牌譜添削⑦雀豪1さん

今回の牌譜主さんは、初めての東風戦主体の方。
私自身はほとんど半荘戦しか打ちません。まぁそれでも麻雀に変わりないし、添削はいけるだろうと思ってましたが、、、これが予想以上に難しかった。

●成績概観

主さんの成績

前回の主さんに続いて2,3着多めのマツカヨさんのインタビュー回避麻雀ですね。
攻守スタッツを見ても、守備型参加率低めのスタイルで副露も少なめ。
打点は高めなものの、さすがに和銃差が9%以下では雀聖を伺うのは厳しい。どこかで攻めのテコ入れが必要な点はありそうです。
最近特にラスが増えて打数も減り気味の様子。主さんのモチベーション回復のために、今日も頑張って添削していきます!

●牌譜検証をして感じた課題

東風戦は常に点数状況判断が絡むからなかなか主さんの傾向を掴むことに苦労しましたが、複数牌譜を見るうちに少しずつ見えてきました。

課題①スリムにして損をする局面を理解する

これまでの主さんにもいらっしゃいましたが、典型的スリム損をしてしまっているタイプだなと感じました。
強者の中には、序盤からスリムにすることを否定する人もいます。しかし、多井プロのようにスリム派でも強い打ち手もいるのは紛れもない事実。私自身スリム寄りですし、主さんのスタイル自体には肯定的です。
ただし、「スリムにすることで明確に損する局面や牌姿」もあると考えます。具体的には「スリムにしなくても安全が確保されている時」や、「勝負手で待受ロスが大きすぎる時」ですね。主さんは特に後者のポイントで気になる事例が複数ありありました。

課題②手役を狙いすぎて和了率を犠牲にしている

主さんの平均打点の高さにも表れている通り、結構な手役派だと感じました。それはそれで悪くないものの、自分の和了率を犠牲にするということは他家のアガリを増やしてしまっているということに目を向けてもいいかもしれません。特に東風戦では一度もアガれず終了なんてことも珍しくありませんし、他家より100点でも多く持ってオーラスに突入することが極めて重要です。
低打点でも和了率をあげることの有効性は、統計データでも表れています。牌譜屋の玉東データを以下ご覧ください。

高段者ほど当たり前のように和了率が高いが…

実は平均和了(打点)は、高段者になればなるほど下がっている点に注目したいです!つまり、安くてもいいから多く上がっている人が勝ち上がっていることを意味します。

●事例集

8/25 23:58の東風 東1局

打2万としたところ

スリムすぎですね。これは字牌か、スリムにしたければせめて9pでしょうか。
スリムにして損する局面の代表例として、「ブロック不足時のくっつき」があります。字牌は縦にしか伸びませんが、2mは1~4mの4種も受入があります。特に序盤では、字牌を1枚持てるメリットを大幅に上回るロスになります。しかも東1局で自分の手はドラ赤。少しラスが続いて消極的な気持ちになりすぎてしまったでしょうか。

8/12 23:05の東風 東1局

打8mとするが…

これも西を切りたいです。自分は親で2メンツ確定赤入りかつタンヤオの見えるこの配牌はどう考えても攻め番です。5mで筋フォローが利いてるとはいえ、まだ完全にはブロックが足りていないこの状況で、78万引きが激痛です。ましてやまだ2巡目。ここは恐れずしばらく手を広げていきたいです。

8/12 23:05の東風 東3局

ここも西を残し打8m

これも素直に西を切るべきです。自分の手はタンヤオの見えるドラ4です。これは自分が弱気になっている場合ではなく、敵を震え上がらせるターンにするべきです。また、注目してほしいのはここでも「ブロック数」です。形上、まだブロックが一つ足りてないことに気付けるでしょうか。その場合のくっつき牌の待ち受けロスは先に述べた通りです。

8/11 21:36の東風 東1局

打2pと先切りするが…

これもスリムすぎです。234の三色を強く見たのだと思いますが、絶好のドラ8s引きの時の雀頭をなくしてしまっていることに気付いていますでしょうか? しかも自分の親番でまだ2巡目。白を持てるメリットをはるかに上回るロスがありそうです。

8/11 21:36の東風 東2局

打2mとするが

親の現物9pと字牌中を持ちたかったのだと思いますが、ブロック数の足りない中この構えだとほとんどアガれなそうです。ここで中を切りたくないのであれば、そもそも発を鳴かない構えの方が戦えそうです。
そしてこの局には続きがあり…

打白としたところ

スリム派の活躍どころはむしろここです。白で全然悪くないですが、スリム好きな人はこういう時に4sを切っていることはお伝えしておこうと思います。3対子のこの形では、4sを切ってもロスは4sの2枚しかありません。(カラテンになる7mは無視) また、巡目も深くなってきていて他家からいつリーチがきてもおかしくない状況で、聴牌時打牌の安全度(4s or 白)が重要になっている局面です。このロスの少なさ、巡目の深さこそスリム派の活躍どころです。

似たような形で、次の東3局の打5mはGoodです。これはスリムにしても大丈夫な範囲内だと感じました。

5mの先切

ポンテンを失うので正直際どくはありますが、ロスは3枚と多くないですね。あまり一概には言えませんが、だいたい3枚か多くても4枚くらいのロスなら許容してもいいか…?くらいが目安になると思います。今回の例は上級者でも5mを切る人白を切る人が割れる、どちらでもいいレベルだと思います。

8/10 7:00の東風 東3局1本場

西ポンからの打6sでホンイツへ

スリム警察シリーズはまだまだありましたが、ここらで手役警察シリーズに参ります。東3局ラス目で一気に逆転したい気持ちはわかりますが、この西ポン6sはやりすぎです。さすがにホンイツは遠すぎること、そして自分はドラドラあるのでホンイツにならなくても十分にマンガンクラスが狙える手であることは重要です。一枚切れの白を捨てていき様子を見たいところです。

8/13 23:47の東風 東1局

打3mで789三色かピンズ一通か

これはまだ許容できるレベルですが、私は9pを切ります。ペンチャン残りの苦しい形の中、また端牌9pにくっつけにいくムーブはかなりアガれないと思います。素直に牌効率に素直に平和を作りに行った方が安定する気はします。

8/13 23:47の東風 東2局

打5mで索子一通…?

これはやりすぎです。そもそも白と567mで2メンツできている時点で索子の一気通貫にはターツオーバーでなりません。足りないのは雀頭と両面くっつきであり、亜両面の5mはそのどちらにも貴重な存在です。ここは強気なら二枚切れの1s、弱気でも9sを切りたいでしょうか。個人的には供託2本なら和了の価値が大きいので、強気に1sから行きたいです。

まとめ

うち筋や打数、東風好きであること、慎重な守り等々を鑑みると、鬼打ちというより一回を集中して大切に打つタイプかな?と推測しております。
集中力は才能です。そんな主さんなら上記の課題を克服すればすぐにでも成績は向上すると確信しております。こちらの添削が主さんにとって少しでも参考になれば幸いです!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?