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【活動報告:詳報=ミュージカル・ベストテン2020の選考投票に参加しました、1位は「ロボット・イン・ザ・ガーデン」、城田優、咲妃みゆ、藤田俊太郎、男優4位に三浦春馬も(2021)】

 日本のミュージカル界の2020年を総括するミュージカル出版社の「2020年ミュージカル・ベストテン」の投票に今年も参加させていただきました。このミュージカル・ベストテンはミュージカル関係者、ファンはもとより、世間の注目度も高く、各主要メディアも報道する大変権威のある賞です。私は共同通信社文化部の演劇担当記者だった2008年から2011年までお手伝いし、2012年は担当を外れたためにいったんお休みしていましたが、フリーランスのエンタメ批評家、インタビュアー、ライターとして独立した2013年に復帰し、今回まで8年連続で参加させていただいています。通算では12回目になります。ミュージカル出版社の方々をはじめ関係者の皆さまのご理解があってのことです。大変ありがたく感じております。今後もミュージカルをはじめ、演劇そしてエンターテインメント全般に対する鑑賞眼、批評精神をさらに磨いていきたいと思います。読者の皆様方におかれましては、ぜひとも投票結果の掲載された「ミュージカル」2021年3月・4月号「2020年ミュージカル・ベストテン発表号」をお買い求めいただき、それなりの本数をご覧になった方はあれこれと作品の臨場感を思い返していただき、あまりご覧になれなかった方は私たちをひきつけてやまないミュージカルの魅力の一端を感じ取っていただきたいと思います。ミュージカル界が未曽有のコロナ禍の下で闘った記録とも言える一冊になっています。(画像はミュージカル・ベストテン2020とは関係ありません。イメージです)

★続きは阪清和のエンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HEARTS」でも読めます(劇評など一部のコンテンツは有料ですが、ニュース記事はいまのところ無料です)

★ミュージカル出版社公式サイト

★「ミュージカル」2021年3月・4月号=amazon

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 3月5日に発売されたばかりの「ミュージカル」2021年3月・4月号は「2020年ミュージカル・ベストテン発表号」と銘打ち、大特集されています。初演作品、演出家、スタッフ、男優、女優、再演作品といった各部門ごとに順位と各選考委員の投票状況が表記されています。また各選考委員の投票順位と、1位に選んだ作品を中心とした選考理由の評が掲載されています。

 今年の投票結果です。(本を手にして読むまでは順位は知りたくないという方は以下はお読みにならないでください)

 ベストテンは日本初演作品が対象です。第1位は劇団四季の「ロボット・イン・ザ・ガーデン」、第2位は城田優主演の「ナイン」、第3位は東宝が音楽座の名作ミュージカルに挑んだ「シャボン玉とんだ 宇宙(ソラ)までとんだ」でした。以下4位「VIOLET」、5位「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」、6位「天保十二年のシェイクスピア」と「ピガール狂騒曲~シェイクスピア原作「十二夜」より~」、8位「アナスタシア」、9位「プロデューサーズ」、10位「Op.110 ベートーヴェン『不滅の恋人』への手紙」と続きます。
 2019年の1位は劇団四季の「パリのアメリカ人」、2位は城田優主演の「ピピン」でしたから、同じ傾向が2年続いたと言え、両者の実力があらためて評価されます。
 また再演作品では、「ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~」が再演賞に選ばれました。

 男優は、第1位が「ナイン」の城田優、第2位が「プロデューサーズ」「シャボン玉とんだ 宇宙(ソラ)までとんだ」などに主演した井上芳雄、第3位が「天保十二年のシェイクスピア」などに出演した浦井健治となりました。
 昨年7月に急逝したため最後のミュージカル作品となってしまった「ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド」に出演していた三浦春馬は4位に入っています。あれだけの才能を持った三浦春馬の舞台での姿が今も思い出されます。悔しくてたまりませんが、少しでも前を向けるように歩き始めましょう。
 以下、5位の中川晃教、6位の佐野正幸と高橋一生と吉原光夫、9位の田邊真也と堂本光一と続きます。
 また注目の女優は、第1位が「シャボン玉とんだ 宇宙(ソラ)までとんだ」と「ナイン」の咲妃みゆ、第2位が「サンセット大通り」「ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~」などの安蘭けい、第3位が「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」の望海風斗となりました。以下、4位の木下晴香、5位の愛希れいか、6位の高野菜々と唯月ふうか、8位の優河、9位の長澤まさみ、10位の濱田めぐみと柚香光と続きます。

