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カロリーヌ熱が止まらない

 本を好きになった理由ってはっきり覚えていないけど、たぶん母が毎晩読み聞かせてくれたせいだと思う。

 コロナ禍で緊急事態宣言が出された頃「ブックカバーチャレンジ」というやや気がひけるリクエストが回ってきて、本かぁと思いつつも本についてはほとんど書かずに話が逸れまくったのが、noteのデビュー投稿でした。

 でも実際に本として紹介したかったのは、僕の読書体験の原点である絵本「カロリーヌとゆかいな8ひき」シリーズでした。

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 作者は1913年フランス生まれの、ピエール・プロブスト。第二次世界大戦から生還した元兵士です(ちなみに、同じく第二次世界大戦でフランス空軍のパイロットだった「星の王子様」の作者サン・デグジュペリは1900年生まれ)。

 シリーズ最初の作品は1953年。僕が生まれる20年近く前の作品です。

 彼の本に出てくるキャラクターたちは、その表情や躍動感が素晴らしい上に、絵に細かな仕込みが多く、いたずら心に溢れていて、ページを眺めているだけでも顔が緩んでしまいます(今でも見つけ忘れた発見があるくらい)。

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         我が家のお気に入りは子犬のユピー

 出てくる食べ物はどれも美味しそうだし、工業製品の描写などは絵本レベルを軽く超えていて額に入れて飾りたいくらい。

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 毎晩ベッドの中から世界の旅へ連れ出してくれた思い出の本を2歳の娘に読んであげたら見事にハマってくれて、カロリーヌ読んで!って本を片手にお願いされるのが毎晩幸せです。

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 図書館や児童館であまり見かけないけど、僕のなかではこれ以上楽しませてくれた絵本シリーズはありません。

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 あともうひとつ、どうしても記憶から消すことができないのは、人間の心の闇とホラーの魅力を教えてくれた「注文の多い料理店」。長いこと猫が苦手だったのはたぶんこの本のせい。

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絵本の記憶って、ずいぶん長く残るものだなぁ。

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