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<エンタメ批評家★阪 清和>ストレートプレイ劇評セレクション

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阪 清和が発表したストレートプレイ演劇に関する劇評をまとめました。音楽劇を入れるかどうかはその都度作品ごとの内容を吟味して決定します。さあ、あなたも演劇の深遠な世界へ! ジャニー…
「不要不急」か「人生の宝物」か。そんな議論をしている暇があれば、演劇を観てください。日本の演劇はい…
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#こまつ座

芝居や演技が愛すべきものであることを示すとともに、演劇がさまざまな思いの突破口、…

 いろんな災厄や災害があった時、もっとも早く再開される、あるいはその状況を受けて新たな作…

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弾けた演技力示す鈴木壮麻と八面六臂の賀来千香子、生きることと死ぬことの間にある人…

 人は意識がない時も夢を見ることがあるという説が有力だが、それが生死の境をさまよっている…

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世論が移ろいやすくなった脆弱な現代と怖いほどリンクする恐るべき作品であることが初…

 吉良上野介の視点から赤穂浪士らの吉良邸討ち入りを描く―。よくある「外伝」や「スピンオフ…

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すべてを覆いつくすのがあの人類の悲劇と分かっていても、一瞬一瞬を懸命に生きた人間…

 どんなに過酷な状況に追い込まれた登場人物たちを扱っていても、井上ひさしの作品にはその一…

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窮状の中でもしおれず立ち上がる女性たちのしなやかさが香りたち、気品のある力強さに…

 貧富の差が広がり続けているというのに、その解決への機運が一向に盛り上がらない、不思議の…

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暗い時代にあっても笑いと生命力が息づく時代を描く人情喜劇として成立。市井の人々の…

 水谷八重子の女優としての生きざまを描きながらも、水谷八重子は一度だって登場しない。つま…

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戦争が個人にもたらす残酷な仕打ちへの怖れと人生の哀歓がこもった得難い余韻を残していく作品…★劇評★【舞台=私はだれでしょう(2020)】

 戦争は恐ろしい。そう言ったとしても本当に実感としてそう感じてくれているのかどうかを推し量ることはなかなか難しい。しかし、物語の中に潜ませたそうした真理は観客の心の中にひたひたと入り込み、いつのまにか絶対にはぎとることのできない感情として定着する。井上ひさしが終戦直後に急増した「たずね人」をモチーフに戦争の傷跡の実相とそこからの再生を描いた舞台「私はだれでしょう」は、市井の人々が時につつましく時にたくましく生きる生活感あふれる描写が満載で、挟み込まれる劇中歌も底辺にあっても前

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ひたひたと迫る地獄のような戦争の地響きの中で咲く「生」という花々の意味合いがより…

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恐ろしいほどの想像力と創造力をもって「忠臣蔵」の闇を切り裂いた…★劇評★【舞台=…

 ものの本を読むと、浅野内匠頭の江戸城松の大廊下での吉良上野介に対する刃傷沙汰とその後の…

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ひとつひとつのせりふが醸し出す有機的な意味合いがよりふくらみを増して…★劇評★【…

 夜汽車というのはどうにも心がガタゴト揺り動かされて、切なくてしかたがない。何か蒸気や電…

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地球のために動物たちが立ち上がる。現代人はこれを予言の書としか思えなくなる…★劇…

 かつて井上ひさしが劇団四季に書き下ろした「どうぶつ会議」をこまつ座が上演している。戦争…

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青白い炎が真っ赤な火炎へと増幅していくような凄みにあふれた作品…★劇評★【舞台=…

 井上ひさしが生前悲願として抱きながら、具体的な作品にすることができなかった長崎を舞台に…

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再び世界が排他的であることの愉悦に酔う迷宮にはまりつつある現代に、この作品がもた…

 私にはこの5人の女性たちが、美しいハーモニーを奏でるに至る合唱団のように見えてならない…

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