子が少ないようです。

実ではなく、子とするのは

十二支と同じで

『子』= 始まり、種子

という意味合いがあるからです。


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