 演出家賞は「天保十二年のシェイクスピア」「VIOLET」「ナイン」を手掛けた藤田俊太郎に決定しました。
 スタッフ賞は、「アナスタシア」の映像を担当したアーロン・ライン、「フラッシュダンス」振付の大村俊介(SHUN)とJUN、「ロボット・イン・ザ・ガーデン」の台本・作詞を担当した長田育恵、「ローマの休日」のオリジナルプロデューサーの酒井喜一郎、「獅子吼」脚本のシライケイタ、「ロボット・イン・ザ・ガーデン」舞台装置デザインの土岐研一、「ロボット・イン・ザ・ガーデン」のパペットのデザインとディレクションを担当したトビー・オリエ、「天保十二年のシェイクスピア」「シャボン玉とんだ 宇宙(ソラ)までとんだ」「ナイン」の美術を手掛けた松井るみ、「天保十二年のシェイクスピア」の音楽を担当した宮川彬良、「VIOLET」の美術を手掛けたモーガン・ラージの11人が選ばれました。

 私がどの作品や誰に投票したかや、どんな理由で選んだかは本誌をご購入いただいて読んでいただくとして、投票結果から言えることは、やはり1位の「ロボット・イン・ザ・ガーデン」と2位の「ナイン」、3位の「シャボン玉とんだ 宇宙(ソラ)までとんだ」が4位以下を圧倒していることです。20人の投票者のうち、1位は18人が、2位と3位は16人が1位から10位の中に選んでいることからも分かりますが、幅広い支持を集めた作品が上位につけるかたちとなりました。
 そして演出家賞で選ばれた藤田俊太郎は手掛ける作品にジャンル的な偏りがなく、どんな作品にも対応できる能力が評価されていると言えます。

 ベストテンを1位から順に見ていきましょう。
 1位の劇団四季「ロボット・イン・ザ・ガーデン」は、イギリス人作家、デボラ・インストールのロングセラー同名小説が原作。特筆されるのは、劇団四季でのミュージカル化にあたって、台本・作詞を「てがみ座」の長田育恵、演出を「雷ストレンジャーズ」の小山ゆうなと外部の才能に託したことです。これまでに例がないことではありませんが、演劇の明日も見据えた劇団四季の戦略が大いに評価されたようです。
 2位の「ナイン」は話題の映画のミュージカル化。城田は昨年の「ピピン」に次ぐ2位で、実力を見せつけました。男優部門での1位もうなずけます。
 3位の「シャボン玉とんだ 宇宙(ソラ)までとんだ」は音楽座が生み出した作品のリメイクですが、今や東宝などで作品の中央を張るミュージカルスターたちからのリスペクトが半端でない作品です。特に主演の井上芳雄の想いが熱かったようですが、相手役に抜擢された咲妃みゆが秀逸な演技を見せ、女優部門1位を獲得する原動力になりました。音楽座の初演時代をほうふつとさせる手作り感いっぱいの舞台表現も和ませました。
 4位の「VIOLET」は日英共同制作。藤田俊太郎は英国のチャリングクロス劇場での製作・上演を経て、日本でもみずみずしい感性を披露。大きな成果を上げました。
 5位の「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」と6位タイの「ピガール狂騒曲~シェイクスピア原作「十二夜」より~」は宝塚歌劇の実力をいかんなく発揮した作品でしたから選ばれて当然でしょう。
 6位タイの「天保十二年のシェイクスピア」は井上ひさしの音楽劇を藤田俊太郎の新しい解釈に高橋一生のワルぶりがはまり、高い評価を得ました。
 8位の「アナスタシア」は、葵わかなと木下晴香、海宝直人という魅力的なキャスティングが肝。大阪公演は断念せざるを得なかっただけに、ベストテン入りは朗報でしょう。
 9位「プロデューサーズ」は吉沢亮、大野拓朗がダブルキャストで若き会計士を演じ、かつての敏腕プロデューサー役の井上芳雄と組んで大きな賭けに出る物語。わき役に至るまで実力派を配したことで見ごたえのある作品になりました。
 10位の「Op.110 ベートーヴェン『不滅の恋人』への手紙」は音楽劇ともミュージカルとも違う、得も言えぬ感触を残す作品。ベートーヴェンが愛した恋人に送った(あるいは送らなかった)手紙をもとに、そのお相手がだれなのかやベートーヴェンとの愛の深層を探る作品です。舞台中央に置かれたグランドピアノで生演奏される調べに乗せて、詩の朗読のようなせりふが交わされる上質な作品でした。名匠、栗山民也の手腕が光ります。

