(番外編)セブン銀行サービス「ATM窓口」と ACSiON「proost」の連携開始
こんにちは、セブン銀行 ATM+企画部 広報担当です。
今回は2024年5月にセブン銀行「+Connect」(プラスコネクト)の「ATM窓口」と株式会社ACSiON の「proost」の連携開始に伴い、株式会社ACSiON 竹内さん森藤さんと、セブン銀行 ATM+企画部 木村さんとの対談インタビューをお届けします。
本人認証「proost」との連携がもたらす、「ATM窓口」の新たな可能性
――まずは簡単に自己紹介と、ご担当のミッションについてお願いします。
ACSiON 竹内 進氏(以下、竹内氏) 私はセブン銀行グループであるACSiONで提供している「proost(プルースト)」という本人認証サービスのプロダクトオーナーとして参画しました。ATMでの本人確認を活用したサービスの開発プロジェクト(以下、本プロジェクト)には先行利用からの参画となり、セブン銀行と連携して、得意先である金融機関さま、事業者さまのお話を伺い、製品のサービス仕様を検討、得意先に営業、導入を担当しています。
ACSiON 森藤 雅宣氏(以下、森藤氏) 本プロジェクトにおける開発のプロジェクトマネージャーを務めました。サービスインに至るまで、proostとATM連携の要件定義からリソースの確保、スケジュール・予算管理、品質管理、リスク対応など全般を担当しました。
セブン銀行 木村 立地(以下、木村) 本プロジェクトの発足時からサービス企画担当として参画しました。直近ではATM窓口とproostの連携等、同じ時期に開発していた複数案件のチームリーダーとしてサービスインに向けた全体進捗、課題管理を担当し、ACSiONや開発メンバーと共に推進してきました。
――セブン銀行ATMとproostとの連携の理由を教えて下さい。またどのような効果、サービスを目指しましたか。
木村 本プロジェクトでは、ATMを軸としたセブン銀行グループ全体での複合的なサービスインフラを提供し、現金の入出金に留まらない新しいサービスとしてセブン銀行グループの新たな中核事業を創出することを目指し、検討を重ねてきました。様々なサービスの実現にあたり、新型ATMによる顔認証、本人確認書類の読み取り機能を活用して、proostとの連携を目指しました。まずは先行利用を2021年からスタートし、この段階では、ATMで本人確認を要する手続きを提供しました。これにより自宅近くに銀行窓口がなかったり、営業時間外であっても、最寄りのセブン-イレブンで手続きが可能となりました。当初、先行利用は短期間の予定でしたが、進めるなかで提携金融機関さまから様々なご要望をいただきました。そこで、実施期間の延長や参加いただく企業の拡大を進め、一例として銀行の口座開設の手続き受付サービスを国内コンビニATMで初めて開始しました。さらに金融機関だけでなく一般事業者にも本人認証に活用いただけるよう機能を拡充し、先行利用の知見をふまえて、「+Connect」として2023年9月にサービスインを迎えました。+Connect のサービスの1つである「ATM窓口」は、以前よりproostを連携して欲しいという声を多くいただいていたこともあり、要望にお応えするべく機能拡張の開発を進め、2024年3月のタイミングで連携が実現しました。セブン銀行としてもATM窓口でproost連携ができることにより、より一層のセブン銀行グループとしての相乗効果が生まれることを期待しております。
――proostと+Connect(ATM窓口)のサービス連携により、もたらされるメリットをお願いします。
竹内氏 「proost」は生活をより便利にする、eKYC/オンライン本人認証サービスになります。proostとATM窓口との連携により、proostの特徴である会員制本人認証サービスを、用途に合ったチャネルにてご利用することができる仕様となりました。リアルな窓口の代わりとしてATMを使うことも出来ますし、一般的なeKYCサービス同様、スマートフォンでもご利用が可能です。
森藤氏 proostはオンラインのサービスですが、スマートフォンを使った口座開設はお客さま自身によるセルフィ―撮影と本人確認書類の撮影、本人確認書類の厚みの撮影など、それなりに時間がかかります。一方で、proost連携をオプションとして選択したATM窓口をご利用いただくと、本人確認書類の読み取りや写真撮影など、所要時間としては3分程度で完了するため、高い利便性をご提供できると考えております。
