SRAの人事評価制度のご紹介
SEVENRICH Accounting(以下、SRA)ではこれまでに、メンター制度の導入や、リモート勤務制度、フレックスタイム制度の導入など、メンバーの環境をより良くするために数々の人事・労務制度を整えてきました。
その一環として、2023年には人事評価制度を刷新。属人的な評価ではなく、メンバー本人・上長・他メンバーが可能な限り納得できるよう、フェアな評価制度を設計しました。
今回のnoteでは、SRAではどんな評価指標があり、どのようなプロセスで評価が決定するのかをご紹介します。
人事評価制度を整えた目的
職位に関わらず「SRAで成長するってこういうこと」という共通認識を全員が持っている状態を作るため、人事とマネージャー陣が協働し、人事評価制度を整えました。
人事評価制度を整えた背景には、このような現場からの声がありました。
メンバーにとっては何が「成長」となるのかが不明瞭であり、上長としては組織にとって必要な「成長」をメンバーにしてほしい。お互いが建設的なコミュニケーションを取るために、基準となる評価制度が必要であると実感しました。
そこでわたしたちは、売上目標・業務目標(OKR)・定性目標(行動)という3つを軸にして評価制度を設計。これによって、メンバーの働きが多面的に評価され、自身の成長を実感しやすくなりました。
3つの要素でメンバーを評価
SRAでは年に2回、前期と後期に分けて評価を実施。2023年の場合は1月1日〜4月30日を初回の評価対象期間、5月1日〜10月30日を2度目の評価対象期間としています。前期と後期いずれも、期初に売上・OKR・行動の3つの要素で目標を設定し、それに向かって日々を過ごしてもらいます。
1. 売上目標
売上目標金額の達成率を5段階で評価します。等級(後述)ごとに目標金額は異なり、経験が浅いスタッフは、売上よりも行動面にウェイトを置いて評価します。
2. 業務目標(OKR)
OKR(目標と主要な結果)の達成率を5段階で評価します。担当するクライアント数や、顧問料の未回収率、決算期末後50日以内の納品率などが評価の対象になります。また、マネージャーへ昇格すると、採用や教育面について目標を設定するようになります。
3. 定性目標(行動)
SRAでは、メンバーの普段の行動面も評価するため、コンピテンシーという行動指針を設けています。下記の5つの項目は、すべてのメンバーに意識してもらっています。
ただし、等級ごとに求められている具体的な行動例は異なり、等級が上がるにつれてメンバーの育成なども評価に反映されます。
これらのコンピテンシー項目がどれだけ達成されたのかは、下記のように5段階で評価されます。
9種類の等級について
売上目標・業務目標・定性目標の内容は、等級ごとに大きく異なります。ここからは、メンバーが保有する能力や職務に応じて区分されている、9種類の等級について紹介します。
1. アシスタント(Assistant)
会計スタッフとしての経験が1年未満の人は、アシスタントとして働いています。この等級は売上目標を設定しないため、結果よりも行動面を高く評価されます。
2. アソシエイトライト(AL)
会計スタッフとして約1年経験すると、アソシエイトライトに昇格する人が多いです。SRAでは比較的若手のスタッフをアソシエイトと呼んでおり、会計業務を経験するにつれてライトからヘビーへ昇格します。アシスタントやアソシエイトライトのメンバーに関しては、成果ではなくプロセスを重視。主に、定性目標の達成度合いに主眼をおいて、評価を算出します。
3. アソシエイトヘビー(AH)
アソシエイトライトを約2〜3年経験すると、多くのスタッフはアソシエイトヘビーへ昇格します。この等級になったら会計スタッフとして一人前。3つの目標の内、売上目標と定性目標の達成度が総合評価へ大きく反映されます。業務としては上長から仕事を任されるだけでなく、自分からアシスタントに入力作業を依頼したり、アルバイトのスタッフをサポートしたりします。
4. シニアアソシエイトライト(SL)
この等級からは、売上目標重視。SRAの主力として活躍しているスタッフをシニアアソシエイトと呼んでいます。IPOやM&A、相続手続きなど、複雑な論点を整理しなければならない業務にもチャレンジしていきます。この段階から、社内メンバーの育成についても評価されるようになってきます。
5. シニアアソシエイトヘビー(SH)