 「ミュージカル」2021年3月・4月号は前述したように、「2020年ミュージカル・ベストテン発表号」ですが、通常の企画記事も充実。ミュージカル「モーツァルト!」に出演する山崎育三郎、古川雄大、木下晴香のインタビューをはじめ、ミュージカル「ウェイトレス」主演の高畑充希や「GHOST」の桜井玲香・水田航生のインタビューなど注目の記事が目白押しです。ぜひご購入いただき、ご覧ください。

 なお、このエンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HEARTS」では年間を通じて80~100本の劇評を発表しており、これは個人としては日本で最も多い数です。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大のために多くの舞台が中止になり、本数は減りましたが、今年に入って急速に回復しております。
 今回の「2020年ミュージカル・ベストテン」で受賞した作品の劇評を以下にご紹介し、リンクを貼っておきますので、自由にご覧ください。観劇時の感動が、受賞の喜びとともによみがえることは間違いありません。
 作品をご覧になれなかった方も、それぞれの作品の臨場感をお楽しみください。

 ただ、2017年までと少し事情が変わった点があります。劇評など一部のコンテンツの全体像を無料でお読みいただけるサービスは2018年4月7日をもって終了いたしました。ブログでは序文だけ無料公開し、劇評の続きを含む劇評の全体像は新しいクリエイターのための作品発表型SNSサイト「note」で有料(100~300円)公開しています。ここではわたくし阪清和の専用ページへのリンクを貼っておきますが、ブログに掲載したそれぞれの劇評に飛んでいただければnoteの個別記事へのリンクがありますので、ご利用ください。
 ご理解を賜れば幸いです。

【注】劇評など一部のコンテンツの全体像を無料でお読みいただけるサービスは2018年4月7日をもって終了いたしました。「有料化お知らせ記事」をお読みいただき、ご理解を賜れば幸いです。

【各部門での受賞作のうち、エンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HEARTS」に掲載された劇評リスト】

<ベストテン第3位>
★ミュージカル「シャボン玉とんだ 宇宙(ソラ)までとんだ(2020)」」劇評=2020.01.28投稿

<ベストテン第4位>
★ミュージカル「VIOLET(唯月ふうか・稲田ほのか出演回)(2020)」劇評=2020.09.07投稿

<ベストテン第5位>
★音楽劇「天保十二年のシェイクスピア(2020)」劇評=2020.02.15投稿

<ベストテン第9位>
★ミュージカル「プロデューサーズ(吉沢亮出演回)(2020)」劇評=2020.11.24投稿

★ミュージカル「プロデューサーズ(大野拓朗出演回)(2020)」劇評=2020.11.24投稿

<ベストテン第10位>
★ミュージカル「Op.110 ベートーヴェン『不滅の恋人』への手紙」劇評(2020)=2019.04.23投稿

<男優ベストテン第2位となった井上芳雄と女優ベストテン第1位となった咲妃みゆが出演>
★ミュージカル「シャボン玉とんだ 宇宙(ソラ)までとんだ(2020)」」劇評=2020.01.28投稿

