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<エンタメ批評家★阪 清和>ストレートプレイ劇評セレクション

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阪 清和が発表したストレートプレイ演劇に関する劇評をまとめました。音楽劇を入れるかどうかはその都度作品ごとの内容を吟味して決定します。さあ、あなたも演劇の深遠な世界へ! ジャニー…
「不要不急」か「人生の宝物」か。そんな議論をしている暇があれば、演劇を観てください。日本の演劇はい…
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2018年6月の記事一覧

戦後、そして信じられるものがほとんど崩壊してしまった現代という時代に、決して忘れ…

 かつて放送部員だった学生のころ、「失われゆく音を求めて」というタイトルの音声ドキュメン…

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のっぴきならない落とし穴へ…★劇評★【舞台=奇行遊戯(2018)】

 骨太の野心作を連発している劇団「TRASHMASTERS(トラッシュマスターズ)」の主宰、中津留章…

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名作誕生の裏にあった「かもしれない」愛の物語、演劇への尽きせぬ情熱あふれ出す…★…

 たまたま2日続けて、演劇の舞台裏をのぞく作品を観て思ったことがある。それらは高校演劇部…

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漂流していたのは自分の方だったのか…★劇評★【舞台=ペーパームーン(2018)】

 亡くなった方への手紙やいろんな事情から出せない手紙、そして行方の分からない人への手紙、…

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繊細な演技が激しく揺らす魂…★劇評★【舞台=父と暮せば(2018)】

 引っ越しのために荷物を整理していて古ぼけた広島原爆資料館(正式には広島平和記念資料館)…

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カオスのような責任転嫁地獄のループ…★劇評★【舞台=消す(2018)】

 すべてのことは自分が悪いんだと自分を責めるのはとても良くないことだが、他人のせいにする…

「黒」という色が持つなんとも豊かな色合い…★劇評★【舞台】 黒蜥蜴(2018)

 江戸川乱歩の描くヒールは何と魅力的なのだろう。その欲望にはとどまるところがなく、ほとんど人間として許されない範疇にまで振り切っている人間だというのに、人々の目を、心を惹きつけて離さない。ましてやその小説が三島由紀夫によって戯曲としてさらに耽美的に磨き上げられているのだから、観客たちはたまったものではない。しかも明智小五郎にはミュージカル界の貴公子、井上芳雄を、ヒールの優秀な手下、雨宮潤一には演劇の申し子、成河を、誘拐される深窓の令嬢には新進気鋭の相楽樹を、その父親には演劇界

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