目安として会計スタッフ歴10年以上の人は、シニアアソシエイトヘビーへ昇格します。この等級であれば、クライアントが抱えている会計税務に関するほとんどのお悩みを、上長のフォローがなくても解決できるくらい成長しているはずです。さらに、目指しているポジションによってはマネージャーのもとでマネジメント経験も積んでいきます。
6-1. プロフェッショナル(Pro)
シニアアソシエイトヘビーから、プレイヤーとしてさらなる成長を追求したいならこの等級へ昇格します。プロフェッショナルは、どの等級よりも売上目標を重視。誰よりもクライアントへの価値提供に注力してもらいます。
6-2. アシスタントマネージャー(AM)
シニアアソシエイトヘビーの中で、マネージャー陣から推薦があったスタッフは、この等級へ昇格できます。SRAにはメンターラインと呼ばれるチームが複数あり、メンター長を務めているチーム全体の生産性を管理します。
7. マネージャー(M)
アシスタントマネージャーを経験後、経営陣から推薦された人のみマネージャーに昇格できます。クライアント対応する会計税務メンバー全体がマネジメントの範囲となり、その生産性について責任を負います。
8. シニアマネージャー(SM)
マネージャーを経験後、経営陣から推薦された場合シニアマネージャーに昇格できます。SRAという会計事務所全体の営業利益をコントロールするのが、主な仕事です。
これら9種類の等級によって、売上目標・業務目標・定性目標の内、何が総合評価に大きな影響を与えるか割合が異なります。若い等級の場合、社会人として一人前になってほしいという思いから、行動面にウェイトを置いて評価。等級が上がるにつれて、売上額が評価に反映されやすくなります。
評価が決定されるプロセス
SRAの人事評価制度として大きく変わったポイントが、評価プロセスです。以前までは上長のみが評価していましたが、現行の制度においてメンバーを評価するのは、「メンバー本人」「上長」「他チームの上長」です。複数の目線を入れることで、フェアな人事評価を実現しました。
1. 自己評価
まずは売上目標・業務目標・定性目標という3つの要素から、メンバー自身で半期を振り返ってもらいます。たとえば定性目標を振り返る場合、全員共通の自己評価シートを使用。「リーダーシップ」「自己成長力」「相互理解」「プロフェッショナル」「健康」、それぞれを5段階で評価します。さらに、なぜその評価になったのか具体的なエピソードを記載してもらいます。
2. 情報収集面談
自己評価を終えたら、上長とメンバーで1on1を実施。この面談はメンバーの自己評価を否定する時間ではありません。上長とメンバーが協力し、より高い評価を得るために追記できそうな実績やエピソードを、ふたりで探す場にしてもらいます。
3. 上長評価
情報収集面談を受けて、上長がメンバーを評価します。売上評価や業務評価は数値として明らかになるため、メンバーと上長の評価がずれることはありません。しかし定性評価については、上長としてもっと評価したいポイント、もう少し頑張ってほしいポイントなど、自己評価と乖離する部分が多少あります。
4. 評価者会議
各チームの評価者が複数名集まり、上長評価が終了したメンバーに対して最終評価を決定します。ここでは、定性評価が定量評価(売上やOKR)から過度な影響を受けていないか、他のチームから見たときに被評価者はどう見えているのかなど、フェアな評価がされているかを議論していきます。
5. 評価決定
売上評価・業務評価・定性評価などの5段階評価が確定したら、総合評価を算出。S・A・B・C・Dの5段階ごとに、昇格・昇給・現状維持・降給・降格など、いずれかの結果が出ます。
6. フィードバック面談
評価が決定したら再度1on1の時間を設け、定性評価・業務評価・定性評価のそれぞれに対して、良かった点やもう少し頑張ってほしい点、行動改善のためのアドバイスを上長が伝えます。これらの段階を踏むことで、SRAから求められている成長と、現在地の差分が明確になるのです。
SRAでは、ある一定の等級になると、自身の成長だけでなく他のメンバーの成長も評価項目として盛り込まれているように、マネージャー陣が一体となってメンバーの成長や幸せに寄与します。
「今後もSRAで長く働きたい」とメンバーに思ってもらえるよう、マネージャーと人事が連携して、人事・労務制度のアップデートを続けていきます。SRAへ入社を検討されている方は、ぜひ面談でお話しさせてください。
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