<男優ベストテン第3位となった浦井健治と第6位となった高橋一生が出演>
★音楽劇「天保十二年のシェイクスピア(2020)」劇評=2020.02.15投稿

<男優ベストテン第5位となった中川晃教が出演>
★ミュージカル「ビューティフル(平原綾香出演回)(2020)」劇評=2020.11.22投稿

★ミュージカル「ビューティフル(水樹奈々出演回)(2020)」劇評=2020.11.23投稿

<男優ベストテン第6位となった吉原光夫と女優ベストテン6位となった唯月ふうかが出演>
★ミュージカル「VIOLET(2020)」劇評=2020.09.07投稿

<男優ベストテン第9位となった堂本光一二が出演>
★ミュージカル「Endless SHOCK(2020)」劇評=2020.02.09投稿

<女優ベストテン第2位となった安蘭けいが出演>
★ミュージカル「サンセット大通り(安蘭けい・松下優也バージョン)(2020)」劇評=2020.03.25投稿

<女優ベストテン第4位となった木下晴香が出演>
★ミュージカル「プロデューサーズ(吉沢亮出演回)(2020)」劇評=2020.11.24投稿

★ミュージカル「プロデューサーズ(大野拓朗出演回)(2020)」劇評=2020.11.24投稿

<女優ベストテン第6位となった高野菜々が出演>
★ミュージカル「SUNDAY サンデイ(2020)」劇評=2021.01.26投稿

<女優ベストテン第6位となった唯月ふうかが出演>
★ミュージカル「生きる(鹿賀丈史・小西遼生・唯月ふうか<とよ役>・May’n<一枝役>出演回)(2020)」劇評=2020.10.27投稿

<女優ベストテン第9位となった長澤まさみが出演>
★ミュージカル「フリムンシスターズ(2020)」劇評=2020.12.01投稿

<演出家賞に輝いた藤田俊太郎が演出>
★ミュージカル「VIOLET(唯月ふうか・稲田ほのか出演回)(2020)」劇評=2020.09.07投稿

★音楽劇「天保十二年のシェイクスピア(2020)」劇評=2020.02.15投稿

<スタッフ賞に輝いた酒井喜一郎がオリジナルプロデューサーを担当>
★ミュージカル「ローマの休日(朝夏まなと・平方元基・藤森慎吾出演回)(2020)」劇評=2020.10.28投稿

<スタッフ賞に輝いた松井るみが美術を担当し宮川彬良が音楽を担当>
★音楽劇「天保十二年のシェイクスピア(2020)」劇評=2020.02.15投稿

★ミュージカル「シャボン玉とんだ 宇宙(ソラ)までとんだ(2020)」」劇評=2020.01.28投稿

<スタッフ賞に輝いた宮川彬良が音楽を担当>
★音楽劇「天保十二年のシェイクスピア(2020)」劇評=2020.02.15投稿

<スタッフ賞に輝いたモーガン・ラージが美術を担当>
★ミュージカル「VIOLET(唯月ふうか・稲田ほのか出演回)(2020)」劇評=2020.09.07投稿

 阪清和のエンタメ批評&応援ブログ「SEVEN HEARTS」は、映画、演劇、音楽、ドラマ、漫画、現代アート、ウェブカルチャーなどに関するエンターテインメントコンテンツの批評やニュース、リポート、トピックなどで構成され、毎日数回更新しています。

 わたくし阪清和は、エンタメ批評家・ブロガーとして、毎日更新の当ブログなどで映画・演劇・ドラマ・音楽・漫画・ウェブカルチャー・現代アートなどに関する作品批評や取材リポート、稽古場便り、オリジナル独占インタビュー、国内・海外のエンタメ情報・ニュース、受賞速報などを多数執筆する一方、一部のエンタメ関連賞の審査投票や票賞選出などにも関わっています。

 さらにインタビュアー、ライター、ジャーナリスト、編集者、アナウンサー、MCとして雑誌や新聞、Web媒体、公演パンフレット、劇場パブリシティ、劇団機関紙、劇団会員情報誌、エンタメ系ニュースリリース、プレイガイド向け宣材、演劇祭公式パンフレット、広告宣伝記事、公式ガイドブック、一般企業ホームページなどで幅広く、インタビュー、取材・執筆、パンフレット編集・進行管理、アナウンス、企画支援、文章・広報コンサルティング、アフタートークの司会進行などを手掛けています。現在、音楽の分野で海外の事業体とも連携の準備を進めています。今年春以降は全国の新聞で最新流行現象を追い掛ける連載記事もスタートします。昨年夏からは一般企業のニュースリリースやインタビューも手掛け始めました。今後も機会を見つけて活動のご報告をさせていただきたいと思います。わたくしの表現活動を理解していただく一助になれば幸いです。お時間のある時で結構ですので、ぜひご覧ください。

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