竹内氏 そうですね、開発の際、私達が特に実感したのはATMという端末の強力さでした。画面が大きくわかりやすく、タッチパネルの操作性も優れています。さらに本人確認書類に搭載されたICチップを読み取ることで本人認証が完了するので、端末としての使いやすさや優秀さを実感しました。スマートフォンに慣れていないお客さまも含め、世代を問わず、この便利さを実感いただけると思います。
金融機関の期待度の高さが、追加要件として続々現れる
――今回のプロジェクトにおいて、開発で苦労された点について教えてください。
竹内氏 当初、本プロジェクトの先行利用は短期間を予定していました。ところが、いざスタートしてみると、提携先金融機関さまの期待値が非常に高く「こんなこともやってみたい」「あんなこともしたい」と次々と追加のご要望をいただきました。メインの本番開発前の実証期間ながら、そうした要望に応えるため複数の業務を並行して開発したのは大変でした。各金融機関さまからは、本人確認と、それに付帯する手続きがATMで実現出来るという点が評価されて、潜在的なニーズの掘り起こしにつながった、と感じています。
森藤氏 開発担当としては要求仕様の増加に伴い、スケジュール管理を非常に意識しました。ACSiONだけでなく他の協力会社さま、またセブン銀行メンバーなど、複数のステークホルダーがおり、全員で足並みをそろえないと試験は出来ません。前提として、高い品質の提供が必要であり、少しのバグでも各方面に影響が出てしまうため、他に影響を与えないための調整に苦労しました。また、セブン銀行ATMの接続に対してセキュリティ要件が非常に高く、ACSiONでは初めて扱う技術であったため、実際にATMと接続ができるまではチャレンジの連続だったと感じています。
木村 当初、既存アセットの組合せにより最小限の開発で進める予定でしたが、想定外のユースケースを先行利用として実施することとなり、その先には本番利用も控えていたため、ACSiONをはじめ、関係メンバーが一丸となって取り組みました。結果として計画通りサービスインを迎えることができて、みなさんのご協力に大変感謝しています。3月のサービスイン当日は、日付が変わった午前0時から実際にATMで想定の手続きが実施できるかの稼働確認をACSiONに対応いただいて、その節は大変お世話になりました(笑)。
竹内氏 こちらこそ、お世話になりました。当日は自分が0時に自宅最寄りのセブン-イレブンのATMで実際に取引を行い、正常稼働を確認し、すぐに木村さんはじめ皆さんに連絡させていただきました。
セブン銀行ATMがまたひとつ進化し、新たな価値提供を実現
――最後に、プロジェクトへの想いと今後の展望についてお聞かせください。
竹内氏 個人的には新しいサービスやプロジェクトを社会実装し、広げていきたいという想いがあります。proostも然りで、今回、セブン銀行ATMにて幅広いお客さまに利用機会を提供でき、提携先さまの反応に非常に良い手応えがあったので、自信を持って世に送り出せたと感じています。これからの展開として一般事業者向けに新たなサービスを提供実現し、より発展させたいと考えています。先々は、セブン銀行ATMが様々な提携先さまの店舗に置かれ、ATMやproostが広く認知されて、その価値を提供できるのではと期待しています。ATMがロボットの様により身近になり、不正検知の技術を活かしながら、安心安全な社会づくりに貢献したいと考えています。
森藤氏 開発者の立場から、まずはご要望に対して納期を含めてしっかりご提供できたことにひと安心しています。またセブン銀行ATMのサービスということで、今後認知度が増していき、将来は自分の子供も普通に利用できるような身近なサービスになると期待しています。一般のお客さまのライフスタイルに寄り添っていくことと、提携事業者さまの合理化の両軸で支援し、成長させていきたいと考えています。
木村 セブン銀行ATMは現金プラットフォームという枠を超え、お客さまの日常生活のなかで簡単、便利、かつ安心してご利用いただけるチャネルとして、お客さまに寄り添っていけたらと考えています。提携事業者さまにとっては、セブン銀行ATMを通じてお客さまと接点が増え、窓口のDXにおいても支援できるサービスプラットフォームになると考えております。+Connectがproostと連携できたことで、セブン銀行グループとして目指すべき姿にさらに一歩近づいたと実感していますし、これまでATMのお取引きがなかった事業者さまともつながることで、社会に新たな価値を提供していきたいと考えています。
※本インタビューは2024年6月14日に実施したものです。
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